全体的に、所得格差が拡大! フラット35「利用者調査」の結果から見る、フラット35の利用者像

住宅金融支援機構では、毎年フラット35を利用した方のデータを集計し、その動向を公表しています。

今回は2017年度に、実際に融資を受けた事例が公表されていますので、解説していきましょう

フラット35

特徴的なのはシニア層の購買需要

2017年度は、中古マンション、建売住宅及び中古戸建の構成比が増加、注文住宅の構成比が減少しました。

ただし、過去と比較して、全体的な構成比に大きな変化はありません。

年齢の構成比

年齢の構成比は、中心的な利用年齢層である30歳代の構成比が、中古マンションを除き減少しています

他方、50歳代以上の割合は全体的に増加しています。

全体の構成比では、30歳代が42.9%、40歳代が25.1%となっており、この年代が中心的な利用年齢層であることに変わりありませんが、首都圏などでは新築マンションの値段が高騰していることもあり、この年代が中古マンションにシフトした可能性があります

他方、50歳代が10.8%、60歳以上が7.0%と、前年度に比べて増加しています。

この要因としては、維持が大変な注文住宅から、管理が楽なマンションへの住み替えが多くなっており、所要資金が発生したことが要因と考えられます。

年収倍率(所要資金 ÷ 年収)は緩やかな上昇続く

世帯年収の構成比は、全体では前年度から大きな変化はありません。

全体の構成比では、

年収400~599万円が40.8%
年収~399万円が23.1%
年収600~799万円が19.9%

となっています。

世帯年収の構成比

特徴的なのは、先に指摘した首都圏での新築マンションの値段が高騰している影響か、マンションでは年収600万円以上の世帯が半数を超えていることです。

ただし、2017年度の世帯年収の平均は、598万円と前年度から4万円減少し、初めて600万円を切りました

全体的に、所得格差が拡大しているようです

所要資金は全体的に上昇しており、注文住宅(全国)の所要資金は、2014年度以降、4年連続上昇の3,359万円。

マンション(全国)の所要資金(購入価額)は、2013年度以降、5年連続上昇の4,348万円となっています。

また、中古マンション(全国)の所要資金(購入価額)も、2013年度以降、5年連続上昇の2,844万円となっており、都心部を中心にマンションへの需要が高まっています。

一方で、総返済負担率(1か月当たり予定返済額 ÷ 世帯月収)の構成比は、全体では、前年度から大きな変化はありません。

全体の構成比では、

20.0~24.9%が25.3%
15.0~19.9%が23.8%
25.0~29.9%が23.5%

となっています。

総返済負担率の構成比

融資区分別に見ると、中古戸建及び中古マンションでは総返済負担率25%未満が8割前後を占めています。

所要資金が上昇し、所得が伸び悩む中、総返済負担率が横ばいであるということは、それぞれの世帯が、自分達の年収にあった物件を取得していると言えそうです

中古住宅の平均築年数がさらに長期化

中古住宅の平均築年数がさらに長期化

最近、需要が増加している中古住宅ですが、中古戸建の平均築年数は長期化が進み、2017年度は18.9年(前年度から0.7年長期化)となりました。

2011年度以降、築年数20年超の構成比の増加が続いており、足下では4割を超えています。

中古マンションの平均築年数も長期化が進み、2017年度は22.4年(前年度から1.1年長期化)となりました。

2010年度以降、築年数20年超の構成比の増加が続いており、足下では5割を超えています。

中古住宅は所要資金は低いものの、維持管理費に費用がかかるため、住宅ローン返済額に維持管理費を合わせて、考える必要があります。(執筆者:沼田 順)

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この記事を書いた人

沼田 順 沼田 順»筆者の記事一覧 (32) http://cfpnumata.blog130.fc2.com/

1975年、兵庫県生まれ。1994年、神戸商科大学(現・兵庫県立大学)に入学。学生時代の1997年に宅地建物取引主任者試験に合格。翌年の1998年、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)に入庫。2008年、独立後勉強していたCFP上級資格を取得し翌年の2009年にCFP認定者及び1級FP技能士となる。2014~2015年、大阪大学大学院経済学及び理学研究科 博士前期課程 単位取得。2015年、京都大学法科大学院 法務博士課程 単位取得。
≪保有資格≫ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 宅地建物取引士 / 住宅ローンアドバイザー / ビジネス法務エキスパート® / 証券外務員2種 / 銀行業務検定各種
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