銀行が担保とする不動産を現地調査する際、どこに注目している?

不動産を現地調査する際どこに注目

アパート購入ローンで、

担保物件:入居者がいるアパートの現地調査をする

という設定です。

銀行の担保は、返済できなければ売却して融資金を回収するという前提で評価しています。

言い換えれば「売れるか」という観点での不動産調査です。

アパート購入を検討されている方など、銀行員視点での見るべきポイントはきっと参考になることでしょう。

以下の4つに分けて、銀行視点の担保不動産の見方を説明していきます。

第1回:銀行は担保の前後を見る

第2回:銀行は担保の左右を見る

第3回:銀行は担保の上を見る

第4回:銀行は担保の下を見る

第1回:銀行は担保の前後を見る

前後とは出入り口のこと、ここでは「担保となる土地の出入り口」を意味します。

土地の出入り口とは、道路からその土地に出入りする部分のことです。

建築基準法で、土地は道路に接していなければ建物建築ができないので、現地調査では最初に必ず前後を見るのです。
  

建築基準法上の道路に、しかも一定の条件で接していなければ建物は建築不可

ひとくちに道路といっても国道・県道から私道、あぜ道などさまざまな種類があります

建築基準法(条文は42条や43条)で定められ、建物の建築が可能な道路を指して一般的に道路と呼んでいます。

銀行では建築基準法上の道路以外(以下「道路」と表現します)道とは見なしません

建築基準法では、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していないと建物が建てられません。

アパートはさらに要件が厳しくなっています(詳細後述)。

接道していない土地もある。その土地にある建物は違法建築

地方など、接道(道路に2メートル以上)していない土地もあります。

もしその土地に建物があれば、原則それは違法建築です。

例外、特例はもちろんありますが、本テーマはあくまで一般的な事例のみとします。

銀行は違法建築を担保としません
  

現地調査ではどうやって前後を見るの?

車で実際に走って確認

シンプルに自動車で現地まで行って見ます。

普通乗用車の車幅が約1.7メートル。

自動車でその土地までたどりつければ、接道していると考えられます。

不動産や銀行業界では土地に入ることを「進入」といいます。

乗用車が無理なくその土地に進入できれば2メートル接していると考えて良いでしょう。

「2メートル以上接していなければ」というのは、消防車の車幅を基準としているそうです。

いざ火事になったときに消防車が進入できない

消火活動ができない

そんな土地には建物を建ててはいかん!

という論法なのです。

アパートの接道には厳しい条件がある

アパートを含む大規模建築物などは、接道の条件がさらに厳しくなります。

大規模建築の場合は6メートルあるいはそれ以上、道路に接していなければ建築できません

消火活動において大規模な建物ならより道幅が必要というわけです。

アパート建設の裏ワザ「長屋」

間口(接道部分のこと)が広い土地ばかりとは限りません。

間口が広く使い勝手の良い土地は自宅にして、間口の狭い悪く言えば自宅にはしたくない土地をアパートにするのが土地所有者の心理です。

しかし間口が狭い土地にはアパートは建てられません

そこで裏ワザの「長屋」が登場します。
  

見た目はアパート、でも長屋はアパートではない

長屋はアパート(共同住宅)ではありません。

見た目は同じようなものですが登記上の名称が「長屋」、「共同住宅」とハッキリ区別されています。

1つ屋根の下に部屋がいくつも並んでいる建物という点は同じですが、

・ 各部屋に玄関があって直接外に出入りできる → 長屋

・ 廊下やエントランスなど共用部分を使って外に出る → アパート

といったところが主な違いです。

見た目はそう変わりませんが、もうひとつの大きな違いが

長屋で建築すると、接道は原則2メートルあれば良い

間口が狭く、いままでアパートを諦めていたオーナーに対し、ハウスメーカーがこの長屋建築を提案するケースがあります。

銀行員になったつもりで前後を見てみましょう

銀行員目線でチェック

もし、アパート購入を検討されているなら、今回説明したような銀行員視点で見てみるのも良いでしょう。

間口が狭いと感じたら、建物が共同住宅では無く長屋になっている可能性があります

一概にはいえませんが間口が狭い土地は、当然その分使い勝手が限定されるため、銀行員視点では決して良い土地ではありません。(執筆者:加藤 隆二)