銀行員一筋30年の筆者が教える「銀行の不動産現地調査」 銀行は担保のココを見る(3)~上空~

銀行視点の担保不動産の見方

第1回:銀行は担保の前後を見る

第2回:銀行は担保の左右を見る

第3回:銀行は担保の上を見る

第4回:銀行は担保の下を見る


第3回:銀行は担保の上を見る

不動産担保に関わる電線と飛行機


上とは
担保となる不動産の上、上空

・ 担保不動産のすぐ上 → 高圧線

・ はるか上空 → 飛行機の通過
高圧線下の土地にはいろいろと制限があり価格に影響してきます。

上空を飛行機が通過することにも注意が必要です。


1. 高圧線

高圧線とは、発電所と変電施設、あるいは変電所同士をつなぐ送電線で、鉄塔の間に伸びた線です。

山の上から平地に伸びてきて電柱とつながり、最終的に家庭に送電しています。

肉眼でもかすむほど、かなり上の方にありますが、高圧線も土地の価格に影響します
  
高圧線は電圧で区分されます。

一般的には17万ボルト以上か未満です。

垂線下水平距離:最も外側にある電線の真下(垂線下)を指す 

離隔距離:最も垂れ下がった電線の真下から建物までの距離を指す

違いはおおむね下記のとおり。

(1) 17万ボルト以上


・ 垂線下水平距離 3メートル

・ 離隔距離 6.6メートル以上
高圧線真下から3メートル以内は建物が建設できない

建物の高さは電線から6.6メートル以上離れていないといけない

(2) 17万ボルト未満


・ 垂線下水平距離 制限なし

・ 離隔距離 3.6メートル以上
高圧線の真下にも建設可能

電線とは3.6メートル以上離れていないといけない
建築する高さや位置に制限があるため、一般的に高圧線下の土地は敬遠されます

電線や鉄塔がある土地の値段は低い


現地調査の方法


これは至ってシンプルに
現地で上を見上げる
だけです。

高圧線が上を通過しているか肉眼である程度判断できます。

またゼンリンなどの地図には、高圧線や鉄塔が表示されているので参考にします。

電線を目で追っていき鉄塔を探し、実際に鉄塔まで行きます。

電圧などの表示はありますが専門的なため、電力会社に電話で聞きます。

鉄塔には必ず連絡先が記載され、電話で親切に教えてくれます。

高圧線下の土地への制限は厳しく、違法な取り扱いはあまりないでしょう。

銀行はあくまで担保を売却する場合を想定しますので、高圧線については細かく調べます

基本的に高圧線下の土地は、銀行の担保評価額は低くなります


2. 飛行機の通過

飛行機といっても、かすむくらいはるか上空を旅客機が飛んでいるといった「のどかなケース」ではありません。

航空機、軍用機が高速で通過することを意味します。

上記のようなケースでは、重要事項説明書にちゃんと記載があります
 
例えば、
〇〇基地が近く、土地の上が定期飛行ルートの一部になっているため騒音が発生する恐れがあります
などといった表現です。
 
騒音については、人それぞれ感じ方に違いがあるので一概にダメとは言えませんが、価格に定価の要因の1つであることには間違いありません
 
上記高圧線についても重要事項説明書には記載があるはずです。


「住みたいと思うか」が価格を左右する

「住みたいと思うか」を考える
第2回でも触れましたが、先祖代々そこに住んでいるなら多少のことは我慢できるでしょう。

高圧線下、あるいは軍用機がビュンビュン飛び交っても我慢できるかもしれません。

ただし、アパートなど賃貸物件なら話は変わってきます。
お金を出して、このような物件に住みたがる人がどれだけいるか

ということです。

土地そのもの以外、上空のことにも注意が必要です。(執筆者:加藤 隆二)

この記事を書いた人

加藤 隆二 加藤 隆二»筆者の記事一覧 (9)

バブル期に入社して、以来銀行一筋30年。お金にまつわるさまざまな相談にこたえてきました。時には返せなくなってしまった人からの相談にも、可能な限り親身になって対応してきたつもりです。銀行員として「あなたのために、なにができるか考えます」 最初の挨拶はいつもそう言ってきました。年を重ねた今も、気持ちは変わっていません。銀行員として、読者である「あなたのために」役に立つ文章を書いていきたいと思っています。
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