日本国内にもある料金の地域格差。水道料金約8倍、介護保険約3倍など…移住先はしっかり調べましょう。

日本国内にもある料金格差。

日本国内にもある料金の地域格差。

日本国内にも格差はある

皆さんは、海外と日本だと生活するにはかなり違うと認識していると思いますが、日本国内ならばどこに行ってもそれほどの差はなく、同じような暮らしができると思っているのではないでしょうか。

ですから、

「同じ日本の中で同じように水道を使っても、水道料金に8倍も格差がある」

と聞いたら、にわかには信じられないのではないでしょうか。

けれど、水道料金だけでなく、さまざまなものに地域格差があります。

水道料金に約8倍の格差

8倍も違う水道料金

【水道料金が高い自治体】

1. 夕張市(北海道)6,841円
2. 深浦町(青森県)6,588円
3. 由仁町(北海道)6,379円
4. 羅臼町(北海道)6,360円
5. 江差町(北海道)6,264円

【水道料金が低い自治体】

1. 1・赤穂市(兵庫県)853円
2. 富士河口湖町(山梨県)985円
3. 長泉町(静岡県)1,120円
4. 小山町(静岡県)1,130円
5. 白浜町(和歌山県)1,155円

※日本水道協会調べ・平成28年4月1日 家庭用20立方メートルあたり

上記は、公益法人日本水道協会が調べた平成28年4月1日時点の、水道の家庭用20立方メートルあたりの値段。

驚くのは、兵庫県赤穂市が853円なのに対して、北海道夕張市は、なんと6,841円で、その差は5,988円

北海道の夕張市といえば、市が財政破綻したことで有名なので特別なケースと思われがちですが、実は、6,000円以上という自治体は少なくありません。

同じ県内でも、水道料金格差は大きい

平成21年のデータですが、同じ新潟県でも、糸魚川市と南魚沼市では、南魚沼市のほうが3倍以上水道料金が高くなっています。

なぜこれほどの差があるのかといえば、水質や地形、利用できる水源などの自然要因と水道管の老朽度や水利権の構造などのインフラ要因、人口密度や需要などの社会的要因が自治体によって違うからです。

しかも、7月5日、水道民営化を含む水道法改正法案が衆議院で可決されましたが、これが参議院議員も通過すると、海外の業者も参入してくるでしょうから、この格差はますます大きく広がる可能性があります。

国民健康保険料の格差は、最大6.2倍

国民健康保険料の格差は最大6.2倍

地域格差があるのは、水道だけではありません。

国民健康保険も、保険料は全国一律ではありません。

国民健康保険料は自治体によっても、払う人の収入によっても違いますが、県で見ると1.5~1.8の差があり、市町村別に収入面で見ると、最高で6.2の格差があります。

国民年金保険の保険料について、厚生労働省では、

・ 平均所得者の「標準化指数」

・ 中高所得者の「応能割指数」

・ 低所得者の「応益割指数」

という3つの指標を出しています。

これで見ると「標準化指数」の格差は1.5倍で最も高いのは徳島県の14万4,183.円、最も低いのは東京都の9万5,054円でした。

「応能割指数」では1.8倍

「応益割指数」では1.7倍

の差があります。

これを市区町村別で見て見ると、

「標準化指数」… 高い徳島県阿波市と低い東京都青ヶ島市 格差3.7倍

「応能割指数」… 最も高いのが沖縄県多良間村で最も低いのが北海道幌加内町 格差6.2倍

「応益割指数」… 最も高いのが北海道苫前町と最も低いのが鹿児島県三島村 格差5倍

介護保険格差は最大3.1倍

介護保険の保険料も、住む地域によってかなり格差があり、この格差は将来的にさらに広がっていきそうなので、移住先の介護についてもチェックしておくべきでしょう。

例えば、奈良県天川村は、8,686円ですが、鹿児島県三島村は2,800円と、その差は3.1倍

地域の介護保険制度を維持する財源は、国が50%出し、残り50%を保険の加入者の保険料でまかなっています。

各自治体では、この財源を基金として積み立てていますが、高齢者が多くなってたくさんの人が介護を必要とするようになると、基金が心もとなくなり、そのぶんを徴収しなくてはならないので介護保険料は高くなります

2005年の介護保険料の改定では、9割の自治体の介護保険料が上がり、この傾向はまだまだ続きそうです。

住民税は、地域によって1,200円程度の地域差

住んでいる自治体に収める住民税は、税率が一律10%になっているので、同じ所得の人なら引かれる税金は同じだと思うかもしれません。

けれど、住民税では、「所得割」と呼ばれる10%の税金と、「均等割」とよばれる一定以上の所得がある人が全員同じ額を払うように自治体が決めた税金があります

「均等割」には地域差があって、最も高いのは宮城県と、最も安い北海道、青森県、埼玉県、東京都などを比べると、1,200円の差があります。

宮城県に住む人は、北海道に住む人よりも同じ年収も家族構成でも、1,200円多く税金を支払うということです。

50歳から最も住みたい街は、北九州市

住みたい街ナンバー1

将来的に住むところは、公共料金や保険料、税金だけでは選べないところもあります。

高齢化が進む中で、医療や介護を中心として日経グローカルが2016年に公開した「シニアにやさしい街 総合ランキング」を見ると、レベルが高い自治体のベスト5は

1位 東京都板橋区
2位 栃木県小山市
3位 東京都新宿区
4位 東京都荒川区
5位 石川県能美市

ワースト5は

1位 山口県萩市
2位 福島県本宮市
3位 徳島県阿波市
4位 千葉県茂原市
5位 北海道三笠市

「田舎暮らしの本」が発表した「50から住みたい地方ランキング」の1位は福岡県北九州市。

同市は、20年ほど前からシニア世代を意識した街づくりをしていて、住居、病院、介護施設が充実しているだけでなく、お試し移住など、移住する方のフォローにも力を入れているというのが評価されています。

2位は、新潟県新潟市、高知県高知市でした。

移住するなら、こうしたデータも参考にしましょう。(執筆者:荻原 博子)

この記事を書いた人

荻原 博子 荻原 博子(おぎわら ひろこ)»筆者の記事一覧 (42) http://www.ogiwarahiroko.com/

経済ジャーナリスト
1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「どんとこい、老後」(毎日新聞社)、「お金は死ぬまえに使え」(マガジンハウス)、「ちょい投資」(中央公論新社)など著書多数。
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