病院など医療機関で診療や治療を受けた際に支払う診療費。
どんなふうに計算されているかご存知ですか?
「え? 今日はこんなに高いの?」
など、「診療報酬明細書」をもらっても点数が書いてあるだけで、いまいちよくわかりませんよね。

また、2018年より診療報酬が改定となり、「妊婦加算」が始まったのはご存知でしょうか。
今回の記事では、診療報酬明細書の見方と、妊婦加算など加算される場合についてご紹介します。
目次
医療費は患者と患者が加入している保険者で負担している。
私たちが病院などの医療機関で支払う医療費は一部で、残りは加入している保険者へ医療機関から請求されています。
子供と、高齢者以外は医療費のうち3割を支払うことになっており、7割は加入している保険者が負担してくれているのです。
これを一般的に「保険が効く」ということもありますね。
逆に、医療保険で受けられない医療の一例として「美容医療」、「予防医療」、「正常妊娠」などが挙げられます。
医療保険が適用されない場合は全額自己負担となります。

また、6歳未満の子供については、医療費の自己負担割合が2割となりますが、居住している自治体によっては「乳幼児医療費助成制度」《東京》などがあり、自己負担金の2割を自治体が負担してくれる場合が多くあります。
※自治体により呼称や助成対象年齢は異なります。
我が家にも子供が2人おりまして、15歳までは医療費の自己負担額が全額自治体から助成されるため、とても助かっています。
医療診療報酬明細書にある、点数とは何?
医療機関受診後に受け取る領収書と診療明細書には、点数と金額が記載されています。
全ての診療サービスは点数化されており、1点当たり10円で計算されます。
(診療報酬については、ほぼ2年おきに改正されるので注意しましょう。)
例えば初診料は282点なので、2,820円のうち、3割負担で850円が自己負担となります。
再診料は72点の場合、720円のうち、3割負担で220円が自己負担額となります。
初めてかかる病院だと初回の医療費が高いのは、初診料と再診料が違うからなのですね。
※参考URL:厚生労働省 平成30年度診療報酬改定について
ちなみに、我が家ではあちらこちらの病院を転々とするよりも、信頼できる「かかりつけ医」を決めて通うようにしています。
処方薬や、病歴なども同じ病院のカルテにストックされていきますので、よりきめ細かい治療を受けることができると考えています。
妊婦加算とは?
平成30年度から導入された妊婦加算。
一時期ネットでも話題になりましたね。
妊婦加算とはどういった内容なのでしょうか。

そもそも妊婦加算はなぜ始まったのでしょうか?
厚生労働省の発信文書からは、
とあります。

妊婦が緊急の際に受診するときに、「産婦人科」以外でも診療が受けられるように
しているのですね。
私自身、妊娠中の受診には気を遣いました。
といった不安がありました。
逆に医療機関側も、「妊婦である」ということをカルテに残し、正確に妊娠状態を把握したうえで、薬の処方や適切な処置を行うのには、細かい配慮が必要となるのでしょう。
そのために「妊婦加算」が始まったのですね。

妊婦加算は結局いくらなの?
妊婦に対して、初診を行った場合の加点は75点なので、保険適用の場合は230円が自己負担金となります。
また、再診の場合の加点は38点なので、保険適用の場合は110円が自己負担金となります。
毎回の受診のたびに、数百円が自己負担金となります。
妊婦加算以外にも既に加算項目がある
「妊婦加算」ときくと、
と思ってしまいますよね。
しかし、今回追加された妊婦加算以外にも、もともと加点がある項目があります。
例えば乳幼児加算。

6歳未満の乳幼児に対して初診を行った場合は75点。
救急外来で初診を受けた場合には230点(6歳未満の乳幼児の場合は345点)が加算されます。
他にも深夜加算など、細かい加算項目が多くあります。
子供の場合は乳児医療費補助制度が適用されるので、あまり自らが支払っている感覚はないかもしれませんが、保険や自治体の補助から支払われているのです。
まとめ
日ごろあまり意識しない医療費ですが、とても細かく計算されているのですね。
我が家も一度、子供の医療費明細を見て、「これがすべて自己負担だったら…」と計算し、青ざめたことがあります。
保険適用や、自治体の補助に助けられています。
また、くれぐれも「妊婦加算の数百円がもったいないから」といって、受診時に妊婦であることを隠さないようにしましょう。(執筆者:比嘉 あゆ子)