2018年9月4日、関西圏に台風21号が直撃し、第1回に家の損害について紹介しました。
その後、2018年9月30日に台風24号が接近し、中部地方から関東方面へと通過しました。
21号の時、家屋の屋根の被害が注目されました。
次に被害が多かったのが、自家用車被害で、被害の種類もさまざまでした。
自動車の場合、自賠責保険と任意車両保険の2本立てで、保険をかけるのが一般的ですが、天災に対する補償をするのは、任意車両保険です。
今年は台風などの天災が多い年で、まれに任意保険に入っていないという方もいらっしゃるので、どこまで車両保険による補償を受けることができるかを解説しましょう。
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目次
台風21号での車両への被害
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関西圏を覆った台風21号では、屋根瓦が飛び、看板やソーラーパネルが飛ぶ被害が多く見受けられました。
ご近所さんの所々で悲鳴が聞こえたのが「車への被害」です。
・ ガラスが割れて粉々
・ 何か飛んできたはずみでの大きなへこみ
・ すり傷
・ タイヤのパンク
など、ひとつだけの被害だけでは済まないケースばかりでした。
タイヤのパンク
保険を使うほどのものではないので、履き替えます。
これは、簡単に自動車会社でも対応してくれます。
ガラスの損傷
この被害での修理依頼が多く、特に修理分のガラスが入ってこないので、自動車会社で「ガラスの入荷待」ち状態です。
その為、車で街を走っていると、透明のビニールシートを貼り付けた車が走っています。
車のガラスの中で、1番高額なのが「フロントガラス」で保険を使うケースが多く、サイドのガラスや後部ガラスは、破損枚数次第で、保険を使うかどうかの判断を下すケースが多く見られます。
車体のへこみ・ドアのガタつき
自動車会社での修理は可能ですけれども、修理内容次第では、保険を使わなければいけない内容もあります。
・ 何か飛んできてドアにぶつかった弾みで、ドアが開かない
・ 車体上部に大きなものが落ちて、大きくへこみ、自動車会社の方と保険会社が確認して「廃車」
などもありました。
台風24号では、ガラスや車体に被害がでないようにと、不要になった毛布や布団を巻きつけていました。
車両保険はどこまで補償してくれるか?
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台風で車がめちゃくちゃになった時、ご自身がかけた自動車保険を見ていましょう。
自動車保険では、強制の自賠責保険と任意保険にわかれます。任意には
・ エコノミー(会社によって呼び方が違います)
が分かれています。
エコノミー型は保険料が一般より安いので、補償範囲が狭いです。
加入時によくみておきましょう。
一般もエコノミーも自然災害に対しての補償を受けることはできます。
他にも、ゲリラ豪雨・高潮・洪水・道路冠水による水没も補償対象です。
「地震・地震による津波・噴火による被害」については、補償対象外です。
台風については「補償対象」ですが、実際に自動車会社に持ち込み保険を使うのなら、保険会社の審査を通す必要があります。
免責事項について忘れているケースが多い
車両保険の契約をする時に「免責事項」の設定をしたことは覚えていますか?
免責事項とは「修理代などを自己負担する金額を設定できる」ことで、1~10万円の範囲が一般的です。
保険会社によっては、20万円までの範囲を設けることができる会社もあります。
免責金額が高いほど、保険料が安くなるのが一般的です。
免責金額の設定次第では、実損金額を大きく上回った時に困ったことがでてきます。
損害額が20万円で、免責金額が10万円と設定していれば、10万円の差額を自腹で払うか、保険を使うかという選択を迫られます。
保険を使うと等級がさがる
保険会社の判断次第で、「保険を使う方がいい」と伝えられるケースがあります。
その時に、保険を使うと、次年度の保険料が上がって、等級が落ちます。
等級とは、いわゆる「割引率」で、ひとつ等級が落ちると戻るまで3年かかります。
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自動車会社へ持ち込んでからの手続きは?
自分の保険内容を確認した上で、日頃から点検などをお願いしている自動車会社の営業所へ、事前連絡し自動車の持ち込みをします。
持ち込むと、ディーラー担当者と整備担当でざっと確認と見積もりを行います。
「保険を使った方がいい」という見積もりになった場合は、契約保険会社の「技術アジャスター」が営業所からくる資料と写真で判定を行い、即日もしくは2~3日で結果がでます。
「技術アジャスター」は自動車整備士など車に関する資格を持ち、自動車事故での物損状況の判断や、自然災害による損壊などの判定を行う専門職で、各保険会社にいます。
営業所員や整備担当者も、それぞれの部位の修理代金や部品の価格を把握しています。
保険を使えば等級が落ちるので、ユーザーに不利にならないよう、しっかりと被害状況を見て、保険会社から保険適用の有無の結果を聞いて、ユーザーの意向を確認した上で、修理に入ります。
保険を使った方がいい場合は、保険会社からの連絡が入るまでは、営業所での修理は行いません。
後付けのものやトランクに積んでいたものの補償
購入後後付けしたドライブレコーダーなどや、トランクの中に入れていたベビーカー、座席につけていたチャイルドシートに損傷があった場合は、補償対象外です。
補償となるのは、納車時に「標準装備」としたもののみです。
トランクの中に入れていたものや、後付けの備品は全て補償対象外です。
「廃車」とする場合
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自動車会社や保険会社の判断で「全廃」という判断になった場合はどうなるのでしょう?
・ 「廃車」にする車の時価と同額の車の購入に充てる
・ 「廃車」とする車を新車購入の頭金とし、新車購入をする
の選択をします。
例)100万円で購入した車を廃車する場合
減価償却で計算してみて40万円という査定になった場合は「同額の車での購入で補償」です。
廃車にする車をローンで購入していて、完済していればいいのですが、残債があるままで、新しいの車をローンで購入すると「二重ローン」となります。
「廃車」にする時は、自動車会社と保険会社とで、よく話し合いをした上で、手続きを行ってください。
「車両保険」は天災にも役立つ
車両保険は任意なので、車を購入した時に入った保険をやめたり、会社を変えて必要な契約部分を削ってしまっている方は多いです。
車両保険は、対人・対物だけに有効ではなく、天災にも役立ちます。
車を持つのであれば、万が一の時のために、保険はかけておきましょう。(執筆者:笹倉 奈緒美)