「心理会計」が作用するローンや含み損 わかりやすい事例で考え、賢いお金の使い方や付き合い方を学ぶ。

お金のやり取りに役立つ「心理会計」

お金のやり取りに役立つ心理会計

耳慣れない言葉かもしれませんが、心理会計という言葉は行動経済学分野で登場します。

今回は日常のお金のやり取りに役立つ心理会計という考え方を簡単に説明したいと思います。

心理会計の理解を深めるために、金利は受取る側と支払う側の分かりやすい事例を挙げていきます。

1. 金利を受け取る場合

1万円と1,000万円を1年間預けて元金と利息を受けとるとして、両方とも年利は1.2%とします。

どちらが魅力的で1年間待とうと思うでしょうか?

1万円の方は年利1.2%とすると… 1万円 × 1.2%=120円の利息です。

1000万円の方は年利1.2%とすると… 1,000万円 × 1.2%=12万円の利息です。

1万円だと利息が120円なので、満期まで待たずに使ってしまうこともあります。

1,000万円だと、12万円の利息がつくので我慢強く待てるはずです。

2. 金利を支払う場合

・ 1万円と1000万円を借りる

・ 1年後に返済をする場合に元金を返済できないリスクはゼロ

いくらの金利設定が望ましいでしょうか?

1万円であれば年利10%・1000円程度の利子をつけて、1万円 × 10%=1,000円 

借りた金額+1,000円なら返してもよいと考えられます。

1,000万円に年利10%・100万円の利子をつけて、1000万円 × 10%=100万円

1,000万円借りても、100万増額して返すのは躊躇します。

元金を返済しないリスクはゼロの前提ですから、1%の年利で10万円の利子でも十分な水準になるはずです。

金利水準はどのように設定しているか

元本回収のリスクがゼロだとしても、金額の大小関係なく同じパーセンテージで機械的に金利を設定していません。

元本棄損のリスクなどは、ここから加味していくことになるはずです。

重要なポイントは

「得られる金額または支払う金額自体をみて、金利水準を変更している・設定している」

です。

わかりやすく説明できるのが「心理会計」

・ 小さい金額は心の当座勘定(=小口現金項目)に仕分けされている… すぐに消費に回す

日々の食料品に利用しようと意図していて、そのすぐに消費する予定が、(1万円を貸していることで)遠のけば、不満足は非常に大きく意識され、要求する金利は高くなります

・ 大きい金額は心の貯蓄勘定(=固定資産項目)に仕分けされている… すぐに消費に回さない

1,000万円を預けていても、小口現金項目と比較して、受け取れない不満足は小さく意識されて我慢強く待てます

この仕組みや心理が使われている取引

1. 少額のキャッシング、カードローン

借りる側は小さい金額なので気前よく高い金利を受け入れます

貸し手はその心理をうまく利用して法律の範囲内で金利水準をギリギリのラインで設定しています

借りる側は積もり積もれば大きな金利負担につながる、非常に不利な取引なので注意しなくてはいけません。

2. 株式取引での含み損の心理状態

株式取引での含み損の心理状態

株式投資は余裕資金で行うというのが一般的で、証券会社も余裕資金ではないと口座開設を受け付けていません

投資先の会社の株価が低下し含み損を抱えても我慢強く耐えているという方も多くいます。

余裕資金が心の貯蓄勘定(=固定資産項目)に仕分けされているので耐えられているという心理が働いている

ということで説明できます。

また加えて損失を回避したい、先送りしたいという意識も同時に働き、含み損の状態に甘んじてしまいます

参照:東洋経済新報社から発刊されている「自滅する選択」著者 池田新介

自分の選択を客観的にみることにより、お金の賢い使い方・付き合い方を学んでいきましょう。(執筆者:相川 隆)

この記事を書いた人

相川 隆 相川 隆»筆者の記事一覧 (30)

1972年生まれ。大学卒業後、メガバンクに入行。法人融資、個人融資、資産運用、マーケティングなど幅広い業務経験を積む。1級ファイナンシャルプランナー。20年勤務ののち、医療業界に転職。経営企画室にてM&Aや新規病院開設、介護施設立ち上げなどに携わる。一方で本業と並行し、カフェ経営、コンサルティグ事業を主宰し、店舗経営、起業・税務・保険・ファイナンシャルプランニングを行う。趣味は料理。
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