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イギリスの就職事情

マンチェスターに来て現在で半年経ちます。
新しい仕事を探すのはいつも大変です。
マンチェスターでようやく見つけたのは、立ち上げたばかりの旅行代理店のコールセンターです。
VIPホテル会員の旅行予約を承る仕事内容でした。
旅行予約をとるためのシステムの使い方や、基本的な電話マナーなどを学び業務についていました。
英語もまだ完璧ではない私でしたが、VIP相手の英系企業で勤められるということが何より私の喜びでした。
収入は年収にして2万2,000ポンドで、日本円に換算すると約325万円(2018年11月14日のレート)です。
コールセンターの中でも比較的給料は良い方で、夜勤という厳しい勤務体制ではありましたが優しい同僚に支えられてなんとか楽しく勤めていました。
雲行きが怪しくなる会社運営
上司の指示では、
とのことで、同僚同士でマニュアルを作ったり、シェアポイントで情報を共有していました。
会社が立ち上がり2か月経過
忙しくなるということを予測していた皆の期待を裏切り、顧客からの電話数は1週間に1コールあるかないかという日々が続きました。
会社側もウェブサイトを更新したり、新しいキャンペーンを提示して顧客の注目を集めようと画策しましたが、電話の数は増えることも減ることもなく、出勤しても重要な仕事がないという状況が続きました。
同期間では「会社がつぶれるか、または人員削減がある」、「近いうちに何か起こっても仕方ないだろう」と予測していました。
会社が立ち上がってから5か月経過
全員の出勤が命じられて緊急ミーティングが開かれました。
ミーティングの内容は人員削減についてです。
急なミーティングではあったものの、皆の心の中では「やっぱりか」といった感じでした。
緊急ミーティングの次の日に個人面談が行われ、その翌日にメンバーの半分が削減されました。
ミーティングから面談、解雇のスピードに驚きを隠せませんでした。
解雇後はすぐに会社を去るルール

解雇対象者を含めて全員の個人面談が行われ、解雇対象者はその場で解雇を言い渡されました。
次の仕事が見つかるまでの手当として1週間分の給料が支払われましたが、それ以外は有無を言わさず即退去が命じられました。
解雇を受けてからシステムや顧客に対して嫌がらせをされないように、このような対応がとられたようです。
解雇が言い渡されてから10分も経たない間に、同僚たちと別れました。
日本で解雇を受けたことがないので日本で解雇を受けた場合と比較しにくいのですが、イギリスで受けた解雇はあまりにも冷たい対応でした。
「失業」は突然訪れることを知り、働く場所があることのありがたみを感じました。(執筆者:森 亜美)