※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

住宅ローンは「固定」か「変動」か 失敗しないための選び方のポイントを解説します。

ローン 住宅ローン
住宅ローンは「固定」か「変動」か 失敗しないための選び方のポイントを解説します。

マイホームを買うとき、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。

初めて住宅を購入する場合に利用する住宅ローンは多くの場合、20年以上の長期間にわたって借入れることになります。

今は空前の低金利時代ですので、住宅ローンの金利も低くなっており、住宅購入をお考えの方にとっては良いタイミングだと思います。

しかしながら、今後20年、30年の間、この低金利が継続すると想定するのは危険です。

安易に住宅ローンを選んでしまうと、将来「こんなはずじゃなかった」ということにもなりかねません。

改めて、住宅ローンの仕組みを理解し、自分に合った住宅ローンについて考えてみましょう。

自分に合った住宅ローン

住宅ローン選びの大きなポイントは2つ

住宅ローンは大きく分けて2つのポイントがあります。

1.金利パターンの選択(固定金利・変動金利・固定期間選択型)
2.借入期間

それぞれについて考えてみましょう。

1. 固定金利か変動金利か

固定金利か変動金利か

固定金利」は借入期間中、金利が変わらないタイプです。

一方「変動金利」は一般的に「短期プライムレート」などの短期金利に連動して金利が変わります。

金融機関により扱う商品が異なる場合もありますが、変動金利では半年ごとに適用金利が見直され、5年ごとに返済額が変わるものが一般的です。

固定期間選択型」には、2年、3年、5年、10年などのものがあります。

固定期間が2~5年のものは短期金利に、10年以上の固定金利は一般的に「10年物国債の利回り」などの長期金利に連動しています。

金融機関も将来の金利変動のリスクを考慮し、固定金利や固定期間の長いものは変動金利や固定期間の短いものに比べ、高めの金利が設定されています。

では、どのようなことを考慮して決めればよいのでしょうか。

ここでは簡略的に把握するため、変動金利と固定金利でメリット・デメリットを考えます。

変動金利のメリット
・金利下落時あるいは低金利が継続する環境下では最も有利。

変動金利のデメリット
・金利が上昇し始めるとすぐに適用金利に反映される。
・将来の支払額が流動的で予測できない。

今は低金利ですが、いつ金利が上がり始めるかは誰にもわかりません。

将来の金利上昇リスクがあることは認識しておく必要があります。

急激な金利変動時には利息分の支払い割合が大きくなり、元本が減らない、場合によっては増えてしまう可能性もあります。

固定金利のメリット
・設定時の金利が変わらず、将来にわたって返済額(支払額)が固定されるため、将来の家計の組み立て予測が用意。

固定金利のデメリット
・金利が安定している状況下では、変動金利に比べ適用金利が高く、総支払額が大きくなる。
・金利が下落時には変動金利との金利差が拡大し、総支払額の差が大きくなる。

固定期間選択型の場合、固定期間中は固定金利よりも低い金利で返済できます。

一方、固定期間が終わるときに金利が上昇していた場合、高い金利が設定される恐れがあることになります。

先にもお話しした通り、現在は空前の低金利です。

現状から大きく金利が下がることはありえません。

今後もしばらくは低金利が続くと考えられますが、いつ頃から金利は上昇し始めるかが最も気になるところです。

長期での金利の行方は予測が難しいことから、

変動しても許容できるかどうか

が判断基準になります。

借入額3,000万円を固定金利1.5%で30年借入れた場合(ケースA)と、当初5年0.8%で借り入れ、6年目から完済までの金利が2.0%に上がった場合(ケースB)で比較してみます。

ケースA
借入金額3,000万円 金利1.5%(固定) 返済期間30年
→ 総返済額 約3,727万円
(毎月の返済額 約10.35万円)

ケースB
借入金額3,000万円 金利1.0%(当初5年固定)、6年目以降1.8% 返済期間30年
→ 総返済額 約3,760万円
(毎月の返済額 当初5年約9.65万円 6年目以降 約10.60万円)

このように、仮に当初5年の金利が1.0%で、固定期間終了後に金利が1.8%に上がった場合と固定金利1.5%で借り入れた場合、総支払額はやや固定の方が有利になりますが、大きな差はありません。

総支払額の面では、固定期間が終了した時の金利が1.8%以上になれば、固定が有利になり、1.8%以下ならば5年の固定期間選択型が有利になります。

もうひとつ重要なのは月額の返済額です。

1.5%固定金利では、最初から最後まで約10.35万円です。

一方、5年固定期間選択型のケースでは、当初5年の返済額が月約9.65万円だったのに対し、6年目以降から10.60万円に約1万円上がります。

将来のお子様の教育費や生活費などを考慮し、返済額が上がる可能性を考慮しておく必要もあるでしょう。

2. 借入期間

借入期間

借入期間(=返済期間)が長くなるほど1回あたりの返済額は少なくなります。

一方、借入期間が長いほど支払う金利は増えるため、総支払額は多くなります。

例えば、3000万円を金利1.5%で20年返済(ケースA)と35年返済(ケースC)にした場合を比較すると

ケースA
借入金額 3,000万円 金利1.5% 返済期間35年
→ 総返済金額 約3,727万円 毎月の返済額 約10.35万円

ケースC
借入金額 3,000万円 金利1.5% 返済期間20年
→ 総返済金額 約3,474万円 毎月の返済額 約14.47万円

返済期間が短いケースCでは、ケースAに比べ総返済額は約253万円少なくなります。

一方で、毎月の返済額は4万円以上も多くなります。

これだけ差がつくと普段の生活に与える影響はかなり大きいはずです。

将来の支出計画も合わせて考えることが重要

住宅ローンの金利は様々なローン(カードローンはもちろんのこと、自動車を購入するためのオートローンや、教育資金を借り入れる学資ローンなど)と比べ、低金利で借り入れることができます。

手元資金を残さずに住宅ローンを組み、別途教育ローンやオートローンなどを借り入れた場合、結果的に負担する金利が大きくなってしまう場合があります。

また、最近は雇用延長や定年延長などの話題が出ることが多くなりましたが、60歳を超えると多くの方は所得が下がると思われます。

今は返済できても60歳、65歳を超えた時にも余裕をもって返済できるかは人によって異なります。

最近はインターネットなどで簡単にシミュレーションを行うこともできます。

あらかじめ無理のない返済計画を考慮した予算を決めておく必要があります。

まとめ

どのような借入期間や金利を選択すべきかは人ぞれぞれです。

20年、30年先も現在の様な低金利が続くならば変動金利が有利ですが、私はリスクが高いと感じます。

あえてお勧めするならば、固定金利あるいは10年程度の固定期間選択型が良いのではないかと考えます。

返済が進むことで、元本が減り、金利の額も小さくなっていきます。

特に現在は住宅ローン控除も利用することで最初の10年間の実質金利は非常に小さくなります。

最初の10年の金利が抑えられている期間になるべく元本を減らしておくことは非常に有効です。

不動産業者は返済額を小さく見せるため、変動金利の場合の毎月の返済額を提示して「家賃と同じくらいの負担」などと言って購入を促したりします。

また、提携している金融機関以外の選択はないような話し方をする業者もいます。

融資の審査は各金融機関が行いますが、所得やその他の借り入れの状況、担保物件の評価などにより条件が変わります。

マイホームの購入は一生で最も大きな買い物

マイホームの購入は一生で最も大きな買い物です。

失敗は許されません

将来の必要資金や収入予測なども考慮し、無理のない返済額から予算を決めておくべきです。

そして希望の物件を見つけたら、個別の条件等のご相談を金融機関と事前に行っておくことが望ましいでしょう。

(シミュレーションでは住宅ローン控除や借入時の手数料、税金などは考慮していません。)(執筆者:西山 広高)




《西山 広高》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

西山 広高

西山 広高

西山ライフデザイン株式会社 代表取締役 慶應義塾大学卒。大手建設会社に入社し、主に建築営業とお客様の不動産の活用提案業務に従事。2015年に退職、西山ライフデザインを設立。ファイナンシャル・プランニングと不動産の知識と経験でクライアントの「ワンダフルライフ」の実現をサポートする。趣味は2006年から始めたマラソン。第1回東京マラソンに出場。その後、ウルトラマラソンやトレイルランニングの大会も出場、完走歴あり。妻と2人の子供の4人家族。1968年生まれ。東京都大田区在住。 <保有資格>:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、住宅ローンアドバイザー、ビジネス法務エキスパート 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集