ちょっと不思議な「損切り」

損切りはするべき? しないべき?

初心者向けの投資の本などでも目にすることがある「損切り」は、一般的には、損失が出そうになったら売却する行為を指します

100円で買った金融商品(株式など)の価格が、100円を下回って99円になりました。

このまま放っておいて、もっと下がったところで売ると、より大きな損失になる可能性がありますので、損失がこれ以上拡大しない99円のところで売ります。

このような行為を一般的には「損切り」と呼びます。

「損切り」すべき? 長期分散投資と短期的な投資(投機的)の違い

買った時よりも、株式などの金融商品の価格が下がった時によく問題になるのが損切りを「するべきか・しないべきか」です。

投資の手法の違いにより、正解が大きく異なってくると考えられます。

「損切り」をするかどうかは、投資の手法により大きく異なる

投資の手法は大きく2つに分けられます。

1. 長期分散投資「全体の総和が大きくなる可能性があるもの」

生産に参加している資産(株式・債券など)に長期にわたり、分散投資するもの、長期で見ると全体の総和が増える可能性がある

2. 短期的な投資「投機的であり、全体の総和が変わらない中でお金を奪い合うもの」

理論上、全体の総和が増えない丁半博打的な一面をもち、英語などではゼロサム(総和が増えない)・ゲームなどとも呼ばれます。

長期分散投資と短期的な投資(投機的)の違い

損切りは投機では正解?

長期分散投資では、「損切り」はあまり合理的な行為とは考えられません。

短期的な投資(投機的)では「損切り」は正解です。

理由は、短期的な投資(投機的)は理論上、丁半博打の一面があるからです。

密室で丁半博打を仮に行った場合、どちらかが儲かりますが、お部屋の中のお金の総和は増えていません。

これがゼロサム・ゲームです。

丁半博打的な世界の中では、自分の「未来のことなので根拠のない見通し」に賭けるわけです。

その見通しが外れた場合は、すぐにゲームをおります。

すぐにおりないで、外れた方にお金をジャブジャブ流すのはあまりにも無意味です。

これが「損切り」です。

「損切り」は投機的な行為において、自分の見通しが外れたときに行う行為です。

損失を広げないためには、正しい考えです。

長期分散投資の損切りは「安い時に買うチャンスを放棄する」こと

長期分散投資では「損切り」はあまり合理的な行為ではない

企業型確定拠出年金(DC)や個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)や「つみたてNISA」では「損切り」はあまり合理的とは考えられません。

基本的に長期間の積み立て投資になり、投資対象も「投資信託」と呼ばれる「大きな風呂敷袋に、たくさんの金融商品が入ったようなもの」です。

あらかじめ長期分散投資ができやすくなっています。

長期的に見た場合に、全体の総和が増える可能性があるわけですね。

投資では「安く買って高く売る」ことにより、その差額が利益です。

投資での正解は安く買って、高く売る

長期分散投資スタイルの場合は、「損切り」をすると「高い時に買って、安い時に売る」を自己実現します

長期分散投資では「損切り」はあまり合理的な行為とは考えられない

十分に分散投資ができている、という前提があってのお話です。

過去の日本株式のバブルを振り返っても、国内の株式に分散投資をして長期間投資をやっていれば「30年位でも必ずプラスになる」とは言えません

理論上のお話です。

自分の投資スタイルに合わせる

「損切り」は投資手法よって「すべきかどうか」の正解が変わります

「損切り」をするかどうか迷ったら、1度、自分の投資スタイルがどのようなものを目指していたのか、に立ち返ってみるのも良いかもしれません。

投機的な行為が「悪い」わけではありません。

金融庁や厚生労働省が推し進めている投資スタイルは「長期分散投資」です。

あなたの投資スタイルは、どちらですか?(執筆者:佐々木 裕平)