インデックス投資だけでなく、個別株投資を行う上でも日経平均株価の動向は無視できるものではありません。

アベノミクス以降多くの期間で、日経平均株価のPERは13~16倍程度を推移していたため、日経平均株価の下値の目途にPERを参考にする個人投資家は非常に多いです。

また、多くのアナリストも盛んにPERをもとに割安だと説明しています。

ただ、この考え方は非常に危険です。

そこで今回はPERの落とし穴にはまらないために、なぜPERを下げ目途に使うのか危険なのか? どんな相場で特に注意すべきか?

PBRを参考にして、日経平均株価の下げ目途を探る方法など紹介していきます。

PERをあてにするのは危険

PERが景気後退局面で役に立たない2つの理由

景気の回復とともに企業業績が伸びていく状況では、ある程度PERを使って底値圏を探ることは可能です。

しかし、一度景気拡大期が終わると、今後の企業業績の鈍化を織り込みPERは低くなりがちです。

また、日経平均に採用された多くの企業が赤字になるとEPSが低くなるため、極端にPERが高くなり、もはや使い物にならなくなります

この2つの理由から景気後退期では、底値圏の目途としてPERを参考にすることはできません。

PERが景気後退局面で役に立たない

民主党政権時代とリーマンショックの具体例

例えば、東日本大震災や超円高を経験した民主党政権時代の日経平均株価は、EPSの上下のぶれや今後日本株に明るい未来が想像できなかったため、先程の2つの理由にピタリと当てはまり、低PERと高PERが混じり合う時代でした。

この間、米ダウ平均株価が着々とリーマンショック後の株安から値を戻すにも関わらず、日本株は完全に忘れ去られていました。

また、リーマンショック時も企業業績の悪化の織り込みから、実際に赤字企業が多発した一連の流れの間、PERはとんでもない数値になり、全く使い物にならなくなっていました。

リーマンショック後のPBRが一つの指標

これら激動の時代に役に立ったのは、PERではなくPBRでした。

そもそも来年の利益予想は非常にブレのあるものです。

大きな経済状況の変化がなくても、赤字転落する企業は珍しくありません。

一方、PBRのもとになっている資産価値については、そうそう大きく変化するものではありません。

また、あまりにも安くなりすぎれば買収されてしまうため、PERと比べてPBRは異常値が付きにくいです。

短期的な数値のぶれはあるものの、リーマンショック時はPBR0.8倍程度がひとつの下げ目途となりました

これが一つの基準となり、民主党政権時代もこのラインが強力な抵抗線として機能しています。

今後機械学習が金融の世界でも盛んに利用されることを考えれば、この基準は非常に大きな意味を持つことになると考えられます。

PBRは文句の言えない一つの基準

PBRは文句の言えない一つの基準

当然ですが、下げ相場だからと言って、PBR0.8倍まで必ず下がるわけではありません。

大切なのは、その基準に達しても困らないようなポジションにしておかなければいけないことであり、そうなったときにどう行動するのか事前に準備しておくことです。

2018年末の日経平均株価のBPSは1万9,244.97であり、この数値をもとにしたPBR0.8倍の日経平均株価は1万5,395.976です。

過去の経験則を考えれば、2019年に日経平均株価が1万5,000円台になっても文句は言えない適正水準だと覚えておきましょう。(執筆者:三田 亮)