※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

中学校の「学校制定品」公立と私立の価格差 私立は約13万高いが、制服の差はほぼなし。入学後もかかる費用について

ライフ 子育て
中学校の「学校制定品」公立と私立の価格差 私立は約13万高いが、制服の差はほぼなし。入学後もかかる費用について

中学の「学校制定品」にかかる費用

12月から翌年2月までが、中学受験本番で、2月末には各校での入学者数が決まります。

中学受験は、つい塾費用と受験費用面だけが気になります。

しかし、合格・入学手続きをして、事前に概算は聞いていたけれど、すっかり忘れてしまいやすいのが「学校制定品費」です。

文部科学省が定期的に行っている学費に関する調査で、「私立校は全ての費用で高い」という結果は出ています。

学校制定品に限定してみて、どのぐらいの費用が発生しているのかと、公立中学校との差額など、地元制服店さんの話や我が家の例をもとに紹介します。

私立・公立中学入学時に実際にかかる学校制定品の費用

1. 私立中学の場合

私立中学

合格後の入学手続き時に「入学手続きに関する書類」が渡され、制服などの購入方法や費用が記載されています。

ここからは、我が子が入学した私立中高一貫校(女子校)を例で紹介します。

制服以外は、書類に添付されていた振込用紙で振込、控えが制定品との引換券になっていました。

制服は、合格者集合日に学校で採寸を行います。

受け取り方は、購買部からの発送で着払い(送料540円加算あり)もしくは指定百貨店・制服部で支払いと受け取りの選択ができました。

冬服は入学式の2週間前に届き、夏服は入学時の寸法で5月前に届き、試着してサイズ変更をする場合は、学校の購買部で交換手続きします。

制服以外の制定品は、指定された日に学校へ行き、キャリーバッグなどで持ち帰りました。

内訳(冬夏ともにセーラー服)

・ 制服(冬上下)… 3万7,000円
・ カーディガン(冬用)… 9,000円
・ 制服(夏上衣)… 6,800円
・ 制服(夏スカート)… 1万5,000円
・ カーディガン(夏用)… 8,200円
・ ネクタイ… 1,100円
・ 体操服(夏用上下2枚セットネームあり)… 1万5,200円
・ 体操服(冬用上下1枚セットネームあり)… 8,800円
・ グランドコート… 6,700円(冬の外での体育時に着用)
・ 通学靴… 8,500円(学校オリジナルデザイン)
・ 体育館シューズ… 5,500円
・ グラウンドシューズ… 3,600円
・ 上履き… 1,500円
・ 制定ソックス(夏・冬色違い 5足セット)… 4,200円
・ 制定カバン・補助カバン・靴袋・ハチマキ、美術セット・書道セット(筆のみ)・ネームベスト… 合わせて3万6,000円

以上、合計金額16万7,100円

冬コートは、夏に申し込みが行われ、2万5,000円でした。

5月は「制服での温度調整期間」の学校が多いのですが、合服がない学校ですので、夏服にカーディガンに切り替える学生が多いです。

私立中学でそのまま上の高校へ進学する場合、校章のみ色が変わるケース、制服のネクタイが変わるだけや、制服類一式が変わるので新規購入ということがあります。

2. 公立中学校の場合

公立中学

公立中学校の場合については、地元の公立中学へ進学した友達のお母さんと、学校指定の制服店の方から、入学時に買う制定品の値段などを尋ねてみました。

学校説明会が行われた時に、学校指定品の購入に案内などの書類が渡されます。

お店の方は、

「制服などの学校制定品は、学校が指定する学生服販売店が複数あり、扱う制服メーカーで値段に幅があるので、制服選びで困られるお母さんが多い」

と、話されていました。

1番よく売れている価格帯(女子の夏・冬ともにセーラー服)

・ 制服(冬上下)… 3万3,000円
・ 制服(夏上下)… 1万4,000円
・ 体操服(冬・夏上下1枚ずつ)… 計1万2,800円
・ 通学カバン(2wayタイプ)・体育館シューズ、スリッパ(上履きとして使用)3点セット… 8,800円

以上、合計金額6万8,600円

カーディガンやコートについては、規則はありますが、どこにでもある通学向きの市販品でよく、靴下や靴は自由です。

書道道具など小学校で使っていたものを持ち越せます。

男子事情を制服店の方に聞きました

男子の場合は、急激に身長が伸びる子や、手荒に扱って破いてしまう子がいるので、

・ 裾出しや袖丈だしで対応する子

・ 全部買い直す子

・ 必要なものだけ新たに買う子

さまざまなケースがあるようです。

3. 1部私立校にある「全て自由」、「行事のみ制服」の場合

1部の有名私立校になると「制服やカバンの規則なし」、「特別行事の時のみ基準服着用」と定めている学校はあります。

有名な学校(一部)

・ 灘中学校(制服なし・カバン自由)

・ 東大寺学園中学校(制服なし・カバン自由)

・ 慶應義塾中等部(特別行事のみ基準服着用)

理由としては、学費負担軽減ではなく「学生としての自主性を養う」という教育方針があるからです。

制定品で生徒をしばるのではなく、「学生としてふさわしい服装」を考えさせて、勉強での「思考力」も同時に養う目的を含んでいます。

慶応義塾中等部

≪画像元:慶応義塾中等部

制服の値段は、私立・公立で価格差が少ない

公立中学の制服は、複数の制服店(地域によっては呉服店)が扱います。

より多く集客するために、品質などで差をつけようとして、私立校とあまり変わらなくなるという結果につながっています。

2年前から「公立中学校なのに、制服が高すぎるのではないか」という声が出ていて、公正取引委員会でも、制服の価格差については注視しています。

公正取引委員会

≪画像元:公正取引委員会(pdf)≫

差が開く私立と公立の費用

定期的に文部科学省で、子どもの学習費調査を行っています。

平成28年度の学校教育費は、

私立中学… 99万7,435円

公立中学… 13万3,640円

という結果です。

子供の学習費調査

≪画像元:文部科学省(pdf)≫

制服などの学校制定品は「学校教育費」の項目に含まれて計算されています。

学校制定品だけを調べた結果、価格が高く、購入するものが多い私立中学校が約12万円高いことがわかりました。

受験費用+入学後の費用もお忘れなく…

私立中学の制定品について、制服で公立中学と大きく差が出るのではないかと予測していましたが、制服ではなく、カバンなどの身の回りの制定品で大きく差が出ました

通学手段がバスや電車の場合は定期代など、個人で必要に応じた費用が発生します。

入学後に学校制定品以外の購入も多くあります

中学受験にかかる費用面だけでなく、私立中学独特の費用はたくさんあります。

中学受験で教育費を食いつぶすのではなく、中学校入学後、さらに高校・大学までの費用は、進学を考える時期に必ず確認しましょう。(執筆者:笹倉 奈緒美)

《笹倉 奈緒美》
この記事は役に立ちましたか?
+6

関連タグ

笹倉 奈緒美

笹倉 奈緒美

妊娠・出産を機会に子供の教育費について考え、実際には中学受験にもチャレンジしました。合格後は主婦をしながらフリーランスライターをしております。大学卒業までにかかる教育費に対してどういう資産運用がよいか、そして子供へのお金のかけ方などの情報収拾と研究・実践をしており、教育費関連や子供とお金にまつわる情報を提供してまいります。 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集