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「マネー行動」から自分のお金に対する価値観がわかる 「就活」にも役立つ考え方をFPが解説

ライフ 家計
「マネー行動」から自分のお金に対する価値観がわかる 「就活」にも役立つ考え方をFPが解説

二月も中旬になると、進学や就職など、新生活に向けた予定が入ってきます。

私にも奨学金の説明会の講師依頼など、来年度に向けた予定が入ってきています。

前回のコラムで、もともとファイナンシャルプランニングは、金融商品の販売目的で生まれた手法で、金融商品と結びつきやすいと書きました。


その一方で、相手の夢や希望、価値観をよく聴き、「金融商品はあくまで、夢(幸福)の実現への資金調達手段の一つであり、クライアントがその手段を納得できなければ別の手段を提案する」をモットーに活動するファイナンシャルプランナーがいます。

ファイナンシャルプランニング

アメリカには、カウンセリングの結果、幸福実現のために必要であれば、なんと転職(働き方)を勧めるファイナンシャルプランナーもいます。

ファイナンシャルプランナーは、コンサルタントというより、カウンセラーに近いかもしれません

マネースクリプトとマネー行動

「分かっちゃいるけどやめられない」そんな行動の一つや二つ、誰もがお持ちだと思います。

マネースクリプトとは、金融心理学者ブラッドレイ&セオドラ・クロンツの造語で、「お金に関する、人の考えの中核を成し、マネー行動を起こさせる原動力」のことです。

私の解釈では、マネースクリプトとは

お金に対するその人の価値観で、両親や祖父母に、「お金について」言われてきたことや、友人や会社、世代などの環境によって無意識のうちに作られたもの

です。

マネー行動で自分の価値観がわかる

マネースクリプトは4つのカテゴリーに分類されます。

1. マネー忌避。お金は悪と考える
2. マネー崇拝。お金は幸せをもたらすと信じる(お金は神)
3. マネーステイタス。自分の価値を資産高や収入と同一視する
4. マネー警戒。倹約や貯金に重きを置く

マネースクリプトは、必ずどこかのカテゴリーに収まるのではなく、4つのカテゴリーのうち、「どの傾向が強いか」なので、人によって千差万別です。

マネースクリプトのカテゴリーの混ざり具合によって、私たちのお金の価値観は、傾向として8種類のマネー行動に現れます。

8種類のマネー行動

1. 脅迫的な購買(買い物依存)
2. 病的な賭博行為(ギャンブル依存)
3. 脅迫的な溜め込み(ゴミ屋敷)
4. 仕事中毒
5. 金銭的依存
6. 金銭的イネーブリング(金銭的援助が受領者や提供者にとって害になる)
7. 金銭的否認(現実否定することでお金の不安をやり過ごす)
8. 金銭的束縛(未成年の子を大人の金銭的問題に不適切に巻き込む)

何の問題もなければいいのですが、もしもマネー行動によって困っているのでしたら、自分を見つめなおす必要があります

ほんの些細なことがきっかけで、変な価値観(こだわり)を持ったかもしれません。

きっかけ(原因)が分かれば価値観を変えることができます。

自分を見つめなおすことは就活にも役立つ

お金について例をあげると生々し過ぎるので、就職を例にとります。

マネースクリプトの考えは、実は就職や進学を考えるうえでも役立ちます。

ライフプランが「夢や幸福の追求」で、ファイナンシャルプランは「そのための資金計画」。

幸福追求が「主」であるなら、資金計画は「従」の関係にあります。

ですから、人生の3分の1の時間を占める職業は幸福追求にとても重要です。

ある美容師の話

ある美容師が、職場の人間関係に傷つき、退職しました。

事務の仕事の面接を受け、内定をいただいたのですが、あっさりと内定が出たことに「ブラック企業ではないか」と不安に感じ、内定を辞退しました

その方との会話から、「本当に人間関係に傷ついているんだな」と感じました。

ちなみに、その方の言うブラック企業とは「人間関係が悪い」という意味だそうです。

その一方で、その方はいわゆる「カッコイイ」感じの雰囲気をもつ方で、私の印象では、事務職より、ファッション・美容関係の方が似合うし、その方がしっくりくる感じでした。

そこで、その方の内定辞退は、

「本当に人間関係の不安からなのだろうか? それとも、事務職自体が自分に合っていないと、自分でも気付かずに違和感を感じ、辞退したのだろうか?」

と疑問に思いました。

美容師の国家資格を取るためには、多くの時間とお金と努力をつぎ込んでいます。

その原動力は何なのか? 頑張れた理由は何なのか?

「その頑張れた価値観を捨ててまで、他の業種に転職したいのか。それとも職場を変えれば美容師を続けられるのか。ほかに価値観を生かせる仕事はないのか。」

もしかしたら、その職場で人間関係に傷ついたことが心を埋めつくし、自分が目指していたものを見失わせているのでは? と感じました。

たまたま職場が一緒だった人たちとの人間関係がうまくいかなかった事(新たに嫌いな人から植え付けられた価値観)と、自分が就きたいと頑張ってきた職業をあきらめる事(自分が大切にしてきた価値観)との因果関係はあるのだろうか…?

就職活動

自分を見つめなおす、自分に対する質問

生まれてから今まで

好きだったことは何だろう?
頑張れたことは何だろう?
嫌だったことは何だろう?
(○○について)親や周囲からどんなふうに言われてきただろう?

これらの質問を自分にしてみましょう。そして、その理由も考えましょう

私は、小学5年生で、NHK人形劇三国志を見て以来、諸葛孔明に憧れ、坂本龍馬に憧れ、真田幸村に憧れました。

なりたい職業は、中学・高校・大学で変わりましたし、最初についた職業は、孔明や竜馬・幸村とは、一見すると関係なさそうです。

しかし、その根底には「誰かのためにアイデアを出して、その人の役に立ちたい」という思いがあります。

本当に就きたい(第一志望の)職業には就けないかもしれません。

しかし、「誰かのためにアイデアを出して、その人の役に立ちたい」という思いを満たせる職業は、発想を変えれば他にもあります。

手段は一つだけではないのです。もし、今を変えたいなら、考え方を変える必要があります

今の考えは、どんな環境でつくられたのか、自分の価値観を知るために、自分自身とコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか。

本当に大切な価値観なのか、根拠のない過去のしがらみから植え付けられた価値観なのか、答えは自分だけが知っています。(執筆者:田島 稔之)

《田島 稔之》
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田島 稔之

田島FP事務所(T.F.P.O) 代表 東京情報大学情報学科卒。大学卒業後、小売業に就職。その時にFPと出会い、FPとして独立することを決意。資格取得後、実務経験を得るために転職。不動産業、生命保険セールスを経て2006年田島FP事務所(T,F,P,O)を開業する。「FPにとっての金融商品は、医者にとっての処方箋。診察あっての処方箋」をモットーに、あくまで診察がメインのコンサルティングを行っている。長野県長野市を拠点に、住宅ローン相談や401Kセミナーを中心に活躍している。 <保有資格>:CFP®  1級ファイナンシャル・プランニング技能士  住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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