平成13年に「マンションの管理の適正化に関する法律」が施行され、マンションについてさまざまな事項が規定されました。

そして、マンション管理業者が管理組合から委託を受け「管理事務」を定め、その中の「維持または修繕」では補修工事、設備の保守点検、大規模修繕が含まれています

このように詳細に定められたことで、法律が施行された以降のマンションは修繕積立金などがきちんと積み立てられていますが、今度は大規模修繕までの資金をどうするかが課題になっています

今回は、マンション所有者であれば誰でも1度は体験するであろう、管理組合の立場に立って、余っている修繕積立金の運用方法を考えます

修繕積立金どのように運用してる?

銀行を分散するだけではあまりにも大きい金額

修繕積立金の金額はマンションの大小にもよりますが、大きい所では数億円という単位になります。

1997年の金融危機前までは、1つの銀行に数億円預けても安心でしたし、高金利の利息も享受できました。

しかし、金融危機以後は2001年に改正された預金者1人につき、元本1,000万円までとその利息を保証する「ペイオフ」が意識されるようになりました

なお、修繕積立金は管理組合名義で預金しますので、安全な金額は「ペイオフ」の範囲内です。

数千万円の修繕積立金であれば、銀行を別けることで対応できるかもしれませんが、数億円となるとどうしようもありません。

管理組合によっては「決済性預金」を利用している所もあるようですが、「決済性預金」では無利息となってしまいます

最近人気を集める「マンションすまい・る債」とは

そんな中、修繕積立金の運用先として人気が高まっているのが、住宅金融支援機構が発行する「マンションすまい・る債」です。

「マンションすまい・る債」は、住宅金融支援機構が国の認可を受けて発行している債券のため安全性が高く、これまでに約1万9,000の管理組合が応募しています。

住宅金融支援機構

≪画像元:住宅金融支援機構≫

人気の理由としては、

安全性が高い割に年平均利率が高いこと(2019年2月発行の10年満期の債券は0.143%)

マンション共用部リフォーム融資の金利が年0.2%引き下がる

ことなどです。

一方で、「マンションすまい・る債」の積立てができるマンション管理組合は、以下の要件があります。

(1) 機構融資を利用し、共用部分の修繕工事を行うことを予定していること
(2) 管理規約が定められていること
(3) 長期修繕計画の計画期間が20年以上であること
(4) 反社会的勢力と関係がないこと

なお、(4)を除き、応募時点で満たしていなくても、次回に開催する総会等で要件を満たせば利用できます

申込スケジュールは要確認です

このように見ていくと、管理組合にとって「マンションすまい・る債」は魅力的な商品であるように感じます。

なお、申込期間は前年の4月中旬~9月中旬、債券の発行は翌年の2月頃ですので、申込スケジュールなどにご注意下さい。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)