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「災害時のお金の不安について」東日本大震災を経験した被災者に取材させていただきました

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「災害時のお金の不安について」東日本大震災を経験した被災者に取材させていただきました

今年も3月11日が近づいてきました。

多くの死傷者、行方不明者が発生した東日本大震災から、8年がたとうとしています

その間には、筆者も北海道胆振東部地震で被災をしさまざまな不安を覚え、先日も大きな揺れに恐々として暮らしています。

そこで、8年たった今だからこそ振り返りたい「災害時のお金の不安」について、東日本大震災で被災経験のある方に取材させていただきました

被災したからこそ言える、リアルな意見をまっすぐに受け止め、今一度「生きていくためのお金」を向き合ってみませんか?

東日本大震災で被災経験のある方に取材させていただきました

被災直後に感じたお金の不安…多くは車や家のローン、当面の生活資金

被災されたときに、どんなお金の不安を感じたか…について、まず伺いました。

すると皆さんそれぞれに、震災時ならではの不安を抱えていたことを教えてくださいました。

「現金の手持ちも少なかったし(4~5万円しかなかったと思います)、愛車の事も気になりましたよね。愛着のある愛車だったし、愛車のローン等も不安を覚えましたよね。未曽有の大震災だったので…これからどうなるんだ? しかなかったです」(20代男性・自営業)

自分の車がどうなったのか…の確認もままならなかったという方も多く、抱えたローンのことを考えると不安で仕方なかったという意見がありました。

ローンで言えば、やはり住宅ローンについても不安を抱いた方がいました。

「家の修繕費用をどうしようかと思いました。家を購入したばかりで、壁にひずみができているし、玄関のドアも少し傾いて締めづらくなっていました。そして、家の中の戸棚が倒れて、グラスは割れた状態…どうしようかと思いました」(40代女性・主婦)

住み続けられるのか、修繕するにはどのくらいの時間と費用がかかるのか…と悩まれたそう。

それにはまとまった額が必要となりますが、そもそも仕事がどうなるのかもわからない状況で…絶望しかなかったという方もいました。

地震で壊れた修繕費はいくらかかるのか

手持ちの現金が大事になるということは、筆者も北海道胆振東部地震で学んでいるのですが、やはり現地では混乱に乗じて価格が高騰したものがあったようです。

「何もかもが俗にいうぼったくりのような値段になっていたので、手持ちの現金で何日持つのか、食料が購入できるのかが一番の不安でした。食料以外では、車がないとどうにもならない地域なので、ガソリンスタンドに長蛇の列ができ、ガソリンを入れるのに半日かかるし、お金もありえないような金額を取られました。一番ひどい価格は10リッターで5,000円でした」(40代女性・主婦)

ないと困るから、どんな値段でも購入しなければならない…

手持ちのお金が限られている中での大きな出費は悩みの種だったといえますね。

販売する業者側としても、次の入荷が見込めない状況では制限を付けて価格も釣り上げる必要があったのでしょうか。

現在はお金の悩みは解消できたのか、どう解消したのか

たくさんの不安を抱き、それでも懸命に暮らしてきた被災者の方々に、どうお金の悩みを解消したのかを教えてもらいました。

義援金などの公的支援を受け、解消

しばらくは情報が錯そうしていましたが、徐々に義援金や災害支援一時金といった公的支援の受付が開始しました。

その情報をしっかり得て手続きを行い、お金の悩みの解消の一つの手立てとした方がいました。

「義援金や親からの援助等で何とか食いつなぐ事ができました。車は津波で流されてしまったのきちんと処理をし、ローンの方も終わりそうな時期だったのでローンも払って終わっているので解決済みです」(20代男性・自営業)
「家の壁の修繕費に関しては、市の方で被害届をだすとその分補助金がでたので助かりました。そして、震災から数年は確定申告で被災地には税金がほんの少し安くなったような気がします。家の被害は、他の家に比べたら地盤がよかったのでどうにか今でも住んでいます。」(40代女性・主婦)

なにもかも自分の貯蓄と加入した保険で賄うのはやはり厳しいものでしょう。

いかに日頃から有事の際に使える貯蓄を用意しているかによって、悩みの解消には大きな差が出たことと思います。

義援金や公的支援も生活を立て直すきっかけに

まとまった貯蓄がなかった方も、公的支援によって生活を立て直すキッカケになったという声も聞けました

親族の元に避難し、社会復帰を果たして解消

被害が大きかった地域に住んでいた女性は、親族の元に避難したといいます。

「災害が発生してから、混乱の中避難所生活をしばらくしていました。なんとか親族と連絡がつき、避難しました。手持ちの現金数万円と身の回りの最低限のものしかない中で親族のやさしさに触れ衣食住すべて救われました。当時を思い出すたび震えが止まりませんでしたが、避難先で再就職を果たし、無事今は安定した暮らしをしています」(20代女性・会社員)

就職先が全壊してしまい結果再雇用につながらなかった女性ですが、避難先で無事に就職出来、今は安定した暮らしができているといいます。

当時住んでいたアパートの家財道具などは全てダメになってしまったとのことでしたが、それでも親族の救いの手があってなによりでしたね

取材を通じて筆者も家族の絆の大切さや温かさを再確認できました。

雇用が続き、被災地で復興に尽力する暮らしのなか解消

被災したものの雇用が継続され、仕事をしながら自宅や周辺の復興に尽力するなかで日々の暮らしを取り戻していったという男性からも話を聞けました。

「被災時に抱いた不安は解消されています。わたしの住んでいた地域は、幸い津波の被害を免れることができましたが、傷んだ家屋や事務所の修繕などから始まりました。幸い、雇用関係を継続してもらえたので昼夜働き、体を動かしていたほうが落ち着けたというのが正直なところです。結果、給料をもらえたのでお金の不安は解消され、今も家族と生活できているという状態です」(30代男性・会社員)

雇用継続か否かによって、また大きく運命が変わったことでしょう

雇用が継続できなかったという方も、再就職に向けさまざまな苦労をし乗り越えてこられたのだと感じます。

被災したからこそ思う…「災害に対してしておくべき備え」とは

地震保険は入っておいて損はない

被災したからこそ言える、どんな備えが必要か…ということをアドバイスしてもらいました。

「用意しておくべき保険としては「地震(災害)適応する保険(住宅も人も)」に入っておくと絶対に間違いありません! 300万円~500万円は保証してくれると思いますし、人によっては1,000万円以上保証してくれるでしょう。手持ちの現金も300万円以上あると心強いと思います」(20代男性・自営業)

保険料で生活が苦しくならない程度に、なにかあったときのための備えはあって損はないということがうかがえます。

「多少のお金を持っていても、家族の衣食住やガソリンなどであっという間になくなってしまします。少し多いかなくらいの現金が必要だと思います。それと、1万円札しかないと、おつりないからどうすると聞かれしぶしぶお釣りなしで支払うことになってしまうので、なるべく細かいお金で用意しておいた方がいいと思います」(40代女性・主婦)

まとまったお金を持っておくべきだという考えに陥りがちですが、小銭もしっかり持っておかなければならないことがわかりますね。

筆者も震災時はレジ等が使えず、「カップ麺1個100円」と近所のイオンの駐車スペースで販売されていました。

おつりがないよう小銭の用意をしておかなければ、周囲に迷惑をかけてしまい最悪買えない、おつりがなく大損をするといったリスクがあるのです。

「車があるのであれば、できれば普段から満タン近くにしておくことをオススメします」(30代男性・公務員)

車が動けば車のエンジンをかければ、スマホ等の充電を行うことも、パーソナルスペースを確保することも可能です。

テレビやラジオで情報を入手することもできますので、ガソリンは大事ですね。

大変な経験をされ、思い出したくもないなかで取材に親切に応じてくださった方々に感謝いたします。

貴重な意見を踏まえ、「きっとうちは大丈夫」という意識を捨て、今一度災害に備えてみてはいかがでしょうか。(執筆者:三浦 希枝)

《三浦 希枝》
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三浦 希枝

三浦 希枝

前職は海上保安庁に所属し、船舶料理士とヘリコプタ―降下員として勤務。退職後、フリーライターになり4年目に開業。子連れ離婚そして再婚を経て、二児のママとして仕事との両立を図っている。Webライティング講師業もはじめ、活動の幅を広げている。趣味は時短、節約。特技は水泳(インターハイ出場経験有!) 寄稿者にメッセージを送る

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