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【地域密着で便利な地銀】店舗数とATMが減らない その理由を元地銀銀行員が説明します

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【地域密着で便利な地銀】店舗数とATMが減らない その理由を元地銀銀行員が説明します

わたしたちが「銀行」と呼んでいる金融機関にもいろいろな種類があります。

地方銀行もその1つです。

今回は、元地方銀行員の筆者が、地方銀行のメリットやメガバンクとの違いについて説明します。

地方銀行のメリット、メガバンクとの違い

地方銀行とは

地方銀行(地銀)は地方に拠点を持つ普通銀行で、その地域の企業や個人を主な取引先としています。

また、第二地銀と呼ばれる銀行もありますが、その大半が平成初期に旧相互銀行から転換した普通銀行です。

地方銀行は「全国地方銀行協会」、第ニ地銀は「第二地方銀行協会」に所属しているなどの違いはありますが、客が受けられるサービスはほぼ同じです。

そのため、この記事では地方銀行と第二地銀をまとめて地方銀行とします

地方銀行とメガバンクとの違いは営業店やATMの利便性の高さ

地方銀行とメガバンクの違いで筆者が特に感じるのは、営業店やATMなどの利便性です。

一個人客として見たその利便性の高さはメガバンクより優れていると思います。

1.営業店やATMが多い

地方銀行の拠点となる地域には、営業店が数多く存在します。

筆者の古巣である地方銀行も、営業店の数が30年前とほとんど変わっていません。

筆者の近所にも営業店があり、必要な時にすぐに行けて非常に重宝しています。

また、首都圏ではコンビニATMとの提携によりメガバンクの自行ATM数が減っているようですが、地方銀行の自行ATMはむしろ増えています

筆者の近所をチェックしただけでも、徒歩2km圏内に合わせて10以上の地銀直営ATMが存在します。

近年はコンビニATMとの提携により若干減りつつありますが、それでも実感として便利だと感じる程度の数はあります。

地銀は、営業店舗数やATM数が多い

2.平日・土曜に無料で利用できるATMが多い

次に便利だと感じる点は、平日・土曜に無料で利用できるATMが多いことです。

何年か前、筆者は首都圏に住む親族から

「メガバンクは営業時間内でもATM手数料がかかる」

という話を聞き、非常に驚きました。

※手数料無料のメガバンクもあります。

筆者の地元にある地方銀行は、提携金融機関を含み平日午後6時まで、土曜日は午後2時までATM手数料が無料だからです。

また、インターネットバンキング利用者は自行ATM手数料を24時間無料、提携するコンビニATMでも無料で利用できる時間を設けている地方銀行もあります。

そのため、現金を引き出す際の不便や不満をほとんど感じません。

平日、土曜のATM利用料が無料

前述1.、2. の点から、地方銀行はメガバンクよりも個人客が利用しやすい銀行だと言えるでしょう。

地方銀行は地域密着型でメガバンクと役割が違う

地方銀行が本支店のある地域に多くの営業店とATMを持つ理由は、その役割にあります。

地方銀行には、拠点を置く地方にある企業や個人に適した金融サービスを提供し、地域経済をサポートする重要な役割があります

地方銀行の主な取引先は、その銀行がある地元の自治体や企業、それに個人客です。

地方自治体や地元を拠点とする大企業との取引(ホールセール)だけでなく、個人や中小企業などの小口の取引(リテールバンキング)も重要です。

そのため、地方銀行には窓口や渉外などの営業拠点となる営業店や、顧客がいつでも現金を引き出せる自行のATMが数多く存在しています。

そこが、官公庁や大企業などの法人営業がメインとなるメガバンクとの大きな違いです。

筆者も銀行員時代、「地方銀行は地域に根差した営業を行う銀行である」と何度も教えられましたが、今まさにその通りだと実感しています。

地銀は、地域経済をサポート

地方ならではの事情も

地方銀行の営業店やATMが数多く存在する背景には、地方ならではの事情が背景にあります。

その点については、筆者が元・銀行員としての個人的見解としてお伝えします。

1. 地方銀行の個人客には高齢者が多い

昔から、地方銀行では個人客の多くが高齢者です。

近年はますますその割合が増えています。

現在はキャッシュレス決済やインターネットバンキングなどが普及しつつありますが、高齢者の多くはそれらに対応できません

それところか、ATMの操作もおぼつかない高齢者が多いのが現状です。

筆者は近所に地方銀行の支店があるのでよく行きますが、いつ見ても営業店のロビー係が絶え間なく高齢者のATM操作をフォローしています。

そのような事情から、地方銀行の経営が傾かない限りは当面営業店やATMは減らないでしょう。

地銀では、利用者の多くが高齢者

2. 地方ではキャッシュレスに対応していない場所が多い

次に地方では都会と比べてキャッシュレス決済未対応の場所が多いことが挙げられます。

たとえば、個人病院のほとんどがキャッシュレス決済未対応、店舗でも現金払いのみのところが非常に多いです。

ゆえに支払のために現金が必要となり、ATMがないと非常に困ります。

また、今後地方でもキャッシュレス決済は進むでしょうが、おそらく高齢者ほど対応が難しいでしょう。

それを考えると、やはり地方銀行のATMは当面現状のままいくのではないかと感じています。

地方に引っ越すなら地元の地方銀行に口座を持つのがおすすめ

これまでお話ししたとおり、地方銀行は地域に根差した営業を展開しています。

また、地方ならではの事情もあり、営業店やATMの数も多く、非常に利用しやすいメリットもあります。

そのため、地方に引っ越す方はその地方を拠点とする地方銀行に口座を持つことをおすすめします。(執筆者:大岩 楓)

《大岩 楓》
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大岩 楓

執筆者:元銀行員 FP2級 大岩 楓 大岩 楓

元銀行員にしてベテラン主婦のフリーライターです。クレジットカードや節約記事などの執筆のほか、既成記事の校閲も行っています。50代になった現在、最大の関心事はずばり「老後のお金」今後のマネープランについて真剣に考え始めました。そこで自らの勉強も兼ね、銀行員時代に培った金融知識と25年以上の家計管理経験をベースにお金に関するさまざまな事柄について深堀りしていきます。 <保有資格> FP2級 寄稿者にメッセージを送る

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