「長短金利逆転」で「景気後退」が起こる3つの理由 何が起こっても大丈夫な準備をしておこう

アメリカの長短金利が逆転すると景気後退が起こる…。

昨今このようなニュースをよく耳にすると思います。

ただ、なぜ長短金利の逆転が景気悪化の兆候なのか、理解できていない方も大勢いると思います。

そこで今回はなぜ長短金利逆転で景気後退が起こるのか?

基本的な3つの理由を解説していきます。

なぜ長短金利逆転で景気後退が起こるのか

1. 銀行の貸し渋りによる経済停滞

基本的には、短い期間の金利の方が、長い期間の金利より低くなっています。

長い期間お金を貸している方がリスクが高いため、その分金利が高くなるわけです。

この長短金利差を利用して、銀行はビジネスをしています。

では、長短金利差が逆転したらどうなるか?

経済の心臓である銀行が苦しくなるだけでなく、長期でお金を貸すメリットがなくなるため貸し渋り、経済のお金周りが悪くなってしまいます。

これが長短金利逆転したのちに、経済が停滞すると言われる理由の一つです。

2. 過去の経験則による市場参加者の行動

過去を振り返ってみると、長短金利逆転が起こった後には必ず景気後退期に突入しています。(90年代前半、ITバブル時、リーマンショック前)

この経験則が市場参加者に与える影響は絶大です。

新たな投資は控えられ、比較的長めに保有する投資家たちが利益を確保するために持ち株を売却するのは自然な行動と言えます。

これは投資家だけでなく、上場企業の経営陣にも言えることです。(M&Aや設備投資)

また、過去のデータを見てみると、長短金利逆転が起こってすぐにリセッションするわけではなく、1年程の猶予があります。

そのため、長短金利が逆転したことを確認して、多くの機関投資家が将来のリスクに少しずつ備えます。

景気に先行すると言われている株価指数がリセッションを織り込み始めれば、当然実体経済にも影響を与えるわけです。

少し乱暴な言い方になりますが、

「長短金利逆転によって景気後退が起こる本当の理由は何なのか?」
「本当に相関性はあるのか?」

なんてことは重要なことではありません。

多くの人々が、過去の経験則から考えれば今後リセッションするかもしれないと思ってしまうことが深刻なことなのです。

3. チャンスととらえる市場参加者の登場

こうなってしまうと、過去のデータと不安になる投資家心理を利用して稼ぐ投機家も現れます。

短期的に相場を荒らすアルゴリズムによってボラティリティーが上昇し、VIX指数が上昇したら自動的に株を売却するリバランス型のアルゴリズムが次々に株を売却します。

この大きな流れに通常の参加者もたまらず株を投げ売りして、どんなに株価が急落しても長期投資家は買いを手控えます。

また、連日悲観的なニュースが流れることで、投資をしていない一般家庭の財布のひももきつくなり、消費は一気に落ち込みます。

そして、消費が落ち込むことで企業業績に影響を与えて、さらに市場で株が売られる…。

このように、長短金利逆転をチャンスととらえる市場参加者が現れることにより、本当にリセッションが起こってしまうのです。

何が起こっても大丈夫な準備を

何が起こっても大丈夫な準備を

ここまで紹介したことが、長短金利逆転によって景気後退が起こる基本的な概念です。

ただ、実際には長短金利逆転が起こる過程は様々であり、必ず景気後退が起こるわけではないとFRBもアナウンスしています。

そうはいっても、実際に景気後退が起こった時に後悔はしたくありませんよね?

そうならないためにも、今後暗い未来が訪れても問題ないように心の準備をしておきましょう。(執筆者:三田 亮)

この記事を書いた人

三田 亮 三田 亮»筆者の記事一覧 (26)

21歳で商品先物の世界と出会い、株式や日経225先物・オプションをメインに、10年以上投資をしています。その間、会社の売却を1回、会社の清算を1回、事業売却を1回経験済み。マネーの達人では、経済や投資に関する情報をわかりやすく紹介していきます。
【寄稿者にメッセージを送る】

今、あなたにおススメの記事
本サイトの更新情報をfacebook・Twitter・RSSでチェックしましょう