※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

【住宅ローン審査で後悔しない】住宅と同時に新車を購入すると、借入可能額が減ってしまうことも

ローン 住宅ローン
【住宅ローン審査で後悔しない】住宅と同時に新車を購入すると、借入可能額が減ってしまうことも

住宅購入が決まると、車も買い替えたくなることが多いです。

しかし、土地購入と注文住宅の住宅ローン審査においては、審査を2回行う関係で、車をオートローンで途中購入した場合、2回目の住宅ローン審査が不利になる可能性があります

今回は、この事例を時系列に沿って解説します。

住宅購入の際に新車購入する場合は注意

住宅購入では、新車購入も多いという現実

私が知る限りにおいては、住宅購入と同時に新車購入する方が、かなりいらっしゃいます。

これが分譲マンションであれば、住宅ローンの審査は実質1回ですので、住宅ローンの承認が下りた後に、新車購入するのは問題ありません

ただ、先に土地を購入し、その後、注文住宅を建設する場合、金融機関としてはまず土地購入の審査を行った後、注文住宅建設時に、土地と建物を合わせた総額の審査を行います

ここで、土地購入後に車をオートローンで購入し、その後注文住宅建設へと進んだ場合、オートローンで購入した車は債務とみなされますので、総額の審査において不利に働くのです。

具体例を用い、シミュレーション

ここでは、年収と返済負担率の目安を公表している、住宅金融支援機構のフラット35を例に解説します。

年収840万円、土地購入資金5,000万円、建物建設資金2,000万円、全期間固定金利1.5%、返済期間35年の場合

(フラット35の基準では、総返済負担率「毎月返済額 ÷(年収 ÷ 12)× 100」は、年収400万円未満が30%、年収400万円以上が35%以下)

当初の土地購入資金5,000万円の時の総返済負担率:15.4万円 ÷ 70万円 × 100 = 22% < 35%

建物建設資金を加えた最終的な総返済負担率:21.5万円 ÷ 70万円 × 100 = 31% < 35%

この状態では、最終的な総返済負担率は31%となり35%を下回るため、他に問題がなければ審査は満額通ります

途中で車を購入した場合をシミュレーション

途中で車を購入した場合をシミュレーション

ここで、土地購入後に高級車を500万円で購入したとします。

オートローンの金利は全期間固定金利3%、返済期間は7年とします。

この場合、毎月返済額は6.6万円になります。

当初の土地購入資金の総返済負担率の計算では、上記のオートローンの毎月返済額は関係ありませんが、最終的な総返済負担率の計算で関係してきます

建物建設資金を加えた最終的な総返済負担率

(21.5+6.6)万円 ÷ 70万円 × 100 = 28.1万円 ÷ 70万円 × 100 = 40% > 35%

残念ながら、フラット35の基準である総返済負担率35%をオーバーしてしまいました

このまま何もしなければ、総返済負担率35%に合わせるために、毎月返済額の上限は24.5万円となるため、ここからオートローンの毎月返済額を引いて、17.9万円が住宅ローン返済額の上限、逆算すると5,846万円が融資限度額となります。

こうなると、建物建設資金が約1,000万円、不足する事態となります

車購入は最終的な審査が終了してから

これは、実際に多く起きている事例です。

注文住宅の場合、住宅完成まで待てず、つい誘惑に負けてしまうのですが、肝心の住宅ローンが減額承認になってしまっては本末転倒と言えます。

上記の事例を参考に、車を購入するのであれば現金か、住宅ローンの最終審査が終わってからをお勧めします。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)

《沼田 順》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

沼田 順

沼田 順

1975年、兵庫県生まれ。1994年、神戸商科大学(現・兵庫県立大学)に入学。学生時代の1997年に宅地建物取引主任者試験に合格。翌年の1998年、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)に入庫。2008年、独立後勉強していたCFP上級資格を取得し翌年の2009年にCFP認定者及び1級FP技能士となる。2014~2015年、大阪大学大学院経済学及び理学研究科 博士前期課程 単位取得。2015年、京都大学法科大学院 法務博士課程 単位取得。 ≪保有資格≫ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 宅地建物取引士 / 住宅ローンアドバイザー / ビジネス法務エキスパート® / 証券外務員2種 / 銀行業務検定各種 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集