資産運用にロボアドをすすめない4つの理由をFPが解説。

最近は便利になったもので、ロボットアドバイザー(ロボアドバイザー、ロボアド)なるものが投資信託を選び、運用してくれる、というサービスがはやっています。

そのためついつい、ロボットアドバイザー(ロボアドバイザー、ロボアド)の運用実績を比較してみたくなります。

しかし、運用実績を比較しても意味はありません。

結論を先に述べると、「投資一任報酬」がかかるのでどれを選んでも成績が悪くなるからです。

今回は、ロボットアドバイザー(ロボアドバイザー、ロボアド)の注意点について考察してみたいと思います。

THEO(テオ)、WealthNavi(ウェルスナビ)などのいわゆる「ロボアド」とは

最初に、「ロボットアドバイザー(ロボアドバイザー、ロボアド)」とは何なのかについて触れたいと思います。

SBI証券によると、

ロボアドバイザーとは、パソコンやスマホの画面上から、お客さまに最適なポートフォリオ(資産配分)を提案し、お客さまが預入れた資産を、お客さまに代わって管理・運用を行うサービスです。

となっています。

WealthNavi for SBI

≪画像元:SBI証券

このサービスを用いれば「投資信託とは何か?」などが理解できていなくても資産運用ができる、という便利なものです。

ただ、正直なところ筆者はロボットアドバイザー(以下ロボアド)をおすすめできません。

なぜでしょうか。

それは、ロボアドを利用すると、実質的な運用成績がロボアドを利用しない場合よりも下がってしまう、と考えられるからです。

別の言い方をすると、同一の運用商品を保有した場合、ロボアドを介在させない方が運用成績はマシになると考えられるということです。

ちなみにこれは、ロボアドが優れていないからではありません。

優れていてしっかりしているからこそ、下がってしまうのです。

優秀なロボアドに任せると、何が発生するのか

ロボアドやラップファンドなどの「個人投資家が預け入れた資産を代わりに管理・運用」をしてくれるサービスのどこが悪いのでしょうか。

サービス自体は悪くないのですが、1つだけ確実に悪いことがあります

それは、

「投資一任報酬」と呼ばれるものが別途かかる

ということです。

ロボアドやラップファンドなどの「お任せサービス」は当然ながらいわゆる利用料金が必要です。

それが「投資一任報酬」と呼ばれるものです。

この場合の報酬とは、私たちにとっては利用料金です。

一般的にロボアドやラップファンドを利用すると、

・ 利用料金が、預かり資産などに対して年1~3%程度かかる。

さらに、

・ 別途、投資信託の信託報酬と呼ばれるものが0.1~1.5%程度かかる。

のです。

ロボアドには1%程度のコストがかかってしまう

「お任せしても利用料金が年間で1~3%程度しかかからないなら、とっても安くてお得」

と思った人は要注意です。

なぜなら、長期分散投資の世界では、

「ハイリスク・ハイリターンの株式主体の投資信託であっても、長期的に見て無リスク資産の金利(長期金利)+5~6%程度しか平均的なリターンを期待することができない」

と考えられているからです。

税金を考えると、現実的には平均リターンが4%程度なら御の字ということになるでしょう。

そこに、ロボアドの「お任せサービス」を利用すると、ロボアドを利用しない場合よりも下がってしまうのです。

ロボアドにはコストがかかる

ロボアドの実績を比較しなくてよい理由

少々わかりづらいかと思いますので、一例を計算してみましょう。

a. ロボアドでの運用

≪前提条件≫
・ ロボアドの利用料金が合計で年1%かかった。
・ 長期で見て平均リターンが4%だった。

≪運用成果≫
・ 実質的には、4% – 1% = 3%

 

b. ラップファンドでの運用

≪前提条件≫
・ ラップファンドの利用料金合計が年3%かかった。
・ 長期で見て平均リターンが4%だった。

≪運用成果≫
・ 実質的には、4% – 3% = 1%

このようになります(税金などは無視しています)。

ほんの少しの利用料金であっても、長期では大変に効率の悪い資産運用です。

ちなみに「お任せサービス」を利用しないで、自分で行えば利用料金はかからず、運用成果は4%のままです。

結果として、ロボアドを利用しない方がよりよい成果になりました。

つまり、ロボアドの実績を比較してどこに任せようかと考えること自体がすでに運用成績を下げる一因となっているのです。

これこそがロボアドの実績を比較しなくてよい理由です。

自分でやれば利用料金はかからない0

「誰かに任せたらその分よいことが起こる」は投資の世界ではあり得ない

投資初心者の方は、ついつい

「誰かに運用や銘柄選定を任せれば、利用料金が高くてもそれを上回るよいことが起こるはず」

という錯覚をしてしまいがちです。

しかし、現代の金融市場ではそのようなことが起こらない、起こったとしても、それはアノマリー(説明のつかない事象:偶然によるたまたま)だろうと考えられます。

その理由は、現代では各種プログラムや分析の発達により、世界の金融市場はおおむね適正に保たれているからです。

このような世界では、特定の会社に運用を任せても、それは皆と同じことをしているにすぎない、ということです。

同じ投資信託を購入して保有すれば皆同じような成績になるのですから、「お任せサービス」を利用して利用料金を支払うと、利用していない人よりも少し悪い成績になるだけ、ということです。

資産運用にロボアドをおすすめしない4つの理由

ここまでを整理しますと、

1. ロボアドは、便利で賢い仕組み。

2.「お任せサービス」なので別途利用料金がかかる。

3. 現代では各種プログラムや分析の発達により、おおむね世界の金融市場は適正に保たれている。加えて、ロボアドなどのプロがすごいからこそ、他社・他者を出し抜くことができない。

4. 同一の金融商品を保有している場合、「お任せサービス」を利用すると、サービスを利用しない場合よりも運用成績が劣ってしまうと考えられる。

ということです。

皆様の合理的な資産運用の一助になれば幸いです。(執筆者:佐々木 裕平)

この記事を書いた人

佐々木 裕平 佐々木 裕平(ささきゆうへい)»筆者の記事一覧 (51) http://kinikuk.com/

金融教育研究所という事業所を運営しながら「普通の人のためのお金の増やし方」をお伝えしています。1級FP技能士としての正確な知識を背景に、楽しく分かりやすく、をモットーに活動しています。書籍「入門お金持ち生活のつくり方」(こう書房)ではAmazonkindleランキング全体1位を達成しています。
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