年頃になれば結婚し、子を産み育てるのが「普通」だったなんて今は昔。

今や未婚の人、子を持たない選択をする人もたくさんおり、生き方が多様化しています。

「結婚しないの?」、「子どもは?」などと尋ねるとセクハラにもなりかねない時代です。

事実、2016年の婚姻件数は過去最低を記録しており、さらに2015年時点の生涯未婚率(50歳になった時点で1度も結婚をしていない人の割合)は男性23.4%、女性14.1%と史上最高の水準となっています。

また、内閣府は今後も生涯未婚率は上昇すると予測しており、ますます「おひとりさま」が増えていくことが予想されます。

参考:内閣府 少子化対策の現状

多様化する保険の選び方

自分に必要な保険を考える

このような生き方の変化は、保険選びにも大きく影響します。

昔は「多くの人が入っている保険」、「入るべき保険」がありましたが、あらゆる人生の選択肢がある現在は、保険選びも一様ではなくなっています。

そのため、「なんとなく」、「勧められるがまま」ではなく自分が何のため、誰のために保険に加入するのかをしっかり考えることが大切です。

「独身だから保険は一切必要ない」と安易に結論付けてしまうのも早計かもしれません。

保険は、大きく以下の3つに分類できます。

独身者に「必要な保険」、「不要な保険」について考えてみましょう。

1. 遺された家族のために備える保険

自分が亡くなったときに経済的に困る家族がいるなら、死亡保険が有効です。

親や兄弟を養っているという方にとっては検討が必要かもしれませんが、妻や子のいないおひとりさまにとって、死亡保険はあまり重要ではないと言えます。

死亡保険に加入するなら、保険金額は自分の葬儀代程度で十分でしょう。

ある程度の貯蓄があれば、それも必要ないのかもしれません。

2. 病気・ケガの治療費や介護費用、収入減に備える保険

自分が病気やケガをしたとき、あるいは何らかの理由により働けなくなり収入が途絶えた(減った)ときに備えるのが、医療保険、がん保険、所得補償保険(就業不能保険)などです。

また、介護が必要となったときにその費用をまかなえる介護保険もあります。

いざというときに頼る人がいないおひとりさまにとって、貯蓄でまかないきれないおそれのある非常事態に備える、これらの保険の重要度は高いと言えるでしょう。

いずれの保険も病気になった後には加入できないおそれがあるため、早めの検討がおすすめです。

ただし、公的保障を踏まえた上で必要な保障・金額だけ加入すれば十分です。

医療費が高額になった場合は高額療養費制度によって自己負担上限額が設けられていますし、障害が残った場合は障害年金を受け取れる可能性があります。

公的保障で不足する部分をカバーするにはどんな保険が必要か、どれくらいの金額が必要かなどを考えて加入しましょう。

病気やけがにそなえる

老後に備える、貯蓄を目的とする保険

保険の中には、貯蓄の助けになる可能性のあるものがあります。

銀行に預けていてもほとんど利息のつかない超低金利時代の現在ですから、貯蓄を目的として以下のような保険を検討してみてはいかがでしょうか。

終身保険

先ほど死亡保険の必要性は低いと述べましたが、貯蓄を目的とするなら話は別です。

終身保険の中には、払い込んだ保険料総額よりも大きな金額の解約返戻金を受け取れるものがあります。

さらに支払った保険料額に応じて生命保険料控除を受けることもでき、節税対策としての側面も期待できるため、このような保険を老後の資金作りに活用するのも手です。

ただし、途中解約をしてしまうと解約返戻金が支払った保険料を下回ってしまうおそれがあります。

手持ちの資金のうち余裕のある範囲内で加入するのがよいでしょう。

個人年金保険

個人年金保険で老後の資金をまかなうのも良いかもしれません。

個人年金保険は大きく3種類あります。

・有期年金:生存している間一定期間年金を受け取れる(保険料最も安い)

・終身年金:生存している間年金を受け取れる

・確定年金:生死に関わらず一定期間年金を受け取れる(保険料最も高い)

これらのうち、老後の生活を共にする家族がいない独身者には有期年金か終身年金がおすすめです。

個人年金保険も生命保険料控除が受けられますし、貯蓄が苦手という人でもしっかりと老後資金を準備できるのでおすすめです。

おひとりさまにとって必要なのは「生きるための保険」!

生きるための保険

独身者にとって必要性が高い思われる保険や選び方のポイントについて見てきました。

おひとりさまは死後のことよりも生きていくために必要なお金に目を向け、必要な保障を見極めて保険を検討することが大切です。

保険とは、貯蓄や公的保障でカバーできない大きなリスクに備えるためのもの。

まずは生きるために必要なお金を貯蓄する、そして自分が受けられる公的保障について知った上で、あなたに合った保険を選んでください。(執筆者:近藤 あやこ)