【老後資金2000万円の解決策】大きな固定費(保険・ローン)を削る方法と、信頼できるFPをみつける2つの質問

金融庁の金融新議会のワーキンググループの報告書を巡って大騒ぎになり、老後に不安を感じている方がいらっしゃるかもしれません。

報告書のいう必要貯蓄額を把握して不足分を自助努力で補うべきだというのは正しいのですが、「老後資金が2,000万円不足する」の金額を見て心配する必要はありません。

自分が生涯受給できる年金がいくらあり、自分のイメージする老後生活費を確保するためには、あとどのくらい貯蓄をしていかなければならないのかを知ることが大切です。

報告書ではその方法こそを伝えるべきだったのだと思います。

残念ながら、「2,000万円が不足する」ということだけが一人歩きしてしまいましたが、モデル世帯で老後資金の不足を求めるのは、金融商品を販売する時のアプローチと同じですので心配です。

「今のままだと老後資金が2,000万円不足しているので、この外貨建て保険で作っていきましょう」

などと金融商品を進められるケースは多いのです。

「2,000万円も足りない! どうしよう!」などと思い、慌てて金融機関の窓口や保険ショップなどに駆け込まないでください

また、報告書にはアドバイザーについても言及していましたので、こちらについても最後に意見を述べたいと思います。

老後不安解消の具体策

老後不安を解消するには

先日、友人(53歳・会社員)から

「長生きしてもお金に困らないためには何をすればいい?」

という相談を受けました。

リタイアメント後の生活について、人ごとではなく、いよいよ切実になってくる頃です。

50歳を目安にまずしたいことは、

今までに積み上げてきた「現在資産額」と住宅ローンなどの「負債額」の確認

です。

「現在資産額」から「負債額」を差し引いた金額が、あなたの家計の純資産ということです。

これから、リタイアメントまでに負債はできる限り減らし、「純資産」を増やしていくことが必要です。

シンプルなことです。

そのためには、無駄な支出を削除する必要があります。

「日々節約」もいいですが、費やす労力ほどに効果は期待できません。

ストレスもかかります。

効果が大きいのは、大きな固定費を削ることです。

固定費削減Step 1. 生命保険の見直し

特に削減効果を期待できるのは、生命保険の見直しでしょう。

子供の独立が見えてくれば、多額の死亡保障は必要ありません。

万が一の時に経済的に困る遺族がいる場合は別ですが、多くの人は「保険からの卒業」を考えるべきです。

友人にもそう伝えると、「まもなく更新時期で保険料が上がるようなの」ということで、早速、保険証券を見せてもらいました。

生命保険を見直す

生命保険見直し(1) アカウント型保険の解約

すると、それは、一時期かなり売れていたいわゆる「アカウント型保険」でした。

保険会社によってさまざま特徴がありますが、友人のものは、元は定期の死亡保険ですが、10年ごとに「終身保険準備金」として生存給付金がアカウント(口座)に積み立てられるというものです。

そして、保険料払込終了年齢に達すると、それまで積み立てたお金を元手に(別途保険料を追加で支払い保険金額を増額もできる)、終身保険に移行できます。

保険料を一括払い込みにして終身保険を買うということです。

アカウント型保険は2000年くらいから売られ始めたのですが、私が2009年12月にFPとして独立してから数年間は随分相談を受けました。

ちょうど10年経過して更新時期に当たっていたのです。

あまりに保険料が高くなるもので、解約も多かったと思います。

しかし、友人は解約せずに保険料を毎月4万円ほどを払い続け、2度目の更新時期を迎えていたのでした。

収入が高いので、子供の教育費や家のローンを払いながらもなんとかやってきたわけですが、次回の更新時の保険料が、なんと月5万4000円ほどアップして、9万円5000円になるというのです。

友人は、「老後資金の追い込み時期にさすがにきつい」と、やめることにしました。

子供さんも来年には社会人ですし、「保険からの卒業」が正解です。

生命保険見直し(2) 終身保険の特約を解約

ついでに、もう1本契約中の終身の死亡保険は、医療特約を全部解約して、終身部分だけを残すことにしました。

積立利率の高い、いわゆるお宝保険だったからです。

健康保険、国民年金、厚生年金保険等の公的保障は、通常の人がもつイメージよりもかなり充実しています。

社会保障制度の内容を理解し、無駄な保険料を削減し、その分、貯蓄に回す方が賢明です。

もしもの時を心配しすぎるよりも、何にでも自由に使える貯蓄を増やしていくことの方が大切だからです。

保険料を払い続けている人の見直し方法

現在、保険料を支払い続けている人は、

・ 払い済み保険にする

→ 保険料の払い込みを中止して、その時点での解約返戻金をもとに保険期間をそのままにした保障額の少ない同じ種類の保険に変更する方法。付加している各種特約は消滅する。

・ 解約する

など適切な方法をとりましょう。

分からなければ、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)に相談するのも1つの方法ですが、注意点があります。

FPの中には、中立を装いながら、最終的には保険や投信を売ることを目的にしている人も大勢いるからです。

代わりの商品を勧められないように気をつけてください。

固定費削減Step2. 住宅ローンの借り換え

住宅ローンを借り換える

次に、友人は、残りの住宅ローン残債をリタイアまでに返し終えるために、固定7年タイプに借り換えをすることにしました。

返済額は上がりましたが、老後生活費から住宅ローン返済をする必要がなくなります。

将来の購買力を減らさないために運用をスタート

結局、保険を解約して、支払う必要のなくなった保険料と合わせて、毎月貯蓄できる金額は月に8万円ほどになりました。

今後、インフレになったときにモノを買う力(購買力)を減らさないために一部を運用に回すことは大切です。

iDeCoやつみたてNISAなど税制優遇のある口座を使うといいでしょう。

友人は、これまで投資経験がないので、つみたてNISAで少額から運用をスタートすることにしました。

低コストのインデックス投信で海外株に幅広く分散投資をします。

アドバイザーについて

さて、冒頭でも触れましたが、報告書にはアドバイサーに相談することの必要性が書かれていました。

しかし、誰が顧客の利益のみを考えて相談に乗ってくるのか、中立的な良いアドバイザーを見つけるのが難しいのが実情です。

アドバイザーのタイプと選び方

ファイナンシャル・プランナー(FP)に限って言うと、

(1) 銀行、証券会社、保険会社など金融機関に属しているFP

(2) 金融機関からは独立しているけれど、投資商品の仲介を行い、コミッションを得ているIFA(Independent Financial Advisor 金融商品仲介業)、保険の代理店を兼業しているFP

(3) 金融機関から独立していて、顧客からフィーを得てアドバイスや投資助言するFP

(4) 金融機関から独立していて、顧客のライフプランを作ったり、ポートフォリの考え方を話したりして、時間でアドバイスフィーを得ていている、金融商品の販売や投資助言は行わないFP(私もこの1人です)

この4つに大別できると思います。

アドバイザーを選ぶ時には、

1. FD宣言をしているか

2. 収入源の構成比率

この2つをまず聞いてみるとよいでしょう。

※「顧客本位の業務運営方針(FD宣言=フィデューシャリデューティ宣言)」

お金の問題「遅すぎる」ということはない

お金の問題は、一朝一夕で解決できないため、これらをなるべく早く始めることが大切です。

でも、何歳でも遅すぎるということはありませんので、思い立ったら吉日、すぐに実行に移しましょう。

人生長く生きていればいろいろあります。

人生の問題において、お金のことは大きな比重を占めると思います。

もちろん、お金のこと以外にも憂鬱のタネはありますが、せめて解決策のあるお金の問題は、人生の困りごとリストから取り除いておきたいものです。(執筆者:岩城 みずほ)

この記事を書いた人

岩城 みずほ 岩城 みずほ»筆者の記事一覧 (5) http://www.officebenefit.com/

金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に中立的な立場でのコンサルティング他、講演、執筆を行っている。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経てフリーアナウンサーとして活動後、セミナー会社等を経てFPとして独立。東洋経済オンライン、毎日新聞経済プレミア、マネー現代(講談社)、日本経済新聞社「家計のギモン」などで連載中。貯めると増やすの車座の会「C(貯蓄)リーグ」、「サムライズ勉強会」主宰。
<保有資格>: ファイナンシャルプランナー CFP® 認定者
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