障害者手帳があると受けられる意外な「手当・助成金・割引・税制優遇」を紹介

市区町村の窓口などで申請して、一定の障害状態にあると認定された場合には、「障害者手帳」が交付されます。

この障害者手帳が交付される一定の障害状態とは、障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金など)を受給できる一定の障害状態とは違いがあるため、これを受給できない方に対しても、障害者手帳が交付される場合があります

また障害者手帳は、身体障害では「身体障害者手帳」、知的障害では「療育手帳」、精神障害では「精神障害者保健福祉手帳」というように、3つに分かれております。

この中の身体障害者手帳が交付されるのは、

上肢、下肢、体幹、目、耳、言語、心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう、直腸、小腸、免疫、肝臓など

に障害がある場合です。

これらに該当するのは、かなり難しそうな感じがしますが、日本人の死因のトップである「がん」によって、日常生活や社会生活に支障がある時にも、身体障害者手帳が交付される場合があります

また近年は患者数が増えている、「うつ病」と診断されると、精神障害者保健福祉手帳が交付される場合があるため、申請すれば障害者手帳の交付を受けられる方は、意外に多いと考えられます。

精神障害者保健福祉手帳

障害者手帳があると各種の手当、助成金、割引、税制優遇などを受けられますが、主に次のようなものがあります

身体障害者手帳を持っていると、障害者扶養共済制度に加入できる

障害者手帳を持っている方が市区町村の窓口などで申請すると、障害の程度、年齢、本人や扶養者の所得などの一定の要件がありますが、国から次のような手当が支給されます

・ 特別児童扶養手当(精神または身体に障害を有する20歳未満の児童を、家庭で監護、養育している父母などが対象)

・ 障害児福祉手当(精神または身体に重度の障害を有するため、常時の介護を必要とする在宅の20歳未満の方が対象)

・ 特別障害者手当(精神または身体に著しく重度の障害を有するため、常時特別の介護を必要とする在宅の20歳以上の方が対象)

またそれぞれの自治体がこれらに加えて、独自の手当を支給している場合があります

その他に障害のある方を扶養している保護者が、毎月一定額の掛金を拠出すると、保護者に万一(死亡、重度障害)のことがあった時に、障害のある方に対して、一定額の年金が生涯に渡って支給される、「障害者扶養共済制度」があります。

これは上記の手当と違って、掛金の拠出が必要になりますが、継続的に現金給付が支給されるという点は、上記の手当と似ていると思います

また身体障害がある方のために、障害者扶養共済制度に加入する場合には、身体障害者手帳を持っていることが要件になるため、障害者手帳の意外なメリットだと考えられます。

医療や住宅に加えて、自動車の取得や維持に関連した助成がある

障害者手帳を持っていると、障害の程度や所得などの一定の要件がありますが、「障害者医療費助成制度」による医療費の助成を受けられます

また公営住宅への入居が有利になったり、重度障害者に対して住宅改造費の助成があったりします

改造といえば障害のある方が、自動車を運転しやすいようにするため、ハンドル、ブレーキ、アクセル、移乗装置、車椅子収納装置などを改造する場合(これらの改造が済んだ自動車を購入する場合も含む)には、その費用が助成される場合があります

またガソリン代や運転免許の取得費用などが、助成される場合があるため、自動車に関連した助成は意外に多いのです

公共・民間施設の入場料は、付添人の分も割引になる場合がある

付添人の分も割引になる場合がある

障害者手帳を持っていると、障害の程度などによって違いがありますが、JR旅客運賃、バス運賃、航空運賃、タクシー料金などが割引になります。

またNHK受信料の全額または半額が免除になったり、携帯電話の料金が割引になったりします。

その他に公共・民間の美術館、博物館、動物園、テーマパークなどの入場料や、これらの施設の駐車料金などが、割引になる場合があります

障害者手帳の保有者だけでなく、付添人の入場料も割引になる場合があるため、割引になる金額や割合だけでなく、割引になる対象者も確認しておきたいところです。

意外な優遇

有料道路の通行料金や、カーフェリーの運賃などが割引になる場合があるため、遠出をする前にはこれらを利用できるのかを、調べておいた方が良いと思います。

障害者手帳を持っていると、利息が非課税になるという税制優遇がある

納税者本人に障害がある場合や、同一生計配偶者または扶養親族に障害がある場合には、年末調整や確定申告の際にその旨を申告すれば、所得金額から27万円(特別障害者は40万円)が控除されます

また同一生計配偶者または扶養親族が特別障害者で、常に同居している場合には、その旨を申告すれば所得金額から75万円が控除されます

これによって課税所得が低くなるため、控除前より所得税が安くなるのですが、控除を受けるには原則として、障害者手帳が必要になります。

その他に障害者本人が使用する自動車、障害者と生計を一にする家族が使用する自動車、障害者を常時介護する方が使用する自動車は、自動車取得税、自動車税、軽自動車税が減免になる場合があります。

意外な優遇

身体障害者手帳などを持っている方、遺族基礎年金や寡婦年金などを受給している妻、児童扶養手当を受給している児童の母が、金融機関を通じて手続きをすると、例えば預貯金の利息には、所得税:15%、住民税:5%が課税されますが、これが非課税になります

この非課税貯蓄制度には、預貯金、貸付信託、公社債、公社債投資信託などの、元本350万円までの利息(分配金)が非課税になる、「マル優(少額貯蓄非課税制度)」があります。

また利付国債や公募地方債などの、元本350万円までの利息が非課税になる、「特別マル優(少額公債非課税制度)」があります。

もし複数の金融機関に口座を保有している場合には、それらの合計で元本350万円までの利息が非課税となり、またマル優と特別マル優の二つを利用している場合には、両者の合計で元本700万円までの利息が非課税です。

金融商品から発生した利益が非課税になる制度というと、iDeCoやNISAを思い浮かべるかもしれませんが、上記の要件を満たせる方は、こちらの利用も検討してみましょう。(執筆者:木村 公司)

この記事を書いた人

木村 公司 木村 公司(きむら こうじ)»筆者の記事一覧 (199)

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。
【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種
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