キャッシュレス決済時に領収書発行したら、印紙税は払う? 払わない?

消費増税の影響を緩和するため、キャッシュレス決済のポイント還元制度が導入予定です。

さらに購買データ取得を目的に各社の営業戦略が展開されるなど、何かと話題となっているキャッシュレス決済。

先日も「7pay」(セブンペイ)での不正利用が大きく報じられて逮捕者が出ている状況です。

今回は、そのキャッシュレス決済時の領収書の印紙税の取扱いについて現在わかっている範囲でお話したいと思います。

そもそも印紙税とは?

領収書と収入印紙

印紙税といわれるとわかりにくいかもしれませんが、一定額以上の領収書等に貼ってある収入印紙といわれればピンとくるのではないでしょうか。
 
印紙税をとは何かを説明すると、

「その取引の背景には利益が生じている」という事実に対して、「取引の事実と法的な関係性を明確、且つ安定化させる」というものがあり、さらにその取引を行う人には担税力がある(つまり、このくらいの税金なら支払えるだろう)

ということで課税されているものです。

印紙税法で課税文書が定められている

印紙税が課税されるのは、印紙税法で定められた課税文書に限られています。

次の3つのすべてに当てはまる文書が課税文書になります。

(1) 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書(注)により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること

(2) 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること

(3) 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと

参考:国税庁HP内:印紙税額の一覧表pdf(第1号文書から第20号文書まで)
  
なお、営業に関しない金銭または有価証券の受取書は、非課税です。

キャッシュレス決済における印紙税の取扱い

キャッシュレス決済と一口にいっても、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、QRコード決済など様々あります。

印紙税の取扱いもそれぞれで違っています。

キャッシュレス決済

クレジットカードの場合

クレジットカード決済による領収書については印紙税がかかりません

つまり、記載金額が5万円以上の領収書であっても印紙を貼らなくていいということです。

何故なら、クレジットカード決済においては、あくまでも代金が支払われるのは後日であり、決済時点では顧客から金銭を受領していないからです

そのため発行される領収書も金銭の受領を証するものにはあたらないからです。

ただし、注意点があります。

それは、但し書きで「クレジットカード利用」という記載をしなくてはいけないということです。

記載がないと「受取書」となり、記載金額5万円以上は印紙税の対象となりますのでご注意ください。

デビットカードの場合

デビットカード決済による領収書は、「受取書」となり、5万円以上の記載金額の場合には印紙税がかかります

デビットカード決済においては、その場で顧客の預金口座からお金が引き出されることになるという「即時決済性」に着目します。

そして、その時点で金銭の受領があったものと考え(実際には違うのですが)、その事実を証する書類である「受取書」として取り扱うことになっています。

ただし、「口座引落確認書」を作成し交付した場合は、加盟店が顧客のキャッシュカード発行銀行から支払代金の口座引落しの通知を受け、当該銀行に代わって口座からの引落し事実を顧客に通知するものと認められますから、金銭の受取書には該当しません

また、その他の課税文書にも該当しませんので、課税されません。

プリペイドカードの場合

プリペイドカード決済による領収書は、デビットカード同様その「即時決済性」に着目して「受取書」となり、5万円以上の記載金額の場合には印紙税がかかります

QRコード決済の場合

QRコード決済やバーコード決済の場合には原則、領収書は発行されないようです。

このため、印紙税も関係ないことになります。

ただし、店舗によっては領収書発行等に対応している可能性もありますので、それは個別に確認して頂く必要があります。

気になるのはその際の印紙税の件です。

QRコード決済等の場合、以下の2つの方式があります。

・ あらかじめ登録した銀行口座やクレジットカードから引き出される方式

・ 先にチャージした範囲で利用するプリペイド方式

つまりは、これまでお話してきた上記の考え方によれば、どちらの方式でのQRコード決済なのかで、印紙税についての判断が分かれるということになります。

現時点において、実務上どうすればいいのかは明確にされていないようです。

このように、キャッシュレス決済時の領収書の印紙税についてはケース別に取扱いが異なりますので、領収書発行時は注意するようにしましょう。(執筆者:小木曽 浩司)

この記事を書いた人

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リップ ラボ 代表
1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。
<保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー
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