私の知る限り、芸能人が銀行を利用するのは給料振込くらいで一般人より利用頻度も少なく、銀行にある金融商品や資産運用(投信、保険商品など)を利用する芸能人はあまりいないようです。

他行の取引はもちろんわかりませんので断定はできませんが、ハイリターンを求めるなら証券会社などと取引するでしょうから、やはり銀行には安定を求めていると思います。

芸能人の不動産投資は銀行との関係が深く「ローンを借りて不動産投資をする」をします。

自己資金でアパートや貸ビル経営をする人もいますが、この場合銀行とは関係が発生しません。

芸能人が銀行でローンを借りて不動産投資をした例をいくつか紹介しながらお話しを進めます。

全4回
(第1回)口座は1つ、金額ハンパない
(第2回)住宅ローンを組みにくい3つの理由
(第3回)不動産投資は「知識勝負」だと実感
(第4回)仕送りをする子と、親の思い

芸能人の不動産投資

銀行員として私が見てきた芸能人の不動産投資は2つに分かれます。

それは「わかっていない人」と「わかっている人」です。

わかっていない人」… 基本的にひとまかせで投資するので、リスクや物件のことを自分で考えているのか心配になってしまうような人のことです。

わかっている人」… 一貫して自分で考え行動しているのがわかるので、芸能人として成功しているのも納得できるような人のことです。

ココだけの話3:「わかっていない人」

だいぶ昔の話ですが、ある物件について、銀行にマネージャーさんが相談に来ました。

銀行員は話を聞いて「わかってないな、危なっかしいな」と感じたそうです。

・ 物件は山で、価値はほぼゼロ
・ 本人は現地を一度も見ていない 
・ ひとまかせで主体性がない

全部ひとに任せる

結末

購入する物件は地方の観光地、しかしハッキリ言って「山」の一言でした。

最寄りの駅から自動車で30分以上かかるような場所でした。

本人はそこに自分のデビュー時から今に至る歴史を飾った資料館のようなペンションや、アウトドア施設など一大レジャーランドを作りたかったそうです。

物件の銀行評価はゼロでしたが、収入や資産を考慮し審査は通り、融資を受け土地を購入しました。

しかしその後、現場が山なので造成だけでも億単位のお金が必要なことがわかり、工事はストップして土地はそのままとなり、最終的に融資は自己資金で完済したそうです。

せめて自分自身が現地を見ていれば、もう少し違った判断ができたかもしれません。

この人は資産をもっていたので、自己資金で完済できたことがせめてもの幸いです。

ココだけの話4:「わかっている人」

購入物件は首都圏内の賃貸ビルでした。

最初は銀行にマネージャーさんが相談に来ましたが、ご本人も話をしたいと来店を希望されました。

しかし、来店が世間にわかってしまったときのことを考慮して、こちらから事務所に伺いました。

自分の資産管理会社(奥さんが社長、本人は役員)がローンで購入し、家賃から返済金や金利などの経費を差し引いた残りを役員報酬として夫婦が受取る形式です。

後輩から相談され一緒に考えましたが、次のように「わかっているな、しっかりしてるな」と感じました。

・ 自分で物件をいくつも、何年もかけて探してきた

・ 家賃収入の見通しや返済について、自分の将来のことまでしっかり考えている

・ 個人ではなく会社名義でローンを組んでいる

物件は何年もかけて、本人が自分で見つけて来たそうです。

物件を見つけたあとは、想定される家賃や返済したあとの手取り金額まで計算し、何年でローンを組むべきかまでしっかり自分で計算していました。

理数系でもともと計算が好きだったそうですが、本人が試算した資料は銀行員の私もうなるくらいリスクを考慮した手堅い試算でした。

また審査のために個人の資産を教えてもらいましたが、ローンを組む必要のないくらい預金をお持ちでしたが、

「本業の収入が途絶えた場合に備えておきたい、預金は十分だと思っていない」

と答えていました。

その結果、ローンを組んで不動産投資をすることにしたそうです。

自分でしっかり計画を立てる

会社名義にしたことも納得

ビル経営がうまくいかない場合も会社名義なので、売却しても本人の名前がでることは想定されません

また万一返済できずに破綻した場合も、基本的には同じです。

このように、自発的でしっかりとした考えや資産背景から審査は通り、ビルを購入しました。

結末

ビル経営は軌道に乗っているそうで、返済用の口座残高も順調に増えているようです。

最近では銀行のほうから次の投資用不動産を提案すべく「選りすぐった物件」を紹介しているそうですが、2棟目の計画は実現していないそうです。

銀行が紹介する物件はいろいろな意味でうまみのあるものが多いので、近い将来次の不動産投資が実現するかもしれません。(執筆者:加藤 隆二)