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【1号被保険者】産前産後の国民年金保険料「免除」 2019年2月1日以降の出産日の方が対象です

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【1号被保険者】産前産後の国民年金保険料「免除」 2019年2月1日以降の出産日の方が対象です

次世代育成の観点から、国民年金第1号被保険者の出産について、産前産後4か月分の保険料が免除される制度が2019年4月から始まりました。

国民年金とは、日本国内に住んでいる20歳から60歳までの方が全員加入する年金です。

第1号被保険者は、自営業・農業や漁業に従事している方・フリーランス・学生や第1号被保険者に扶養されている配偶者などです。

「産前産後期間の免除制度」の対象者は年間20万人程度と見込まれています。

免除期間は保険料を納めたものとして扱われ、財源として2019年度以降の保険料が月額100円引き上げられます

産前産後の国民年金保険料「免除」

1. 対象となる方

「国民年金第1号被保険者」で出産日が2019年2月1日以降の方です。

世帯の所得に係わらず免除の対象です。

2. 国民年金保険料が免除される期間

出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間の国民年金保険料が免除されます。

また、多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除されます。

なお、ここでいう出産とは、妊娠85日(4か月)以上の出産で、死産、流産、早産された方を含みます。

ただし、国民年金に任意加入している方は、産前産後期間に係る保険料免除は適用されません

産前産後の国民年金保険料の免除

3. 届出方法

出産予定日の6か月前から届出が可能です。

「国民年金被保険者関係届書(申出書)」に必要事項を記入し、住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口へ提出します。

国民年金被保険者関係届書

≪画像元:日本年金機構「国民年金被保険者関係届書(pdf)」≫

4. 届出の際に必要なもの

出産前に届出手続きをする場合には、出産予定日を確認できるもの、母子健康手帳などが必要です。

また、出産後に届出手続きをする場合には、市区町村で出産日等が確認できれば不要です。

ただし、被保険者とお子さんが別世帯の場合は、出生証明書など出産日および親子関係を明らかにする書類が必要です。

5. 免除期間の取り扱い

産前産後期間として認められた期間は、保険料を納めた(保険料納付済期間)ものとして扱われます。

老齢基礎年金や障害基礎年金の他、被保険者が年金を受けないまま亡くなった場合遺族に支給される死亡一時金や、短期在留外国人の脱退一時金についても、保険料納付済期間として扱われます。

産前産後期間として 認められた期間は、 保険料を納めた (保険料納付済期間)もの として扱われます

6. 付加保険料について

付加保険料とは、国民年金保険料に月額400円の保険料を任意で上乗せして納付することで、将来受給する年金額を増やせる仕組みです。

産前産後期間について国民年金保険料は免除されますが、付加保険料の納付はできます。

7. 前納していた保険料について

国民年金保険料は、6か月・1年・2年の単位でまとめて前払い(前納)すると割引が適用されます。

保険料を前納されている場合、産前産後期間の保険料は還付されます。

8. 法定免除、申請免除、納付猶予、学生納付特例の承認をうけている方の場合

産前産後免除期間制度以外の免除制度には、障害者基礎年金などの受給や一定の生活保護を受けている方が対象となる法定免除制度や本人や配偶者の所得が一定額以下で失業したなど経済的な理由で保険料を納付することが困難な方が対象となる申請免除制度があります。

また、猶予制度には、本人の前年所得が一定額以下の20歳以上の学生が対象となる学生納付猶予制度、50歳未満の第1号被保険者で本人および配偶者の所得が一定額以下の方が申請できる保険料納付猶予制度があります。

産前産後免除はこれらの制度よりも優先されますので、免除を受けるためには届出を行う必要があります。

保険料を負担しないという点では同じなので、届出をしないという方もいるかもしれませんが、下記表をご覧ください。

老齢基礎年金の受給どうなる

産前産後期間免除は、他の免除や猶予制度に比べて、老齢基礎年金の受給金額によい影響を及ぼします。

ここで、少し老齢基礎年金について触れておきましょう。

老齢基礎年金は受給資格期間が10年以上である場合、65歳になったときに支給されます。

老齢基礎年金の受給資格期間

(1) 保険料納付済期間

第1号被保険者として保険料を納めた期間と、第2号被保険者期間(会社員として厚生年金に加入していた期間)、第3号被保険者期間(第2号被保険者に扶養されている配偶者)、そして今回ご紹介している産前産後免除期間を合計した期間です。

(2) 保険料免除期間

第1号被保険者として、法定免除、申請免除、学生納付特例、納付猶予で保険料を免除・猶予された期間です。

(3) 合算対象期間(カラ期間)

年金の受給額の計算には反映されないが、受給資格期間に算入できる期間です。

かつて、国民年金への加入が任意であったときに加入していなかった期間のことです。

老齢基礎年金の計算式

以下のことに留意されてください。

・ 法定免除、申請免除、納付猶予、学生納付特例の承認期間の間に、産前産後期間の保険料免除に該当した場合は、産前産後免除期間終了後、あらためて届出をする必要はありません。

・ 産前産後免除期間が申請免除、納付猶予の終期と重なる場合や終期をまたぐ場合においても、翌周期の継続免除、継続納付猶予対象者として取り扱われます。

・ 産前産後免除期間が学生納付特例の終期と重なる場合や終期をまたぐ場合においても翌周期の対象者として取り扱われます。

産前産後免除期間

国民健康保険の産前産後免除も期待

厚生年金保険や健康保険では、平成26年からすでに産前産後休業期間中の保険料免除が始まっています。

一方、働き方や生き方が今後ますます多様化する中、会社員ではなくフリーランスとして働く女性や未婚でも出産するという女性も増えてきています

国民年金保険料の免除だけではなく、国民健康保険の免除の仕組みもあればよいのにと思うのは私だけでしょうか。

また、役に立つ国の制度などを多くの人が認知して上手に利用することによって、ひとりひとりの生活の質が上がり、国全体によい影響をあたえていくことを期待します。(執筆者:京極 佐和野)

《京極 佐和野》
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執筆者:CFP、1級FP技能士 京極 佐和野 京極 佐和野

FPオフィス ミラボ 代表 大阪生まれの大阪育ち、福岡在住です。老後が考えられなかった40代から一変、50代に入ったとたん、あと何年元気でいられるだろうかと考え始め、いつまでという人生のタイムリミットを感じるようになりました。竹内まりやさんの「人生の扉」歌詞のそのものです。後回しにしてきた自宅購入、FPオフィスを起業しました。『お金の知恵』を得ることで50歳からでも始めることもやり直すこともできるということを皆さんにお伝えしたいと思っております。巷の情報に流されず、貴方らしいセカンドライフを実現して下さい。 <保有資格>:CFP/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/証券外務員2種/キャリアカウンセラー(CDA) 寄稿者にメッセージを送る

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