パートで働いている場合でも、労働条件によっては雇用保険に入らなければなりません。
雇用保険に加入するとなると、当然ですが雇用保険料を支払う必要があります。
しかし、パートで働いている人が雇用保険に加入することで多大なメリットがあることも事実です。
今回は、パートが雇用保険に加入するメリットについて詳しく解説していきます。

目次
雇用保険の加入に必要な条件は3つ
雇用保険は強制適用保険制度のため、条件を満たしていればパートで働いている人も必ず加入しなければなりません。
そして、以下の3つの条件を満たしていることが雇用保険の加入条件です。
(1) 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
パートの場合は、労働時間がその時によって異なってくるケースもあるでしょう。
そのような場合には、3か月間の勤務実態にあわせた目安で労働契約を変更していきます。
この労働時間には、突発的な残業や休日出勤などは含みません。
(2) 31日以上の雇用見込みがあること
1か月未満の短期契約の場合には、雇用保険に加入する必要がありません。
(3) 学生ではないこと
ただし、卒業見込みがあることや、定時制に通っていることや、休学している場合は加入対象です。
パートが雇用保険に加入するメリット
パートで働いている人が雇用保険に加入することで保険料を支払う必要がありますが、その分のメリットも多くあります。
ここでは、パートが雇用保険に加入するメリットについて詳しく解説していきます。

メリット1:「失業保険」を受給できる可能性がある
雇用保険に加入する1番のメリットとして、失業保険を受給できる可能性があることです。
以下をすべて満たした場合には、失業保険を受給できます。
・ 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
・「就職促進給付」を受給できる可能性があること
雇用保険加入者は、
「就業促進定着手当」
「就業手当」
などの雇用保険の「就職促進給付」を受給できる可能性があります。
「再就職手当」とは
基本手当の受給資格がある人が安定した職業に就いた場合に支給されます。
「就業促進定着手当」とは
「再就職手当」の支給を受けた人が引き続きその再就職先に6か月以上雇用された場合、かつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が雇用保険の給付を受ける離職前の賃金日額に比べて低下している場合に支給されます。
「就業手当」とは
基本手当の受給資格が有り、支給残日数が所定給付日数の1/3以上かつ45日以上残っている人が、「再就職手当」の支給対象とならない常用雇用など以外の形態で就業した場合に支給されます。
メリット2:「教育訓練給付金」や「雇用継続給付」を受給できる可能性がある
前述の「失業保険」以外にも「教育訓練給付金」や「雇用継続給付」を受給できる可能性があります。
「教育訓練給付金」とは
教育訓練受講に支払った費用の一部を支給してもらえる給付金です。
「雇用継続給付」とは
職業生活の円滑な継続を援助、促進することを目的とした給付です。
「雇用継続給付」には、「高年齢雇用継続給付」や「育児休業給付」や「介護休業給付」があります。
保険料を支払って余りあるメリット
雇用保険に加入すると保険料を支払わなければなりませんが、メリットが大いにあることをお分かり頂けたと思います。
ぜひとも参考にしてください。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)