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【NISA恒久化見送り】継続か「つみたてNISA」へ切り替えるかを、メリットデメリットから考える

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【NISA恒久化見送り】継続か「つみたてNISA」へ切り替えるかを、メリットデメリットから考える

2014年にスタートした個人投資家のための税制優遇制度である「少額非課税投資制度(NISA)」について、政府は恒久化を見送る方針を固めた事が発表されました。

現在NISA口座を利用している人やこれから始めようと思っていた人には大きな影響を与えたニュースかもしれません。

これを機につみたてNISA口座へ切り替える事を検討している方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はNISAからつみたてNISAに切り替える時のメリット、デメリットについて解説します。

恒久化見送りとはいえ、時限措置で存続させる方向

今回政府は「NISAの恒久化を見送る方針を固めた」事を発表しましたが、廃止すれば株式市場に打撃を与える可能性もあるため、

制度設計を見直した上で時限措置で存続させる方法を模索する

としています。

そのため現在予定されている期限である2023年末よりは長くなる可能性も十分にあります

しかし一方で、このタイミングでより長期的な資産運用に向いている「つみたてNISA」への切り替えを検討する事も1つの手かもしれません

NISA口座では、ロールオーバーをしない場合は5年以内に利益確定しないと非課税優遇の恩恵を受けられません

そのため老後資金の準備などの長期的な視点で資産運用をしたい方たちには使いづらい面もあると言えます。

つみたてNISAの制度ができる前からNISAを利用していて、何となく切り替えるタイミングがないので使い続けていたという人にとっては良い機会になる可能性もあります。

NISAを使い続けるメリット・デメリット

NISAの案内資料

メリット

それでもNISA口座を投資可能期間ギリギリまで使い続けるメリットは十分にあります。

まず1つに、株式取引やアクティブファンドの投資信託などで短期的に売買する前提の場合は、やはり投資可能額の大きいNISA口座の方が税制優遇を享受できます

また、2018年までにNISA口座で買い付けた商品がまだ残っていて、ロールオーバーをしたい場合もつみたてNISAへの切り替えは向かないと考えられます。

NISAのロールオーバーで使える枠はNISA口座での投資に限られるため、ロールオーバー対象年にNISA口座を利用している必要があるのです。

一度つみたてNISAに切り替えた上で、過去のNISA口座内の保有商品をロールオーバーしたい年にだけNISA口座に戻す事も可能ですが、手続きを忘れるリスクも高いためお勧めできません。

デメリット

一方で短期売買目的ではなく、5年以内での売却に不安がある場合はNISAを使い続けるのは得策ではありません。

もしNISA制度の期間延長がなければ、既に2019年に投資した分や今後の投資分はロールオーバーできないことになり、必ず5年以内に売却しないと非課税優遇を受けられないことになります。

保有商品の売却が間に合わず特定口座へ移管された場合、その時点での含み損があれば余分に課税されてしまうというデメリットもあるため、保有商品の特性を鑑みてNISAでの買付を続けるかどうか判断する必要があります。

NISAからつみたてNISAへ切り替えるメリット・デメリット

切り替えると言ってもNISAやつみたてNISAは年区切りで独立した扱いになるため、これまでNISA口座で保有していた商品をつみたてNISAへ移すことはできません

その年のNISA口座は利用せず、新たにつみたてNISAを開始する

という扱いになります。

なお、前述のロールオーバーをしたいケース以外では、NISAをやめて翌年からつみたてNISAに切り替えたとしても、NISA口座内で買い付けた商品の非課税期間は残りますので問題ありません。

メリット

つみたてNISAは非課税期間が20年で、期限も2037年末までとされているので特に若年層の長期的な資産形成に向いています

現在のところ9月以降の日経平均は堅調ですが、オリンピック終了後にリセッション(景気後退)が起こるという意見もあります

そのため来年以降の買い付けに関して短期で利益確定させられる見込みがないと判断するならば、つみたてNISAに切り替えて少額長期投資で資産運用する方法をとる戦略も考えられます

デメリット

投資可能額が大幅に減るというデメリットはありますが、むやみにNISAを使い続けて「売り時」を逃してしまうよりは結果的に良いかもしれません。

NISAからつみたてNISAに切り替えるには?

NISAについての資料と預金通帳

具体的にNISA口座の新規取引を停止してつみたてNISAに切り替えるには、その年にNISA口座での取引がない事が前提になります。

すでにNISA口座内で取引をしていた場合には、翌年まで待つことになるので注意が必要です。

同じ金融機関内で変更する場合

その年のNISA口座の利用がなく同じ金融機関内の変更であれば、「つみたてNISAへの変更届出書」の提出のみで切り替えが完了します。

金融機関の変更をする場合

金融機関の変更をする場合には、現在NISA口座を利用している金融機関に口座廃止の旨を伝え、「勘定廃止証明書」を発行してもらいます。

その上で新規につみたてNISA口座を開設したい金融機関に「勘定廃止証明書」と「つみたてNISA口座開設届出書」を提出することになります。

いずれにしても過去のNISA口座での取引と今後のつみたてNISA口座での取引の両方を管理していく必要がありますので、把握漏れのないよう気をつけなくてはなりません

管理が難しそうであれば、今現在NISA口座で保有している商品を売却して利益確定させておく方が分かりやすいかもしれません

メリット・デメリットを把握して使い分けを

老後資金問題が取り沙汰されるようになり、NISAやつみたてNISA、iDeCoといった税制優遇制度が注目されるようになりました。

それぞれメリット、デメリットがありますので、自分の投資スタイルや資産運用の目的、さらに政府の動向に応じて臨機応変に使い分ける事が重要です。(執筆者:島村 妃奈)

《島村 妃奈》
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島村 妃奈

島村 妃奈

20代で1000万円を貯めた経験を元に、実用的なマネー術をご紹介します。現在は秘書として働く傍ら、フリーライターとしても活動中。趣味は貯金と投資で、現在は子供の教育資金捻出のために日々奮闘しています。 【保有資格】FP技能検定2級、AFP 寄稿者にメッセージを送る

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