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近年急激に普及したキャッシュレス決済
2019年10月からは消費税増税に合わせて、キャッシュレス決済で支払いをすると数%のポイントとして還元される消費者還元制度が開始しました。
しかし、このキャッシュレス決済・消費者還元制度は期間限定の措置であり、2020年6月には終了してしまいます。
来年からはそれに代わる制度としてマイナンバーを使ったポイント還元システムがスタートする事が検討されています。
今回の記事ではマイナンバーを利用した還元システムの概要と、今から始めておきたい事についてご紹介します。
マイナンバーを利用したポイント還元の概要
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現行のキャッシュレス決済に対するポイント還元は、消費税増税により消費が冷え込む事を防ぐための経過措置であり、2020年6月末をもって終了することが決定しています。
2020年7月~8月には東京オリンピック・パラリンピックが開催に伴い景気の活発化が予想されますが、その後の反動で不況に陥る可能性が指摘されています。
そういった景気の落ち込みを防ぐための施策の1つとして、2020年9月以降にも継続的にキャッシュレス決済によるポイント還元を行う事が予定されています。
そのポイント還元方法は、現在の「各種キャッシュレス決済サービスのポイントとしての還元」や「コンビニ各社などのポイント還元相当額の値引き」といった方法ではなく、マイナンバーカードを使った新制度となります。
新しいポイント還元システム 利用のながれ
利用するにはまず、マイナンバーカードで本人確認をして「マイキーID」と呼ばれる個人に固有のIDを取得します。
そのIDに電子マネーやスマホ決済アプリ、クレジットカードなどのキャッシュレス決済サービスを紐付けておく事で、決済額に応じた「マイナポイント」が貯まるとしています。
ここで紐付けられるキャッシュレス決済サービスの数に制限があるかどうか、還元されたマイナポイントの利用方法がどうなるかなどについてはいまだ公表されておらず、どの程度使い勝手の良い制度になるかは分かりません。
しかし11月14日、政府はマイナンバーカードを活用した消費者還元制度に関して、還元率を25%とするよう提言し、話題となりました。
もし本当に25%も還元されるのであれば、システムや利用方法がやや煩雑であったとしても、ぜひ利用したい制度です。
新制度移行にむけて今からしておきたい3つの事
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来年9月を予定している導入に向けて、今からできる事は始めておきたいところですが、まだ決定している情報が少ないので、できる行動も限られています。
1. キャッシュレス決済に慣れておく
少なくともポイント還元はキャッシュレス決済が対象となるので、自分のマイキーIDに紐付けるキャッシュレス決済を何にするのか、いろいろ試しながら絞っておくと設定がスムーズかもしれません。
生活圏で使えるキャッシュレス決済サービスや、国費によるポイント還元に関わらずそもそもポイント還元率の高いものなど、自分自身の重視する基準でベストなサービスを2~3個見つけておきたいところです。
キャッシュレス決済を始めた事で支出が増えてしまったというケースもありますので、キャッシュレス決済を使ったお金の管理についても今のうちに慣れておくと安心です。
2. マイナンバーカードの発行を申請する
マイナポイントでの消費者還元を受けるには、マイナンバーカードを持っていることが必須条件です。
現在のマイナンバーカード普及率は10%台と低く留まっていますが、政府は2022年までに全員が所持するよう「マイナンバーカード義務化」する方針を発表しています。
2021年3月からは健康保険証としての利用もできるようになるほか、確定申告での医療費控除手続きへの利用など、実生活に結びつけて実用化を進めるとしています。
マイナンバーカードの発行には、「通知カード」と「交付申請書」、本人の顔写真などが必要で、郵便やPC、スマートフォン、証明写真機からの申込が可能です。
申請から発行まではおおむね1か月かかるうえ、受取るには各市区町村の役所に本人が取りにいく必要があるので、ポイント還元制度開始前には大変な混雑が予想されます。
どちらにしてもそのうち全員が持つことになるのであれば、今のうちに作っておいた方が駆け込み混雑に巻き込まれることもなく、スムーズにポイント還元の登録に進めそうです。
3. 防犯対策を考える
マイナンバーは既に各種金融機関への提出も義務づけられており、今後医療機関での利用やキャッシュレス決済の利用状況も紐付けられるとなると、マイナンバー1つに多くの個人情報が紐付けられることになります。
マイナンバーの情報を狙った新たな詐欺が出る事も考えられますので、家族のマイナンバーカードの保管方法や防犯対策について今のうちに考え始めておく事も重要です。
事前準備のうえ、安心して新しいポイント還元制度を迎えよう
消費税増税により生活コストが上がる事が懸念されていましたが、実際には軽減税率やキャッシュレス決済・消費者還元事業により、増税前より負担が軽くなった家庭も多いのではないでしょうか。
現行のポイント還元が終わった後も速やかにマイナポイント還元サービスに移行できるよう、今のうちに準備をしておくと良いかもしれません。(執筆者:島村 妃奈)