著者は10年以上、証券会社に在籍していましたが、金融機関のビジネスは手数料ビジネスです

お客さまへの提案時に、お客さまのためというより手数料獲得のための提案になる場合があることも否定できません

ですので、金融機関からの提案はご自身で内容を吟味して慎重に判断する必要があります。

そこで今回は、金融機関と資産運用に関連した取引するとき、どんなところに気をつけた方がいいのかについて、金融機関への在籍経験も踏まえて書いてみたいと思います。

注意点1: 提案される金融商品のタイプ

ファンドのパンフレット

金融機関から金融商品を提案された場合は、その金融商品のコストを意識しましょう

金融機関がお客さまに提案する金融商品は基本的に高コスト商品です

アクティブファンドは高コスト

投資信託でいえば、基本的に提案商品はアクティブファンドです。

アクティブファンドとは、特定の指数にとらわれず、投資信託会社の運用担当者が目利きで選定した銘柄で構成されるファンドです。

アクティブファンドは、運用に手間がかかるため比較的高コストになります。

なぜ、このような商品を提案するのかと言われれば、それは金融機関が手数料を獲得するためです。

金融機関はたくさんの社員を雇用しているため、その人件費等のコストを賄う必要があります。

そのためには、手数料の高いファンドを積極的に販売する必要があります

ですので、金融機関からの提案商品がもし高コストであれば、

もっと低コストの金融商品でニーズに合ったものがないか担当者に聞いてみる

とよいでしょう。

注意点2: 金融商品提案のタイミング

金融機関から、金融商品の提案を受けた場合、そのタイミングが月末のときには特に注意が必要です

金融機関の社員には毎月営業成績のノルマがあります

最近は、ノルマを廃止する動きもありますが、金融機関が営利目的を企業である限り、日々収益を意識しながら活動をしている点は変わりません。

収益目標を達成するため、担当者によっては必ずしもお客さまに必要のない商品を提案するケースもないとは言えません

月末になると収益重視になる営業担当者も

著者は証券会社勤務時代に、投資信託を中心とした販売状況に不公正な部分がないか確認をする業務を長年行ってきました。

残念ながら、月末になると収益重視の営業活動を行いがちな営業担当者がいることを目の当たりにしてきました。

月末の金融商品の提案時には、

・ その営業担当者があせって話をしていないか

・ その目線がお客さまではなく手数料等にいっていないか

特に注視する必要があります。

注意点3: 新規取引時に提案されるサービスや商品

金融商品相談をする男性

新規の取引時に提案されるサービスも本当に自分に必要なサービス内容かどうか注意して吟味しましょう

定期預金の金利優遇サービスは本当にお得か

例えば、昔からよくあるのが定期預金と投資信託を同時に取引すると、定期預金の金利が優遇されるサービスです。

このサービスでは、一般的な定期預金と比べ高金利が提示されます。

よく見るとその金利は1年単位での金利が強調されているものの、実際にこの金利が適用されるのは取引開始の最初の3か月というパターンが多いです。

このようなキャンペーンは、実際にもらえる定期預金からの利息や投資信託保有のコストを計算してみると、本当に魅力的かどうか疑問の余地があります

もし案内されたら、

実際の金額を計算してみて本当にお得なのか確認する

ようにしましょう。

退職金や相続資産など大口の資金は特に注意

また、退職金や相続で手に入った大口資金の預け先や資産運用の相談については特に注意が必要です

金融機関は新規資金の導入に現在非常に力を入れており、その最大のチャンスが大きくまとまった資金が入る退職金と相続資金です。

そして、その資金で手数料の高い商品を購入してもらえたら収益的にも非常に助かります。

ですので、こういった場面では、特に高コストな金融商品が提案されがちです。

このような提案がない方が不自然であるくらいに考えておいた方がよいでしょう。

私が証券会社に勤務する時代から、すでにこういった資金を獲得することに会社として力を入れていました。

そして、その大きな資金で資産運用等を行うことを提案し、実際に購入していただくケースも少なくありませんでした。

金融機関の利益とお客さまの利益は相反することも少なくない

以上は代表的な例で全てではありませんが、金融機関のビジネスが手数料ビジネスであるというところがポイントです。

金融機関のビジネスモデルは過渡期にあります。

金融機関の利益とお客さまの利益は相反することも少なくありません

金融機関とはそういった視点を意識して付き合うことが大切です。

この点、ネット系の金融機関であれば対型の金融機関と違い各種の提案を受けることはあまりないと思われます。

こういった金融機関を優先的に利用するのも1つの対処法です。(執筆者:佐藤 彰)