「そしてその補償内容は把握していますか?」
2年前に当時の借家が床上浸水に遭いました。
あの時の恐怖と、その後の苦労は忘れません。
その経験から念願のマイホームには火災保険をきちんとつけました。
この記事ではその体験を紹介します。
目次
床上浸水に遭った我が家

台風で川が氾濫し、住んでいた借家が床上浸水に遭いました。
ザブザブの泥水に浸かった我が家は、
・ 庭は流れてきた泥とゴミでぐちゃぐちゃ
・ 置いていってしまった車は故障
・ フローリングは泥だらけ
・ 畳は床下からの水で浮き上がったのがわかる状態
何から手をつければいいのかと気が滅入りましたが、家族で少しずつ片付けました。
保険の対象
借家だったため、契約時に賃貸向けの火災保険に加入することになっており、その中に水災による家財の損害補償があったので家財は助かり、車も車両保険が使えました。
家財の保険請求

家財というのは例えば家電や家具などのことで、保険を請求する際、被害に遭った家財をすべて書き出すように言われました。
そしてそれぞれの領収書は残っていなくてもいいので、おおまかな購入額を併記するように指示がありました。
などといった具合です。
そして保険会社の調査員が現場確認に訪ねてきて、実際の被害の状況を確認します。
浸かった高さでも保険金額が変わる
ある程度片付けてしまっている頃ですが、被災時の状況がわかるように写真をたくさん撮っておきました。
浸かった高さもわかるように、壁の水の跡はあえて消さずに残しておいたところ、調査員の方がその水の高さを測り始めました。
「なるべく高い部分の数値を報告しますね。」と、いろいろな部分で測ってくれました。
話によると、床下浸水か床上浸水かで保険金額が変わってくるのですが、床上浸水の中でもどの高さまで浸かったかで金額が変わるそうなのです。
その高さと家の規模によって保険金額が割り出され、その金額と、請求者が書き出した家財の被害総額を比べて高い方の金額が支払われます。
我が家の場合は書き出したものより保険会社の設定金額の方が高く、80万円近く受け取れました。
さほど高価な家財はなかったので十分です。
自分の加入している保険が使えない
畳やフローリングなど、家そのモノに関しては、自然災害であって借りていた私たちに落ち度はないため、私たちの加入していた賃貸用の火災保険では対象外でした。
家自体は大家さんの財産なので、大家さん自身が借家に対して保険をかける必要があったのですが、大家さんはその家に火災保険をかけていなかったので大変でした。
借主が加入している保険で賄えると思い込んでいたようです。
経験を生かして保険に加入

その後しばらくして我が家はマイホームを建て、その借家を出ました。
台風被害の経験を踏まえて、マイホームはもちろん火災保険に加入しました。
ハザードマップを確認して買った土地ではありますが、最近の異常気象や大きな災害を見て、最初の5年は水災もカバーできるものにしました。
そして近々起こるであろう大地震に備えて地震保険にも加入しました。
5年にしたのは、契約年数が1年・5年・10年で見積もりをだしてもらったものを比較して、当然長期の方が割安なのですが、地震保険部分だけ5年までしか一括でかけられないということだったので、地震保険と合わせた年数にしたのです。
火災保険・地震保険の割引制度
・ 建築年数による割引
・ 耐震等級に対する割引
・ 免震構造に対する割引
・ 耐震診断済みの建物に対する割引
・ オール電化割引
・ セキュリティ割引
などです。
建物についている設備による割引や、ノンスモーカー割引などといったものもあります。
我が家の場合は耐震等級3の割引、新築なので築浅割引、オール電化割引が適用されました。
日常災害の補償
また、自然災害のみではなく、日常災害の補償もつけました。
例えば車の当て逃げ、看板など飛来物による破損、盗難などです。
地震火災費用保険金支払割合変更特約もつけています。
これは、地震保険の場合、補償対象は「火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内」ということになっていて、地震による被災の時は火災保険金額満額が支給されず建て直すのには不足するので、それを補うための特約です。
我が家は戸建てで保険金額2,700万円、5年一括払いで保険料は約45万円ということになりました。
水災補償をつけるかどうかで10万円ほど差がつき、少々悩みましたが、年間2万円で新築マイホームの水災の不安が緩和されるなら良しとしました。
5年経って更新時に再検討します。
火災保険に付帯する地震保険
地震保険というのはそれ単独で加入できる保険ではなく火災保険に付帯します。
火災保険の契約中で途中から付帯することも可能です。
地震保険は政府と各保険会社が法律に沿って運営していて、建物の構造と地域によって保険料が決まるため、どの会社でも同じ保険料です。
火災保険は地震保険とセットで考えよう
あなたもいつ被災者になってもおかしくありません。
火災保険はどこまでカバーするものにするか、地震保険はつけるか、よく検討しましょう。
ちなみに、火災保険だけの場合、地震による火災は補償されないので注意してください。
地震保険料は所得税と住民税から控除されるので年末調整や確定申告の際には忘れないようにしてください。(執筆者:枝本 幸)