2019年は台風の影響で住宅に被害があった方が多い年でした。

火災保険などに加入していた人は、台風被害によって保険の支払いを受けることができたと思います。

しかし、中には保険金以上に台風による被害額を被った人がいるでしょう。

今回は一定の被害額を所得から控除できる「雑損控除」と「確定申告」について説明します。

雑損控除とは

台風被害にあった方の確定申告

雑損控除は所得控除のひとつです。

災害や火事、盗難などにより発生した損失を所得控除として一定金額を控除できる制度です。

所得金額から所得控除を差し引いた金額が課税所得金額です。

雑損控除を申告することによって課税所得金額を減らすことができ、所得税を少なくできます

給与をもらっている人は自動的に所得税などを天引きされる源泉徴収方式によって、事前に所得税を徴収されています。

雑損控除を申告することによって、多く支払いすぎた所得税を取り戻せます。

サラリーマンでも確定申告

配偶者控除や地震保険控除、住宅ローン控除などは、年末調整で所得控除を申告ができますが、雑損控除は年末調整では申告できません

所轄の税務署に確定申告書を提出する必要があります。

確定申告に必要な書類

雑損控除を申告するために必要となる書類は次の通りです。

源泉徴収票

1月から12月に受け取っと給与と所得税や社会保険料などいくら引かれたかがわかる書類です。

一般的に12月または1月に会社からもらえます。

今年、所得税をいくら支払ったのかわかります。

り災証明書

災害の被害状況を証明する書類です。

火災保険を申請するときにも必要です。

台風などの自然災害により受けた損失を「り災申告書」にまとめ、市区町村の担当窓口に提出すると「り災証明書」を発行してもらえます。

火災の場合は消防署に「り災申告書」を提出すると、「り災証明書」を発行してもらえます。

受け取った保険金額がわかる書類

火災保険などで受け取った保険金額がわかる書類の用意が必要です。

保険会社に連絡すれば用意してくれます。

災害関連の支出がわかる領収書

台風によって受けた被害を復旧するために使った支出の領収書は保管しておきましょう。

復旧工事にかかった費用や買いなおした寝具代などが災害関連の支出となります。

それ以外にもホテル代や交通費なども災害関連費と認められる場合があります。

雑損控除の計算

雑損控除によって所得から控除できる金額を算出する式は次の通りです。

(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%

(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

※差引損失額 = 損失金額 + 災害等に関連したやむを得ない支出 – 保険金

参考:国税庁HP

2つの計算式で金額が多くなる方が、雑損控除額になります。

夫婦と子供2人の4人家族で年収500万円の場合

配偶者控除や扶養控除などを反映して支払う所得税は9万円くらいです。

台風被害で1階の床上浸水被害を受けたとします。

り災報告書の被害額… 250万円
復旧工事にかかった費用… 100万円
火災保険で受け取った金額… 150万円

災害損失額 = 250万 + 100万 – 150万 = 200万円

(1) 200万円 – 500万円 × 10% = 150万円

(2) 150万円 – 5万円 = 145万円

(1) と(2) の金額を比べると(1) の150万円の方が大きいので、雑損控除額は150万円になります。

雑損控除以外の条件を同じにして、150万円の雑損控除を反映すると所得税は約1万5,000円になります。

9万円と1万5,000円の差額の7万5,000円が確定申告をすると戻ってくる住民税です。

税務署へ相談に行こう

書類をそろえて税務署に相談

家計それぞれでその他の控除金額などが違うので、実際の雑損控除金額と所得税を自分で計算するのは大変です。

税務署に相談すると、確定申告に必要な書類の書き方や実際の所得税などを計算してくれます。

確定申告は2月16日からになりますので、2月になると税務署も混雑します。

源泉徴収票や、り災証明書などがそろったら、税務署へ相談に行くことをオススメします。(執筆者:田中 かな太)