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資産運用におけるデリバティブ(金融派生商品)投資 仕組みと注意点を解説

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資産運用におけるデリバティブ(金融派生商品)投資 仕組みと注意点を解説

NISA制度などの普及により以前より投資が身近なものとなりつつあります。

資産運用に用いる金融商品の中には「デリバティブ」と呼ばれる金融派生商品を組み込んだものがあります

デリバティブは株式や債券などの伝統的な金融商品とは異なった値動きをするため、利用には知識が必要です。

今回は近年NISA口座などで人気を集めている、株価の値上がり幅よりも大きな利益を狙えるブル型ファンドや、相場が値下がりしている時に利益を上げることができるベア型ファンドを例にとり、デリバティブとの付き合い方を解説していきたいと思います。

資産運用における デリバティブ(金融派生商品)投資

ブル型・ベア型ファンドの仕組みと注意点

現在、株式指数に連動するブル型・ベア型ファンドが人気を集めており、特に相場下落時に利益を上げることができるベア型ファンドは純資産総額が3か月で2倍にも膨らんだファンドも存在するほどです。

これらファンドは株式などの指数をその時点の価格で売り買いできる権利である「株価指数先物」や「オプション取引」といったデリバティブ、レバレッジを使って価格変動を何倍にも増幅するなどしユニークな値動きを獲得しています。

しかし、これらは株式指数に対する倍率で基準価額が決定するため、長期間の所有により騰落を繰り返すと基準価額はどんどん減少していってしまいます

仮に基準価額が1万円で、株式指数が±5%のレンジで騰落を繰り返したとすると以下の様に基準価額に下押し圧力がかかります。

【基準価額1万円で±5%の騰落を繰り返した際の基準価額の推移】

1万円の – 5% = 9,500円


9,500円の + 5% = 9,975円

9,975円の – 5% = 9,476円

9,476円の + 5% = 9,950円

基準価額の下押し圧力によりブル・ベア型ファンドは相場が急変しない限り所有し続ければ所有し続けるほど損失を抱えてしまうことになります

現在はさまざまなデリバティブを組み入れたファンドを気軽に購入できるようになりました。

デリバティブは正しく理解し、利用することで利益を増大させたり相場が下落しても保有している金融商品の資産価値を維持してくれるなどのメリットを得ることができます

しかし、仕組みを正しく理解しないで利用してしまうと思わぬ損失を抱えてしまうかもしれません。

自衛策もかかせません

デリバティブは利益を追求したり、値下がりリスクを限定的にしつつ値上がり益も狙うという株式や債券などの原資産だけでは得られない値動きを得ることができます

しかし、こうした仕組みを利用するにはプレミアムという手数料が必要になりますし、長期間保有し続けると資産価値がどんどん減少していってしまいます。

デリバティブの組み入れられたファンドの利用は相場急変が疑われる一定期間のみに留めるなどの利用に対する自衛策が欠かせません。(執筆者:菊原 浩司)

《菊原 浩司》
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菊原 浩司

製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。 ≪保有資格≫2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級  寄稿者にメッセージを送る

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