筆者が10年来行っている株主優待株への投資ですが、今回あらためてメリットとデメリットについて考えてみました。

筆者の主観が多分に入っておりますのでご了承ください。

優待投資歴10年の 筆者があらためて考える

メリット(1) 個人投資家ほど得をする

株主優待制度を設けている企業では、例えば100株保有の場合1,000円相当の商品、500株保有の場合3,000円相当の商品、など保有株数に応じて優待品に差をつけることが多いです。

その際、保有株数と優待品の価値が正比例する企業の方が少なく、多くは100株保有など、優待品をいただける最小単位での優待利回りが最大となります。

企業にとっては、自社商品などを株主優待品にすることにより、配当金を出すより安価で投資利回りを上げることができますし、自社製品をお試しで使ってもらうことで株主を顧客として獲得する機会を持てます。。

その企業のサービスを好きになった株主は、株を持ち続ける安定株主にもなりうるということで、企業にとっても利点があるといえるでしょう。

そのため「最小単位での利回りを大きくすることで個人投資家により株を持ってもらいたい」との希望の表れなのかもしれません。

配当の場合は株数と配当額が正比例するので、株主優待とは異なるところです。

メリット(2) 街のお店の事業会社に詳しくなる

外食サービスなどを展開している企業では、優待品として自社グループで利用できる金券を優待品にしているところが多いです。

企業名がそのまま店名になっている場合は問題ないのですが、企業が店舗を複数のブランドで展開している場合、優待品を使いこなすためには「どの企業がどのお店を運営しているか」を正しく把握しなければなりません

有名どころ「すかいらーく(3197)」の場合、展開しているブランドは「ガスト」、「バーミヤン」、「夢庵」、「しゃぶ葉」などです。

「すき家」、「はま寿司」などおなじみのチェーン店も、運営元は「ゼンショーホールディングス(7550)」という企業です。

優待券が無駄にならぬよう「運営企業と店舗ブランドの関連付け」の作業を普段おこなっているうち、新しくできた良さそうな店に対し

「このお店はどこの企業がやっているのだろう」

「上場している企業だったら優待あるのかな」

とつい調べる癖がついてしまうのは、優待好きがよくすることではないでしょうか。

ここのお店調べてみよう

メリット(3) 分散投資スタイルとなり大損しない

株主優待めあてで投資する場合、「個人投資家ほど得をする」で申し上げた通り

「最小単位保有の場合に優待利回りが最大」

なので、例えば投資額100万円の内訳が「100万円を1社に投資」より「10万円づつ10社に投資」であることが多いと思います。

この場合、意図せずとも複数の企業に投資する分散投資のスタイルとなっており、仮に持ち株の1社が暴落してもポートフォリオへの影響は限定的になります(それでも痛いことには変わりありませんが)。

そのため、リーマンショック級の景気の波が来て、「持ち株すべてが大暴落」という状況にならない限りは大きく損をしないのでは、と思います

反対に、持ち株の一つが暴騰しても大きくは儲からない、ともいえます

デメリット(1) 管理が面倒

特に株主優待の発送が集中する6月などに感じるのですが、日によっては1日に10通以上届く「株主総会招集通知」や「株主優待関連品」などの郵便物を、開封してチェックして保管する(もしくは廃棄する)作業は若干面倒です。

そして、カタログ類などは商品を選んではがきを返送(もしくはネットで注文)する作業があり、なるべくその場で選び手続きするか、後回しにするならカタログの存在を忘れないようにする必要があります。

筆者はとりあえず後回しにして引き出しに保管したものの、カタログ自体の存在を忘れてしまい、気づいたときには失効していた…という痛い体験をしてしまいました。

また、1度に箱モノで優待品が複数届いた場合も、速やかに梱包をとって保管しないと、たちまち部屋がダンボールだらけになってしまうこともあります。

一方、店舗で利用できる優待券にも有効期限が設定されているので、ギリギリまで放置しておくと桐谷さんばりに店舗に走る必要がでてきます。

予防策として筆者はメモをとっていますが、それでもうっかり無駄にしてしまうことがあるため、年間数百個と筆者の何倍も株主優待を獲得している桐谷さんの記憶力が素晴らしいと思います。

私の考えるデメリット

デメリット(2) 情がわき損切しづらい

投資家に必要なものの1つが「割り切り」であり、損切を決行することで損失を最小限に抑えることができる場合も多いでしょう。

ですが優待投資の場合、長期保有を優待進呈やランクアップの条件に設定する企業があるため、欲がでて割り切った損切がなかなかできません

例えば「キユーピー(2809)」は優待品をいただくために株式を3年保有する必要があったり「KDDI(9433)」では5年保有により優待品が3,000円から5,000円にランクアップするなどです。

もし株価が買付価格より下がってしまう「塩漬け」状態になったものの、「損切する踏ん切りがつかない」という場合、「優待品に癒やされつつ株価上昇を気長に待つ」という気概を持った方がよいでしょう。

また、優待品を通してその企業が気に入った場合も、情がわき損切りしづらくなるのではないでしょうか。

安定株主を得たい企業としては狙い通りかもしれません。

その際は「自分の好きになった企業だから株価はまた上昇する(実際業績とは関係なく株価が乱高下する局面もあります)」と信じて株価上昇を待ちましょう。

デメリット(3) 大きく儲からない

メリットで挙げた「分散投資となり大損しない」に関連しますが、成長株に集中的に投資するわけではないので、短期間に投資総額が倍増することはほぼありません

銘柄数は数十社あるので、持ち株のなかで「数か月で株価が倍に」という銘柄は年に1社か2社かはありますが、100株保有など最小単位のため、株価上昇の恩恵も限定的ですし(上昇することはうれしいですしありがたいです)、上昇しても売却せずに持ちっぱなしにするといつの間にか「元の株価」に戻っているということもままあります

優待投資は短期間で資産を増やすことは難しい

以上、筆者が日頃なんとなく感じていることを挙げていきました。

優待投資を行っていて感じるのは「デメリット(3) 大きく儲からない」で挙げたようにこの手法は桐谷さんのようにすでに資産を築いていて大きく増やす必要がない方向けの投資なのかも、ということです。

短期間で資産を増やす目的なら「優待投資がベスト」とは言えないかもしれません。

筆者も現状「億り人」にはほど遠く、資産を増やすことが第1義であれば投資法を見直すべきかもしれません。

銀行に寝かせておくだけで一向に殖えない預金のみしか知らなかったところを、優待品をきっかけに「投資」に目を向けさせてくれた、そんな株主優待をこれからもほそぼそと続けて、ゆっくりと資産を増やすことができればありがたいです。(執筆者:吉井 裕子)