1月から世界的な広がりを見せている新型コロナウィルス(以下、新型肺炎)の影響で、日本株は中東紛争を乗り越えたにもかかわらず、下落傾向が止まらなくなっています。

春節が終わり、中国経済の停滞が鮮明になるに従って、世界的な景気停滞の影響が出てくると思われる今年の前半。

しかしこの下落相場は、株式投資の年内ラストチャンスかも知れません

2002年のSARS(同じく中国で発生したウィルス性呼吸器感染症)を参考に、日本株が反転するタイミングと、その時に買っておきたい業界をご紹介しましょう。

4月上旬の習国家主席来日が1つのタイミング

国家主席来日が1つのタイミング

執筆時点では感染者が2万人を越え、死亡者も400人を突破。WHOは緊急事態宣言を発表し、新型肺炎の広がりは先が見えない状況です。

日本でも人から人への感染が確認され、マスクが品切れで通販では通常の数倍で取引されていますね。

SARSより感染者が広がっており、終息宣言が出るまでどれくらいの期間がかかるか分かりませんが、ここから約半年の流れを見てみましょう。

中国の存在感がケタ違い

2002年11月から、2003年7月のWHOによる終息宣言発表までに、世界29か国で8,096人が感染したSARS。死亡率は9.6%に上りました。

今回の新型肺炎は、感染者数は既に2万人を越えていますが、死亡率は2%台と低い状況です。

しかし新型肺炎がもたらす世界経済への影響を考えると、中国の存在が比較にならないほど大きくなっていることが問題なのです。

中国GDPは、2003年当時と2019年では約4倍。日本を抜き世界第2位の経済大国となった中国の経済活動が停滞すると、世界中の生産活動(サプライチェーン)が停滞するのです。

特に中国国内で生産活動している日本自動車メーカーや、ユニクロなどの小売業界は、今ある在庫が切れる今年4月以降に大きな影響が出るかも知れません。

移動が制限されるため、航空機を中心とした空輸業界は世界的な打撃が大きいようです。

その意味では今回の新型肺炎が及ぼす経済・相場へのインパクトは、決して小さくない(過小評価できない)と考えた方が良さそうです。

SARS発生時の株式相場はこうだった

SARS発生時の株式相場

2002年のSARS発生時は、最初の発症報告から株式相場下落が止まるまでに約5か月。

その間の下落率は約17%、そして下落が止まった理由は「感染者数の伸びがピーク」を迎えたタイミングでした。

その後、8か月目にWHOより終息宣言が出た頃には発生時の株価水準を回復し、年末にはV字回復したのです。

8か月もかかったのは中国が情報統制し、正確な患者数が報告されるまでに当初4か月もかかったことが原因でもあります。

この時の反省から、中国も情報開示や武漢の隔離政策などの積極的な封じ込めに取り組んでいます。

仮に同じ下落幅だとすると、新型肺炎の発症報告があった12/8は

日経平均が2万3,354円(12/6)
下落幅▲17%とすると1万9,383円

これは投資会社が2020年の株式相場を予想した最安値(メインシナリオから下方にクラッシュした時)に当たります。

どこが底か予想することは難しく、急激に下落するというより下落傾向が続くことを想定すると、やはり感染者数の伸びがピークを迎えた情報を見てから、株式投資を始めても遅くないようですね。

新型肺炎で揺さぶられた業界が狙い目

狙い目の時期や業界は?

では今すぐではなくとも、タイミングが来た時に投資すべき業界はどこになるのでしょう。

今後も増益が期待できるものの、相場全体の下落に押されている業界が狙い目ですね。

1. オリンピックに向けて安くなった国内運輸業界

そもそも景気停滞、減速にも強く、オリンピック景気を謳歌できる業界です。長期運用に適した銘柄です。

【9020】JR東日本
【9022】JR東海

2. V字回復が予想される半導体素材業界

半導体サイクルが反転しており、国内での5Gサービス拡大を見越して、半導体の原材料となるシリコンウエハ関連企業は、株式相場が反転する際にV字回復が期待できます。

【4063】信越化学
【4043】トクヤマ

3. 景気に左右されない翻訳ビジネス業界

米中貿易紛争や新型肺炎などで一時的にせよ景気停滞が起こっても、増収増益が期待できるサービス業が翻訳ビジネスです。

【4344】ソースネクスト
【6182】ロゼッタ

まだ流行が始まって1か月程度につき、先行きを予想するのは難しいのですが、4月上旬には中国の習国家主席が天皇陛下の迎える第一号の国賓として来日を予定しています。

それまでに終息が見え、7月のオリンピック開催までに終息宣言が出ることをメインシナリオとして考えています

先ずは4月までの状況を押さえながら投資タイミングを計り、夏までは「下がったら買い」のスタンスを継続してみましょう。(執筆者:中野 徹)