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「低金利・住宅ローン」で確固たる地位を築いた「住信SBIネット銀行」が上場検討で、気になる今後の金利動向

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「低金利・住宅ローン」で確固たる地位を築いた「住信SBIネット銀行」が上場検討で、気になる今後の金利動向

※本記事の金利は掲載当時の内容です。

1月29日付の日経新聞のイブニングスクープによりますと、ネット銀行最大手である住信SBIネット銀行が、上場を検討しているとのことです。

住信SBIネット銀行と言えば、低金利の住宅ローンで有名ですが、上場後は住宅ローンに偏っている収益源を多角化していく見込みです。

今回は、ネット銀行が上場することの価値、上場により住宅ローン金利はどうなるのかなどについて、考察していきたいと思います。

ネット銀行のほとんどは大手行の系列

住信SBIネット銀行は2007年に業務を開始しました。

住信SBIネット銀行

≪画像元:住信SBIネット銀行

当時、ネット銀行で住宅ローンに力を入れていたのはソニー銀行で、両者は激しいライバル争いを繰り広げていました。

当時から営業スタイルに変化はなく、

「規模のメリットを活かした低金利の住信SBIネット銀行」と「低金利に付加価値を付けたソニー銀行」

という位置づけでした。

しかし、住宅ローンの低金利競争が激化するなか、常に最低水準の低金利を提供する住信SBIネット銀行が徐々に勢力を拡大していきました。

11月28日の住信SBIネット銀行のプレスリリースによると、住宅ローン取扱額が5.5兆円を突破したとのことです。

ちなみにネット銀行は、大手行が試験的に導入する事例が多く、住信SBIネット銀行もSBIホールディングスと三井住友信託銀行が50%ずつの株式を保有しています

上場すると、両者が株式を放出するか新株を発行するため、今後は第3者からの監視に耐えうる会社組織にする必要があります。

ネット銀行の利益はまだまだこれから

住信SBIネット銀行はネット銀行としては最大手ですが、19年3月期の純利益は121億円です(単体ベース)。

一方、ソニー銀行の19年3月期の純利益は60憶円(単体ベース)です。

参考までに、住信SBIネット銀行の親会社である三井住友信託銀行の19年3月期は1,738憶円ですから、利益水準としてはまだまだ低いことがわかります

上場を機に、経営の自由度を高めてフィンテック分野を強化するとともに、住宅ローンに偏っている収益源を多角化する狙いがあります

今後、住信SBIネット銀行が成長していけるかどうかは、今までの住宅ローン以外に顧客層を広げ、さまざまな金融商品の手数料収入などでいかに稼いでいくかにかかっています。

上場により住宅ローン金利はどうなるか

住宅ローン金利はどうなる?

現在も、ジャパンネット銀行の変動金利0.399%に対抗するべく、「住信SBIネット銀行」は3月末までのキャンペーンとして、変動金利0.415%(団信・全疾病保障付き)を提供しています。

仮に上場した場合、上場キャンペーンとして同水準の金利キャンペーンを行う可能性は高いと思います。

上場後は他の金融商品とセットでの優遇などもあることでしょう。

どちらにしても、今まで親会社の信用力に頼っていた資金調達が上場により有利になることから、低金利の住宅ローンを前面に押し出す戦略に変わりはないと考えられます。

上場により知名度も上がると考えられるため、住信SBIネット銀行の攻勢は当面続きそうです。

現時点では上場は確定事項ではありません。

上場には審査があるため、審査に通ってからの確定情報をお待ちください。

(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)

《沼田 順》
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沼田 順

沼田 順

1975年、兵庫県生まれ。1994年、神戸商科大学(現・兵庫県立大学)に入学。学生時代の1997年に宅地建物取引主任者試験に合格。翌年の1998年、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)に入庫。2008年、独立後勉強していたCFP上級資格を取得し翌年の2009年にCFP認定者及び1級FP技能士となる。2014~2015年、大阪大学大学院経済学及び理学研究科 博士前期課程 単位取得。2015年、京都大学法科大学院 法務博士課程 単位取得。 ≪保有資格≫ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 宅地建物取引士 / 住宅ローンアドバイザー / ビジネス法務エキスパート® / 証券外務員2種 / 銀行業務検定各種 寄稿者にメッセージを送る

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