今回は、上昇を続ける米国株式市場の現状とFRBの資金供給動向とその注意点について解説していきたいと思います。

1. 米国株式市場は金融相場の様相を呈している。

金融相場の様相を呈してきた

米国株式市場は、ハイテク株中心に好決算が発表されたことにより史上最高値まで上昇を続けています。

しかし、その背景にはFRBの量的緩和に匹敵する資金供給があり、その供給額は約半年で4,000億ドルと大規模なものとなっています。

これにより、一時減少に転じていたFRBの資産は量的緩和第3弾時の水準に近づく形で拡大を続けているのです。

FRB側は、「今回の資金供給は量的緩和ではなく、あくまでも金利を適正にコントロールするための措置」とコメントしていますが、市場関係者はこれを量的緩和と位置付けており、これにより株式市場は金融相場の様相を呈し上昇を続けているのです。

2. 新興国の政策金利にも影響を及ぼす。

FRBが量的緩和に迫る資金供給を行った結果、新興国の政策金利にも多大な影響を及ぼす結果となりました。

ブラジルの政策金利においては、当初限界とまで言われていた水準からさらに0.25%金利を引き下げられ過去最低の4.25%まで低下しました。

また、新興国各国は更なる金利低下に動かざるをえなくなっているのです。

これは、前回の量的緩和終了時の米国金利上昇局面において為替市場混乱したことが背景にあり、それに備える形となっているのです。

これにより、新興国通貨は直近安値水準まで下落しており、外国債券を保有している投資家にとっては好ましくない状態となっており、債券が償還を迎えても金利が低下しているため、次の年限に切り替えても期待した運用成果を得ることができない可能性があるのです。

3. 資金供給減少のタイミングには注意が必要

新型コロナウイルスで新供給のタイミングが変わるのか

現在、米国株式市場はFRBによる資金供給が行われたことで金融相場の様相を呈しています。

そのため、この供給が頭打ちになるタイミングで金利及び株式市場への悪影響が想定されます

特に、QE3時のFRBの資産最大保有額まで供給がなされた場合には注意しておいた方がいいでしょう。

FRBは、4月までこの資金供給を増やすが次第に緩やかなものにするとしています。

しかし、コロナウイルスによる中国経済減速懸念があるため、状況によっては更なる供給がなされる可能性にも注目しなければならないのです。

外国債券への投資は待て

以上より、米国株式市場の上昇には好業績のほかにFRBによる資金供給が大きく影響を及ぼしています。

しかし、金融相場は株式市場にとってはプラス材料となりえますが、債券市場に混乱を及ぼしていることには注意が必要なのです。

特に、外国債券の償還が比較的近い方にとっては、損失となる可能性が高く、再度債券に投資するタイミングは金利上昇局面まで待機しておいた方がいい可能性があります。(執筆者:白鳥 翔一)