確定申告の時期です。

会社員の人は、毎月の給与から概算で所得税が天引き(源泉徴収)されています。

年末に行う年末調整で所得税を精算し、納税が完了するため、基本的には確定申告をする必要がありません。

しかし、会社員でも確定申告をしなければならない人はいますし、確定申告することで、還付金を受け取れる場合もあります

確定申告こんな人はしよう

会社員でも確定申告が必要な人

会社員でも確定申告が必要な人は次のような人です。

(1) 給与の年間の収入金額が2,000万円を超える人

(2) 副業や保険金を受け取った、株式売買など本業以外所得の合計額が20万円を超える人。ただし、給与所得、退職所得は除きます。

(3) 2か所以上から給与の支払いを受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と各種所得合計(給与所得、退職所得以外)の所得の合計額が20万円を超える人

(4) 同族会社の役員、親族などで、その同族会社から給与のほか、貸付金の利子、賃貸料などを受け取っている人

(5) 災害減免法によって源泉徴収の猶予や還付を受けた人

(6) 源泉徴収義務のない者から給与等の支払いを受けている人(給与の支払いを受けた時に源泉徴収されていない人)

などです。

最近は副業をしている会社員も増えていますので、上記の(2) や(3) のように所得が20万円を超える人は、本業の給与と副業の稼ぎを合わせて税務署に確定申告をする必要があります

ちなみに、所得金額とは、収入(給与や売り上げなど、支払いを受けた総額)から必要経費を差し引いた儲けのことです。
 
所得は、給与所得や事業所得、不動産収入、雑所得など10種類に分類されますが、副業の場合、給与で受け取る場合は給与所得です。

アフィリエイトでの収入や、Uber Eatsの配達、民泊で得た所得、YouTuberとしての収入などは、

・ 継続性があって相当の利益がある場合などは「事業所得」

・ お小遣い程度なら「雑所得」

に分類されるようです。

わからない場合は、税務署に相談してみましょう。

申告しない場合は、もちろんペナルティがありますし、申告することで、払い過ぎた税金を還付されたり、赤字がでた場合には、他の所得と相殺できます

確定申告をした方がいいケース

次は、上記のような所得がなくても、確定申告をした方がいいケースです。

いくつかご紹介します。

医療費を多く払った人

自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合、その支払った医療費が一定額を超えるときは、所得控除を受けることができます

これを医療費控除といいます。

医療費控除の金額は、次の式で計算した金額で、最高200万円までです。

 (実際に支払った医療費の合計額 ― (A) の金額 ) ― (B) の金額

(A) 自分で加入した民間の保険金などで補てんされる金額

(B) 10万円 もしくは、その年の総所得金額等が200万円未満の人は「総所得金額等の5%」のいずれか低い金額をこえたもの


また、医療費控除と選択になりますがセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の適用を受けることもできます。

これは、その年中に健康の保持増進及び疾病の予防への取組みとして一定の健康診査や予防接種などを行っている人が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の特定一般用医薬品等購入費を支払った場合、その年中の特定一般用医薬品等購入費の合計額のうち、1万2,000円を超える部分の金額(8万8,000円を限度)を控除額とするものです

※保険金等により補填される部分の金額を除きます。

住宅ローンを組んだとき

住宅ローン控除を受けるために、その年は、確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整の対象になります。
 
住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。

毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうち、いずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。

消費税率10%が適用された住宅の取得をして、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した場合には、控除期間が3年間延長されます。

また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

住宅の取得対価の計算で、すまい給付金の額は控除されます。

すまい給付金とは、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設された制度です。

消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の人を対象に最大30万円でしたが、消費税率10%になって、収入額の目安が775万円以下の人を対象とし、最大50万円を給付されるようになりました。

詳しくは、国土交通省の住まい給付金のサイトをご覧ください。

すまい給付金

ふるさと納税をしたとき

「ワンストップ特例制度」を利用しない人は、確定申告をすることにより、住民税が減額されます。

確定申告の際は、自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」が必要です。

ふるさと納税ポータルサイト

上場株式等を売却し、損が生じた場合

上場株式等を売却し、損が生じた場合、損益通算することができます。

また、損益通算で控除しきれなかった損は、翌年から3年間、繰越控除をすることができます

参考:
国税庁 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度
国税庁 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除

家の売却したとき

住宅ローン残高の支払いで損がでた場合、条件を満たせば控除の対象になります。

参考:国税庁 土地や建物を売ったとき

確定申告は2月16日から3月15日の間で

確定申告の義務があるサラリーマンは、2月16日から3月15日の間に申告をすることが必要です。

源泉徴収された税金が多すぎる場合に確定申告をすることで、納めすぎた所得税の還付を受けることができる還付申告は、2月16日から3月15日の確定申告期間は関係なく、申告対象の翌年1月1日から5年間、いつでも書類を提出することが可能です。

過去5年分までさかのぼって還付申告ができます。(執筆者:岩城 みずほ)