新型コロナウイルスの影響で、マスクが店頭から消えるという異常事態が発生しています。

新型コロナウイルスの影響も気になるところですが、この時期は「インフルエンザ」にも注意が必要です。

図1をご覧ください。

定点医療機関当たり患者報告数

毎年1~2月に急激にインフルエンザ患者数が増えているのが分かります。

これは季節性インフルエンザの流行を表しています。

今期のインフルエンザはこれまでとは違い、1~2月での感染報告が極端に少ないことが分かります。

近年まれにみる暖冬の影響もあり、このまま収束を迎える可能性もあります。

しかし、もし皆さんがインフルエンザにかかって会社を休まなければならない場合、休んだ分の給与を引かれて終わりなのでしょうか。

そこで今回は、季節性インフルエンザ季節性で会社を休んだ場合の給与の補填について確認してみましょう。

病気で会社を休む

一般的に病気で仕事を休む場合には、「ノーワーク・ノーペイの原則」から休んだ日の給与は支給されません

そのために多くの人は「有給休暇を充てる」という方法をとりますが、できれば有給休暇は自分の好きな時に取得したいものです。

有給休暇を使わずに病気で休む場合に、もしあなたが

健康保険に加入していて4日以上休む場合には、「傷病手当金」の支給

を受けられます。

熱あるけど、有給使いたくな~い

傷病手当金とは

傷病手当金とは、インフルエンザに限らず「業務外の事由による病気やけケガ」の療養のために、一定期間(4日間)以上休業する場合、保険者(全国健康保険協会、健康保険組合等)から支給される給付のことです。

業務上や通勤災害で休業する場合には、労災保険の対象となるため傷病手当金は支給されません。

さらに、「仕事に就くことができない」という条件も必要です。

デスクワーク中心の人が足を骨折した場合など、仕事に影響が出ない(業務内容として、足を使う仕事ではない)場合には支給されず、

連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったことが必須

です。

なぜ「連続する4日以上」なのでしょうか

待機3日間の考え方

≪画像元:全国健康保険協会

仕事を休んだ日から連続する3日間を「待期期間」と呼び、この期間は傷病手当金の支給はありません

その代わりに通常は「有給休暇」を待期期間に充てることが多いです。

しかし、有給休暇が使えない場合には、この3日間は「無給」(ノーワーク・ノーペイの原則)です。

最後に、

休業した期間に給与の支払いがないこと(待期期間を除く)

が重要です。

傷病手当金は業務外の事由による病気やケガで休業している期間について「生活保障」を行う制度のため、給与が支払われている間(待期期間を除く)は、当然のことながら傷病手当金は支給されません

会社によっては、この休業期間について(本人の申請で)有給休暇を充てたり、単に欠勤控除(給与から欠勤した日数分の給与を差し引く)とする場合があります。

しかし、健康保険に加入している方で長期療養が必要な場合には、ぜひ、傷病手当金の申請を検討してください

会社がお金を払うわけではないので、会社にとってもありがたい制度です。

傷病手当金が支給される期間

傷病手当金は、支給開始から最長1年6か月まで支給されます。

待期期間終了後(4日目以降)1年6か月なので、途中で出勤したとしても、同じ病気やケガならば1年6か月までは何度でも支給されます。

しかし、これを超えると仕事に就くことができない場合でも傷病手当金は支給されません

傷病手当金が支給される期間

≪画像元:全国健康保険協会

傷病手当金の額

1日あたりの傷病手当金の額は、

支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × 2/3

と定められていますが、簡単に言うと「およそ給与の2/3」(1か月休業した場合)の額です。

計算方法等くわしくは全国健康保険協会のホームページでご確認ください。

新型コロナウイルスで休む場合

冒頭で触れた「新型コロナウイルス」は、感染症法における「指定感染症」に指定されました。

指定感染症にかかると、入院を強制させられるなどの隔離措置がとられます。

医療費は公費負担となるので、しっかりと治療に専念できますが、新型コロナウイルスやインフルエンザにかからないに越したことはないので、帰宅したらうがい手洗いを徹底しましょう。(執筆者:特定社会保険労務士、AFP 浦辺 里香)