私が家計の相談を受けていると、教育費が適正なのか確認したいと思っている人が多い印象です。
教育費は子供への投資となり、節約しようと考える世帯は少ないと感じられます。
では、平均的にどのくらいの教育費を使っているのか。
文部科学省が毎年行っている「平成30年度子供の学習費調査」から、幼稚園から高校までかかる教育費について考えることができます。

目次
データから見える「家庭像」と「教育費のかけどころ」
「平成30年度子供の学習費調査(pdf)」は、約2万5,000人の回答をもとにした文部科学省の調査です。
調査項目には学校の授業料だけではなく、塾やスポーツなどの習い事などにかかった学校外活動費も含まれています。
毎年行われている調査です。
次の表は、幼稚園3歳から高校3年生までの15年間について、各学年の学習費総額の合計です。
なお、金額は各学年の平均額の単純合計です。

全て私立に通うと教育費は公立の3倍以上に
幼稚園から高校まですべて公立に通うと15年間で541万円教育費であるのに対して、全て私立に通うと約1,830万円と3倍以上です。
特に私立の小学校は公立の小学校と比べて、約5倍ほどの教育費がかかります。
塾や習い事の費用は子供の年齢によって変わる
この調査には、学校外活動費という項目が設定されています。
学校外活動費に含まれる教育費としては、学校以外の勉強で使う参考書や問題集、パソコン、塾や家庭教師代、スポーツや音楽の習い事などが挙げられます。
この学校外活動費を調査結果から抽出したのが次の表です。
こちらも幼稚園3年、小学校6年、中学校3年、高等学校3年にかかる学校外活動費として計算しています。
前述の文部科学省「平成30年度子供の学習費調査(pdf)」の数値をもとに、幼稚園、中学、高校は3倍、小学校は6倍に直した数字にしています。

私立小学校児童の放課後は習い事がギッシリ
中学校と高校の公立私立、それぞれの学校外活動費を比べても大きな差にはなっていません。
6年間で388万円かかっています。
1か月あたりにすると、約5万3,000円にもなります。
小学生は中学生や高校生よりも学校が終わる時間が早いので、習い事をする子供が多いようです。
私立小学校に入学させる世帯の収入が高いようで、子供の教育費にかける費用が多い傾向にあります。
高校受験の塾代はどの家庭でも避けられない出費

また、中学校でかかる学校外活動費に公立と私立に大きな差がないのは、高校受験で同じように予備校に通うからだと考えられます。
同様に高校生も大学受験で予備校に通う人が多いのですが、
ことが読み取れます。
少々意外です。
文科省の調査データを教育費の目安に
文部科学省の調査結果からどれくらいの教育費がかかるかをみてみました。
「子供を私立の小学校に入れたい」、「私立は高校生以上からにしてほしい」などさまざまな考えがあると思います。
今後、必要となる教育費を計算する参考にしてください。(執筆者:FP2級、一級建築施工管理技士 田中 かな太)