事業を廃止することとなってしまった自営業、フリーランスの方、または、失業してしまった労働者の方へ、コロナウイルスによる国民年金保険料免除が発表されました。

国内での爆発的な感染拡大には至っていない現状ですが、事業者が受けているダメージは予想以上に甚大であり、経済活動の早期回復が望まれます。

日本年金機構は国民年金保険料の納付については、「免除制度が適用できる場合がある」との発表をしました(3月12日)。

参照:日本年金機構HP【国民年金被保険者の方へ】新型コロナウイルスの感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合の免除制度の活用について

今回の「特例免除」の適用となるには、

「新型コロナウイルス感染症の影響により、失業、事業の廃止(廃業)または休止の届出を行っているなど、一時的に国民年金保険料を納付することが困難な場合について」

という要件のため、事業を継続している自営業、フリーランスの場合は対象外の可能性があり、「最後の頼みの綱」といった位置づけでしょうか。

コロナの影響で廃業

事業の廃止(廃業)または休止の届出に必要な書類

国民年金保険料の特例免除申請の際に、添付書類として必要なもの(事業の廃止、休止の確認ができるもの)は以下です。

(1) 厚生労働省が実施する総合支援資金貸付の貸付決定通知書の写し及びその申請時の添付書類の写し

(2) 履歴事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書

いわゆる「会社の登記簿謄本」です。

法人の代表で、役員報酬を出している場合は、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の加入が義務のため、国民年金には加入していない可能性が高いです。

しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により失業した場合、法人を閉鎖したことの確認書類として、閉鎖の確認ができる登記簿謄本を持参することで、国民年金に加入すると同時に、免除申請ができます(要別添書類)。

(3) 税務署等への異動届出書、個人事業の開廃業等届出書または事業廃止届出書の写し税務署等の受付印のあるものに限る

個人事業主の場合は、経費の内訳を明確にするため、税務署へ「開業届」を届け出ていることがほとんどです。

そのため、事業を廃止した場合や、届出事項に変更があった場合、これらの届出を行います。

(4) 保健所への廃止届出書の控受付印のあるものに限る

飲食業や理美容業、クリーニング業などは保健所への営業許可の届出が必要なため、これらの書類でも事業廃止の確認ができます。

(5) その他、公的機関が交付する証明書等であって失業の事実が確認できる書類

※(2) から(5) については、別途、失業の状態にあることの申し立てが必要となります。

失業者の国民年金保険料免除について

厚生年金から国民年金へ変える

新型コロナウイルス感染症の影響により、退職を余儀なくされた労働者または役員の方は、これまで加入していた「健康保険・厚生年金保険」から

「国民健康保険・国民年金」に切り替える必要

があります。

その際に、労働者の方は

「雇用保険喪失の確認ができる書類(雇用保険被保険者資格喪失確認通知書、離職票)」

または、

ハローワークで失業給付を受給する手続きを行うと交付される「雇用保険受給資格者証」

を提出することで、特例で保険料の納付が免除されます。

あくまで「雇用保険を喪失したこと」が要件のため、前職が作成してくれた「社会保険喪失の証明書等」は使用できません

雇用保険に加入していない(加入できない)役員や短時間労働者の方は、別途、「離職年月日や離職理由を証明する書類(離職等証明書)」を作成し提出することとなります。

最寄りの市区町村(国民年金担当窓口)や年金事務所に、「離職等証明書」のフォーマットが用意してあるので、そちらを取得し、必要事項を記入してください。

また、法人役員については、法人の廃業確認ができる書類(閉鎖事項全部証明書等)を添付することがありますが、この登記簿謄本のみでは「失業」の確認ができない(複数の役員を兼任している可能性等)ので、注意が必要です。

必要書類等については、最寄りの市区町村(国民年金担当窓口)でご確認ください。

年金制度はセーフティネット

「国民年金」は私たちのセーフティネットです。

被保険者期間中は保険料の納付が義務付けられていますが、納付が困難な場合は「免除・猶予制度」を利用することで、「未納」ではなく「免除・猶予期間」として将来の年金に反映されます。

また、いつ起こるか分からない事故やケガ、病気により障害が残ってしまった場合に受給できる「障害年金」も、納付要件がとても重要になります。

未納期間が多いと、障害状態にあっても障害年金が受給できない可能性があります。

ピンチの時こそ免除・猶予制度をうまく利用して、将来の年金の準備を続けましょう。(執筆者:特定社会保険労務士、AFP 浦辺 里香)