日本に住む20歳以上の人全てに、「国民年金」の加入が義務付けられています。

学生であっても、無職であっても、国民年金の加入が必須ですが、今回は特に自営業者向けの「年金額を増やす方法」を紹介します。

付加保険料とは

年金手帳と100円玉

令和2年4月から令和3年3月までの国民年金保険料は「月額1万6,540円」です。

付加保険料とは、この国民年金保険料(部分免除等していない定額保険料)に、「月額400円」の付加保険料を上乗せして納付すると、将来の国民年金(老齢基礎年金)に加算されるというお得な制度です。

毎月400円の付加保険料がお得な理由

付加保険料を納付した部分(付加年金額)は、

200円 × 付加保険料を納めた月数

で計算されるので、将来年金を2年以上受け取ると、支払った付加保険料以上の年金が受け取れます

単純計算ですが、仮に20歳から60歳までの40年間、付加保険料を納めた場合の年金額は、

200円 × 480月(40年) = 9万6,000円

となります。

年額であることを考慮すると決して大きな増額とはなりませんが、納付した保険料額と比較すると、2年で元が取れる非常にお得な制度です。

手続きは年金事務所か市区役所で

この付加保険料は、申込みをした月から納付が可能なため、仮に、3月に申込みをすれば3月分から納付が可能です。

4月に入ってからだと3月分の付加保険料を納付できません

付加保険料を検討されている方は、1か月分でも多く年金に反映させるために、早めの対処をおすすめします。

付加保険料が納付できないケース

バツマークの札

国民年金に加入している人は、誰でも申込みをすることで付加保険料を納めることができますが、一部、付加保険料を納付できない場合があります

1. 国民年金基金に加入している方

2. 国民年金保険料の免除・納付猶予をしている方

3. 65歳以上の特例高齢任意加入被保険者の方

上記に当てはまる場合は、残念ながら付加保険料の申し込みができません。

1. 国民年金基金に加入している方

1について、国民年金基金は性別や年齢、加入口数によって保険料は異なりますが、将来受給できる年金額としては、付加年金額を上回ることがほとんどです。

ただし、国民年金基金は任意に脱退することができないため、注意が必要です。

2. 国民年金保険料の免除・納付猶予をしている方

2について、国民年金保険料の定額部分を免除している場合、付加保険料を納めることはできません

全額免除だけでなく部分免除も含まれるので、付加保険料の納付を希望する場合、まずは「免除・納付猶予の辞退申し出」をしてから、付加保険料の申し込みをしましょう。

3. 65歳以上の特例高齢任意加入被保険者の方

3について、これは昭和40年4月1日以前生まれで年金受給権がない方が対象です。

受給権を得るために特例で任意加入を認められているという性質から、さらなる年金額の増額には対応していません。

年金受給前に死亡した場合

付加年金は、老齢基礎年金に上乗せされる形で支給されるため、老齢基礎年金の受給前に死亡した場合、付加年金を受給することもできません

しかし、亡くなった方が国民年金保険料を36月以上納付していた場合、特定の遺族が請求することで「死亡一時金」が支給されます

この時、死亡一時金に上乗せされる形で、付加保険料相当分(8,500円)が支給されます

ただし、付加保険料の納付月数が「36月以上」必要なため、納付月数のカウントについては注意が必要です。

長寿社会の日本において年金に損はない

日本人の平均寿命は、女性87.32歳、男性81.25歳と、毎年着々と記録更新されています。

国民年金の受給開始は65歳なので、納付した付加保険料を回収するのにかかる時間は2年です。

つまり67歳以降の付加保険料は「全て得」になります

2019年の実績において、国民年金(老齢基礎年金)だけで見ると、現役時代に納付した国民年金保険料を回収するのに、およそ10年かかります。

それでも、平均寿命の延びから見ても回収するのに十分な期間と言えるでしょう。

将来の安心・安定のためにも、働ける今のうちに「付加保険料」を使って年金の増額をご検討ください。(執筆者:特定社会保険労務士、AFP 浦辺 里香)