新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が減ったり、子どもの学校の休校などで出費が増えたりして、養育費が不足するようになったシングルマザーの方も多いことでしょう

やむを得ない事情で養育費が足りなくなった場合は、元夫の経済状態にもよりますが、養育費の増額を請求できます

通常の状態であれば、まずは元夫と話し合いをし、まとまらなければ家庭裁判所に調停を申し立てるという流れになります。

ところが現在、

政府の緊急事態宣言等を受けて、全国の裁判所も業務を縮小しています。

ごく一部の急を要する事件を除いて、裁判が行われなくなっているのです

今回は、このような状況下で養育費が足りなくなったシングルマザーの方はいったいどうすればよいのかを考えていきましょう。

コロナで養育費が足りないとき

コロナが収束するまで調停は行われない見通し

本記事の執筆時点において、全国の裁判所で裁判期日が軒並み取り消されています

新件の受付は行われていますが、裁判期日の指定は見合わされています。

この状態がいつまで続くのかというと、現在のところは2020年5月6日までの予定です。

しかし、その後も「緊急事態」が続けば、この状態も続くはずです。

養育費に関する調停も裁判手続きなので、開催されていません

今から養育費の調停を申し立てても「緊急事態」が収束するまで調停は行われないのです。

数多くの裁判がストップしていることもあり、調停期日が指定されるのはかなり先になるでしょう。

つまり、

コロナの影響で不足した養育費を調停で請求しようにも、コロナウイルスの感染拡大がある程度は収束するまでは不可能

という、文字どおり「緊急事態」が発生しています。

シングルマザーがとりうる4つの対策

このような状況下でシングルマザーが養育費の増額を求めるためにとりうる対策として、以下の4つが考えられます。

1. 弁護士に依頼する

養育費の増額請求を弁護士に依頼すれば、元夫との交渉を代行してもらえます

しかし、弁護士に依頼するためには当然、費用がかかります

また、元夫との交渉がまとまれば公正証書を作成することになりますが、そのために調停の申し立てよりも多額の費用がかかってしまいます

今は少しでも「生活や支払いに使えるお金」を確保したいところでしょう。

そう考えると、弁護士に依頼することは金銭面でメリットが少ないかもしれません。

弁護士に依頼

2. 元夫となんとか話し合う

調停もできない、弁護士に依頼するにも金銭的な負担が大きいとなると、自分で元夫との話し合いをなんとかしてまとめることも考えられます。

しかし、無理に話し合いを重ねると相手も意地になり、ますます解決が困難となるかもしれません。

感情的な対立がエスカレートしてトラブルが発生するおそれもあります。

粘り強く交渉することは大切ですが、無理は禁物です。

交渉が成立したとしても、公正証書を作成するために調停の申し立てよりも多額の費用がかかるという問題もあります。

言い争いになる元夫婦

3. 調停を開いてもらうよう要求する

裁判所では全ての裁判がストップしているわけではなく、急を要する事件だけは裁判手続きが行われています

そこで、家庭裁判所に養育費の増額調停を申し立てた上で、急を要することを強く訴えて調停の開催を求めれば、裁判官の判断で開催されるかもしれません。

しかし、開催される可能性は低いといわざるを得ません。

4. 公的なセーフティーネットで乗り切る

最後に、利用条件はありますが、公的なセーフティーネットを活用して乗り切ることも考えられます。

従来から社会福祉協議会ではセーフティーネットととして

生活福祉資金貸付が行われています。

新型コロナウイルス感染症の影響による休業や減収などで生計維持が困難となった場合を対象に、緊急小口資金と総合支援資金については「特例貸付」として条件を緩和しています。

参考:厚生労働省「一時的な資金の緊急貸付に関するご案内(pdf)」

その他、自治体によって独自に支援制度を実施しているところがあります。

詳しくは、お住まいの地域の社会福祉協議会や自治体に問い合わせてみましょう。

使える制度は使って、緊急事態を乗り切ろう

この記事では、コロナの影響で養育費が不足するシングルマザーの方について、当座の生活費を確保するために何ができるかということを考えてみました。

元夫に十分な収入があれば、弁護士に依頼することで活路が開けるかもしれません。

しかし、今はコロナの影響で元夫も減収している可能性があります。

その場合は、養育費の増額請求どころか、逆に減額を請求される場合もあります。

裁判手続きすらストップするほどの緊急事態なので、公的なセーフティーネットなどで使える制度は使って、この事態を乗り切りましょう。(執筆者:川端 克成)