時代によって働き方、特に女性の働き方は大きく変わってきました。

いまや結婚して子供を持つ女性がフルタイムで働くことも珍しくはありません。

子の看護休暇」は、そうした働き方の変化によって生まれた制度とも言えます。

子の看護休暇については「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、いわゆる「育児・介護休業法」第16条において定められています

子の看護休暇とは、具体的にどのような制度なのか、順を追って説明しましょう。

「子の看護休暇」

子の看護休暇を取得できる労働者

まず、子の看護休暇は、誰でも取得できるわけではありません

「育児・介護休業法」第16条において、子の看護休暇ができるのは「学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」のみとされています。

「学校就学の始期に達するまでの子」とは、要するに小学校入学前の子供のことを指します。

ですから、小学生から高校生を育てている労働者は、残念ながら対象者ではありません。

この「労働者」には、男女の別はありません

男性の労働者にも子の看護休暇を取得する権利が与えられています。

育児も子の看護も女性(母親)だけの役目ではなく、男性(父親)の役目でもあるわけですから当然と言えば当然ですね。

子の看護休暇の具体的な内容

子の看護休暇の具体的な内容について、さらに詳しく説明していきましょう。

子の看護休暇を取得できる日数

取得できる日数は

「一の年度において五労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては、十労働日)を限度」

とされています。

つまり、子供が1人なら5日、2人以上なら10日です。

単純に、子供の人数 × 5日ではありません

子供が3人以上いる労働者には、少々不満が残るものかもしれません。

子の看護休暇を取得できる理由

子の看護休暇ですから言うまでもなく、子の看護のためにしか取得できません

子の看護休暇を取得できる理由は、

「負傷し、もしくは疾病にかかった当該子の世話または疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇」

とされています。

「疾病の予防」も含みますから、病気になる前の予防接種や健康診断のためであっても、子の看護休暇は取得できるのです。

子の看護休暇の職場での取り扱い

職場での子の看護休暇を取り扱いについて

法律の定めだけではなく、職場での子の看護休暇の取り扱いについても触れておきます。

子の看護休暇に対する賃金

子の看護休暇を取得した場合には、その分の賃金をどうするのでしょうか。

育児・介護休業法には、特に定めがありません。

つまり、子の看護休暇に対して賃金を支払う義務はないのです。

従って、子の看護休暇を取得すると、基本的にはその分の給料が減ってしまいます

ただし、法に定めがないということは、子の看護休暇を有給とするか無給とするかは会社次第とも言えるのです。

労使協定を交わして子の看護休暇を有給にすることは、もちろん可能です。

子の看護休暇の取得単位

子の看護休暇は、1日単位または半日単位で取得できます。

半日単位での取得は、「始業の時刻から連続し、または終業の時刻まで連続するもの」とされています。

ただし、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者には、半日単位での取得は認められていません

子の看護休暇は改定を控えている

施行がはじまって以来、子の看護休暇は改定が重ねられてきました。

前項で述べた半日単位での取得も、改定によって加えられた定めです。

そして、令和3(2021)年1月1日に改定を控えています。

改定されるのは次の点です。

・ 1時間単位での取得が可能になる
・ すべての労働者が取得できる

1日の所定労働時間が4時間以下の労働者も、時間単位での取得が可能になる

また、いわゆる「中抜け」の休暇取得を認めるように企業に配慮が求められています

1時間単位で子の看護休暇を取れるというのは、相当にありがたい改定ではないでしょうか。

より柔軟に子の看護休暇が取れるようになると言えます。(執筆者:社会保険労務士 嵯峨 朝子)