国民健康保険料は、前年の所得に基づいて算出されます。

ですから、解雇や事業の不振などで今年の収入が激減した場合、国民健康保険料が大きな負担になってしまうこともあります。

そんな時、頼りになるのが、国民健康保険料の軽減、および減免の制度です。

会社を辞めてあらたに国民健康保険に加入する人も、ずっと前から国民健康保険に加入している人も、一定の条件さえ満たせば、軽減・減免を受けることができます

コロナウイルスの影響で、望まない(非自発的な)退職も増えています。

経済的な負担を少しでも軽くするためにも、ぜひ国民健康保険料の軽減・減免について知っておいてください。

国民健康保険料の軽減・減免とは

国民健康保険料の軽減・減免とは

そもそも、「軽減」と「減免」はどう違うのでしょう。

簡単に言えば、

・ 軽減は、国が定めている制度

・ 減免は、各市区町村が定めている制度

です。

国民健康保険は各市区町村が管理しているので、国民健康保険料を算出する計算のしかたもそれぞれ異なります。

よって、減免の制度も市区町村ごとに異なります。

ですから、住んでいる地域によって、負担しなくてはいけない国民健康保険料が大きく変わってしまうことも考えられます。

今後、違う市区町村への引っ越しを考えている人は、国民健康保険料についても、あらかじめ調べておいたほうがいいかもしれません。

それはさておき、いずれにしても、冒頭でお伝えしたとおり、国民健康保険料は前年の所得から決まります

前年の所得金額が、

・ 国が定める基準以下であれば軽減

・ 各市区町村が定める基準以下であれば減免

を受けられます。

国民健康保険料はどれくらい安くなるのか

国民健康保険料はどれくらい安くなるのか

軽減について

まず、軽減についてご説明しましょう。

世帯主と国民健康保険加入者の前年合計所得、および国民健康保険加入者の人数を基にして、軽減の割合が決まります

軽減の割合には、

・ 7割軽減

・ 5割軽減

・ 2割軽減

があります。

軽減の割合を決める所得の基準額については、年度ごとに変わりますので、ご注意ください。

また、非自発的失業者に対する軽減もあります。

解雇や倒産など、非自発的な理由で失業してしまった人が利用できる制度です。

前年の給与所得を100分の30として、国民健康保険料を算出します。

この軽減を申請するには、ハローワークが発行する「雇用保険受給資格者証」が必要です。

無駄足を踏まなくて済むよう、まずハローワークに行ってから、市区町村の役所に申請に行きましょう。

減免について

次に、減免についてです。

事業の不振・廃止、天災などで所得が大幅に減り、国民健康保険料を支払うのがむずかしくなった場合、減免が受けられます

くり返しになりますが、こちらは市区町村ごとに制度の内容が異なります

減免のくわしい内容については、かならずお住まいの市区町村に確認してください。

新型コロナウイルスによる減免対応

新型コロナウイルスによる減免対応

4月8日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援について」を発表しました。

対象となるのは、コロナウイルスの感染症により、

・ 主たる生計維持者が死亡

・ 重篤な傷病を負った世帯

・ 主たる生計維持者の事業収入・不動産収入・給与収入などの減少が見込まれる世帯

です。

前年の合計所得金額に応じた減免割合、減少が見込まれる収入などに基づいて、減免額が算出されます。

また、すでに納付した国民健康保険料についても、減免の申請ができなかったやむを得ない理由があると認められる場合は、さかのぼって減免が認められるケースもあります。

この減免の制度は、令和2年度のみの取り扱いとなっています。

とはいえ、たった1年でも国民健康保険料の負担を軽くできれば、大助かりではないでしょうか。

最新の情報をチェックしよう

最新の情報をチェックしよう

コロナウイルスがいつ収束するのか、残念ながら、一切めどがたっていません。

この自粛が、いつまで続くのかもわかりません。

自粛が長引き、経済的にますます苦しくなっていくおそれもあります。

そうなると、軽減・減免制度に変更が加えられたり、あらたな財政支援が行われたりするかもしれません。

前項で触れた財政支援も、4月8日に発表されたばかりです。

コロナウイルスによる苦境を乗り切るためにも、利用できる制度は、積極的に利用してはいかがでしょう。

もちろん、軽減・減免制度を利用するかしないかは、個人の自由です。

ですが、国民健康保険料が安くなる制度があると、知っておいても損はないはずです。

最新の情報は、常にチェックしておくのがおすすめです。(執筆者:嵯峨 朝子)