健康志向や自転車ブームを背景に、国内の全世帯の自転車保有台数は、2018年は6万6,068台、2019年には6万7,616台と増加しています。

参照:自転車産業振興協会(pdf)

なかでも通勤用におしゃれなクロスバイクやロードバイクを使う人、街乗り用にミニベロや電動アシスト自転車を使う人が増えてきました。

街の自転車店には置いていないブランド自転車を、通販で安く手に入れようと考える人もいるでしょう。

ですが、通販で手に入れた自転車は、購入後のメンテナンスや防犯登録で思わぬ損をすることがあります

詳しく解説します。

自転車の通信販売とは

自転車は通販で買うと安いか

自転車マンガのブームもあり、いわゆる「ママチャリ」以外の自転車を購入したいという人が増えています。

しかし、学生の通学用自転車を販売しているような街の自転車店では、海外有名メーカーの自転車を取り扱っていないことも多く、かといってクロスバイクやロードバイク専門のサイクルショップが近くにない場合も多いでしょう。

ネットや雑誌で見かけたおしゃれな自転車を買いたくても、実際の店舗になければ買えません。

そこで、ネットのサイクルショップやAmazonなどのECモールを探せば、欲しい自転車を通信販売している業者を見つられます。

通信販売で自転車を購入するときに注意すべき点を見ていきましょう。

注意点1:パーツがバラバラ

通信販売で自転車を購入するとき、もっとも大変なのは「自分で組み立てが必要」という点です。

ほとんどの自転車通販業者は、パーツをバラバラにして自転車を発送します。

なぜなら、完成形の自転車を発送しようとすると、宅配便の規格上限を超えてしまうからです。

宅急便のサービス規格は縦・横・高さの合計が160cm以内、かつ重さが25kg以内です。

参照:ヤマト運輸

たとえば、ヤマト運輸の宅急便の規格上限は縦・横・高さの合計が160cm以内です。

しかし、筆者の所有するロードバイクを実際に計ってみたところ自転車の全長だけで160cmを超えてしまいました。

ヤマト運輸では、宅急便の規格を超える大きさの荷物は「らくらく家財宅急便」など家財扱いの割高な料金での取り扱いになります。

また、輸送中にチェーンが外れたりハンドルの取り付けがゆがんだりといったトラブルも考えられます

そのため、多くの自転車通販ではパーツがバラバラの状態で自転車が届きます。

自転車パーツを初心者が簡単に組み立てられるとは言い難く、完成した自転車の安全性にも不安が残るのではないでしょうか。

注意点2:防犯登録がない

通信販売で購入した自転車は、ほとんどの場合防犯登録が行われていません。

自転車店の店頭で購入した場合はお店側で防犯登録を済ませてくれますが、通信販売の自転車は購入者が自分で防犯登録の手続きを行う必要があります

自転車の防犯登録は「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」に義務として定められています。

参照:イーガブ

まずは 防犯登録

防犯登録がないと自転車保険に入れなかったり、駐輪場の契約ができなかったりと不便なことが多いです。

なにより、防犯登録がない自転車は仮に盗難に遭っても警察は探すことができません。

放置自転車として回収されてしまう可能性もあります

防犯登録は、自転車店やホームセンターで手数料を支払って手続きが可能です。

手数料は都道府県ごとに差がありますが、500円~650円程度です。

なかには「自分の店で売っている自転車しか手続きしない」と防犯登録だけの手続きを断る自転車店もありますので、事前の確認が必要です。

注意点3:メンテナンスの引受先

通信販売でパーツがバラバラの自転車を購入したとき「近くの自転車店に持ち込んで組み立ててもらおう」と考える人もいます。

また、タイヤやチェーンなどは自転車に乗るうちに消耗していくため、定期的なメンテナンスが必要です。

通信販売で購入した自転車を、別の自転車店で組み立て整備をしてもらったり、メンテナンスを依頼したりすることは可能なのでしょうか。

結論から言うと、難しい場合もあります。

出先でのパンクやチェーン脱落など、緊急事態で最寄りの自転車店に持ち込み修理を依頼しても断られることはまずありません。

しかし、パーツからの組み立て整備や定期メンテナンスなどでは、他店商品の持ち込み整備を嫌がる自転車店も存在します

特に高級ロードバイク等を扱う店では、他店の自転車は整備費用が割高になったり、対応を渋られたり、自転車店の整備保証をつけられなかったりすることもあります

欲しい自転車が店頭にない場合は

欲しい自転車が お店にないときどうする

通販で購入するデメリットを把握していても、欲しい自転車が店頭になく「通販なら売っているのに」という場合もあるでしょう。

そんなときは、まずは自転車店に取り寄せが可能か相談しましょう。

メーカーサイトのプリントアウトや雑誌の記事などで、メーカーと型番、販売価格が分かるものを提示すると話がスムーズです。

自転車店は、特定のメーカーと代理店契約を結んでいて取り扱い車種が決まっている場合もあります。

メーカー縛りが原因で対応できないようであれば、他のスポーツ系のサイクルショップを教えてもらうなどしてみましょう。

また、メーカーに直接「〇〇市の近くに取扱店はないか」と問い合わせるのも良い方法です。

特定の海外ブランドやレアな車種の場合、取り寄せが難しいこともあります。

そんなときは自転車店に「取り寄せられないなら、通販で購入するから組み立て整備と防犯登録を頼めませんか」と交渉してみましょう

いきなり自転車を持ち込んで組み立てを依頼するより、まず取り寄せを依頼してからの方が、お店側も「取り寄せ対応できなくて申し訳ないけど、組み立てなら…」と考えてくれやすいです。

海外有名メーカーの自転車でも安く手に入る通信販売は、確かに便利です。

しかし自転車店で直接購入し、専門の自転車整備士に整備してもらうことで、結果的にメンテナンス費用の節約につながる場合もあります。(執筆者:久慈 桃子)