今回は、マンション経営の最終損益(現金収支で損か得かが最終的に判明すること)について考えてみましょう。

最終損益(現金収支)とは

マンション経営などの不動産投資において、最終の損益(現金収支)はいつわかるのか、そもそも私が言う最終損益(現金収支)とは何なのかを解説します。

最終損益(現金収支)」とは、投資している物件との最後つまり物件の「売却」を迎えた時点で、その物件を購入してからのトータルの損益が初めて分かるということを意味しています。

従って、私がいう最終損益は「投資用不動産をある一定価格で売却したときに判明する」ということになります。

意外と考えない最終損益

意外と考えない最終損益

サラリーマンが行うワンルームなどのマンション経営においては、私が言う「最終損益」はあまり語られないポイントです。

家賃収入が購入の目的ですから、やむを得ないかもしれません。

しかし、あらためて「投資」として考えてみましょう。

金融商品(株や投資信託)を例にとると、その利益が確定するのは金融商品をある段階で現金化した時です。

その際に「利回りが〇〇%」とか「利益が〇〇万円」になるわけですから、不動産投資における「最終損益」についてもこの考え方は至極当然なわけです。

では、マンション経営の「最終損益」について考えてみましょう。

最終損益をどう考えるか

売却してみなければ分からないので、投資用不動産を安定して保有している限りは「最終損益」を考えなくてもよいかというと私はそうは思いません

別の方法を考えるべきです。なぜならば、それは「投資」だからです。

「トータルで儲かってなんぼ」の世界です。

投資家であれば、少なくとも頭のどこかで常に現在の損益を意識していることは当然だと言えます。

自分の投資の総資産状況や最初からの現金収支を把握しますが、面倒なのでやらない人が多いです。

特に2件目、3件目と物件を増やしたい方につは必須です。

物件を増やしていくためには

家賃収入によるものも含めて自己資金の活用が不可欠なので、現在の現金収支を把握することは大切

です。

また、ある物件を売却して別の物件を買うケースの算段にも使用できますし、自分の現在の不動産資産価値や現金収支を把握し、投資計画を立てる際にも有効なツールです。

「今トータルでこれくらい儲かっている」と意識することで、不動産投資へのモチベーションも上がりますし、反対にマイナスであれば投資内容見直しのよい機会になるかもしれません。

それでは、実際には、どのように算出すればよいのでしょうか。

「最終損益」の計算方法

最終損益の計算方法

計算の方法を考えてみましょう。

それほど難しい話ではないのでごく簡単に説明します。

計算式で表すと、

「売却代金を含めた総現金収入金額」-「借入や自己資金充当分含めた総現金支払金額」= A「最終損益」

ということになります。

「A > 0」であれば利益確定ということになり、「A < 0」であれば損失が確定したことになります。

つまり、購入以来の「総キャッシュフロー」のプラスマイナスを算出します。

よく利用される似たものに「年間のキャッシュフロー」という考え方があります。

これを簡単に記載すると、

「年間家賃収入額」-(「年間ローン支払額」+「年間管理費等支払額」)

ということですが、「総キャッシュフロー」の式はさらに購入時からのトータルの現金収支を加えたものです。

収支の明細さえわかれば算出は可能です。

収入金額には、

・売却代金

・これまでの家賃収入

・その他収入(税金還付金等や保険金等)

が含まれますし、

支払金額には

・ローン支払元利金

・普段あまり意識しない過去の購入時頭金

・ローンの一部繰り上げ返済金や手数料

・その他費用(管理費等、租税公課等、返済のための補填金等)

等の現金支出全てが含まれます。

実際の現金支出が伴わない減価償却費等は計算には含めません

算出のために身近で最も分かりやすい資料として確定申告時の書類もありますが、銀行口座の明細が便利です。

専用の口座を作っている方も多いと思いますが、現金の出し入れがはっきりと分かる資料です。

現金補填分や他への流用分などを除けば、購入からの全期間の収支の明細もほとんど判明します。

これに口座に明細がない領収書金額分を加えましょう

売却を前提としない算出方法(売却すると仮定した【仮の最終損益】)

所有中の投資物件の損得を判断する

計算方法がわかったところで、次に物件保有中の算出方法を考えてみましょう。

売却代金に代わる指標が必要です。

売却していない場合には、どのように算出して当てはめるのかが問題ですが、できるだけ近い金額という意味では、条件の近い物件の「流通金額」いわゆる「近隣売買事例」で推し量れます

その時点で売却したらどの程度で取引されるかという価格です。

近隣売買事例」とは、近隣地の立地で築年数や広さ等の条件が似た物件の売買事例という意味ですが、まず現在の所有物件の管理会社に聞くのが1番です。

1棟ほとんど同じ管理会社というケースもありますので、同じマンションで売買されていれば、かなり正確な売買事例(金額)が分かります

また、中古マンションの検索サイトは多数あります。

「マンション 流通価格 サイト」などで検索すると、多くのサイトを見つけられます。

無料で会員登録するだけでもかなり具体的に調べられますので、利用してみましょう。

こうして算出した

不動産の推定価格を売却価格として式に代入し、ローン残高が残っていれば総現金支払金額に加えて計算する

ことで、その時点での「仮の最終損益」がわかります

東京の超一等地を除けば、マンションは経年劣化で年々値下がりします。

こうして近隣売買事例等を売却代金と想定して推定価格を計算し、購入以来の「総キャッシュフロー」を算出し、そして利回りを出してみることで、将来への計画作成に役立ったり、場合によっては売買を検討したりするきっかけになるかもしれません。

ローン返済中といった将来の不確定要因があるにせよ、2~3年ごとにでも「仮の最終損益」を算出してみることは、投資家にとって非常に有益です。

損か得かがわかるのはいつなのか

マンション経営が損か得かは、「いつでも分かる、むしろいつでも分かるようにしておく」ということです。

物件売却前でも本人のやり方次第で、「仮の最終損益」として計算できるからです。

ただし、「仮の最終損益」の場合にはその時点での評価であるということと、金額はあくまで目安であるということはやむを得ません。

このような分析をみなさんの今後の不動産投資に役立てて欲しいと思います。(執筆者:不動産投資歴16年 堀江 優)