新型コロナウイルスの影響により、経営が傾いてしまったり倒産してしまったりする会社が増えています。

そして、その影響により給料が未払いになっている会社もでてきています

労働基準法第24条では、

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならない。

とされています。

そのため、給料の未払いはどんな事情があれ、労働基準法違反になります

今回は、会社から給料が払われなかった場合にどうやって取り戻せばいいのか、対処法について詳しく解説していきます。

未払賃金立替払制度

給料袋とお金

未払い給料を取り戻す方法の一つに、未払賃金立替払制度という国の制度があります。

未払賃金立替払制度を利用できる対象者は、以下の要件を満たす必要があります。

・ 労災保険の適用事業所で1年以上事業活動を行っていた事業主に雇用され、企業倒産に伴い賃金が支払われないまま退職した労働者であったこと

・ 裁判所への破産手続開始等の申立日(法律上の倒産)、または労働基準監督署長に対する事実上の倒産の認定申請日の6か月前の日から2年の間に当該企業を退職した労働者であること

・ 未払賃金額等について、破産管財人等の証明(法律上の倒産)または労働基準監督署長の確認(事実上の倒産)を受けた人

すなわち、雇用されていた事業所が法律上の倒産または事実上の倒産のため、賃金が支払われないまま退職をした労働者が対象です。

・ 事業所が活動をしている場合

・ 退職をしていない場合

については、未払賃金立替払制度の対象外です。

立替払の請求ができる期間

・ 裁判所の破産手続の開始等の決定日または命令日の翌日(法律上の倒産の場合)

・ または労働基準監督署長が倒産の認定をした日の翌日(事実上の倒産の場合)

から起算して2年以内です。

立替払の請求方法

未払賃金の立替払請求書を、労働者健康福祉機構に提出します。

立替払の金額

未払賃金立替払制度によって立替払いされる金額は、未払賃金総額の100分の80の額です。

ただし、未払賃金総額には以下のように退職日の年齢による限度額がありこの限度額を超える場合は限度額の100分の80の額が支払われます。

・ 45歳以上:370万円

・ 30歳以上45歳未満:220万円

・ 30歳未満:110万円

未払賃金立替払制度が利用できない場合の対処法

未払い給料が発生するケースは、会社が倒産してしまった場合だけではありません。

会社が存続しているのに、給料が未払いのケースも当然あります。

このような場合、どのような方法で未払い給料を取り戻せば良いのでしょうか。

まずは未払い額の確定と証拠集めを

勤怠管理表

最初に行うべきことは、

・ 未払い給料の額がいくらなのかを確定させること

・ 労働していた事実を証明すること

です。

給与明細、タイムカード、就業規則、勤怠管理表、雇用契約書などの証拠になりそうなものはそろえておく必要があります。

このような証拠を元に未払い給料を取り戻すには、手軽な順に以下の方法が考えられます。

1. 会社と話し合う

まずは会社と直接話し合うと良いでしょう。

うまくいけば1番円満に解決できます。

2. 内容証明郵便を送る

内容証明郵便を送ることによって、こちらの意思が会社に伝わったことは証明できますが、解決できるとは限りません。

3. 労働基準監督署に相談や通報を行う

労基署が使用者を調査して賃金支払いを勧告します

但し、労基署は忙しいため相談にのってくれない場合もあります。

4. 民事調停を開く

民事調停調停委員が仲介をし、話し合いにより合意することで解決を図る手続きです。

合意ができなければ、解決できません。

5. 支払督促の申し立てを行う

申立人の申し立てに基づき、裁判所から「支払督促」を送ります

6. 訴訟を起こす

未払い賃金が60万円以下の場合は、少額訴訟であれば安価で手軽に行えます

以上のような未払い給料を取り戻す方法は、自分で行えるものもありますが、弁護士などの専門家に依頼をした方が確実です。

未払い給与をあきらめない

給料の未払いは、生活に多大な影響を与える問題です。

給料を払えないどんな理由があろうとも給料の未払いは違法ですから、すぐに動けるようにしておくことが大切です。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)