5月に全国で緊急事態宣言が解除され、5月中は休業していたお店もほとんど再開されたこともあり、徐々に街中に人が戻ってきました。
そこで「外食株」へ投資して、コロナ相場で下げた分のリバウンドを狙いたい方もいるでしょう。
ウィズコロナ相場で外食株への投資を考えた場合、「客単価」に注目するといろいろな発見があったので紹介します。
マクドナルドが客席を閉鎖しても売上を伸ばせた理由
緊急事態宣言期間中(4、5月)の日本の代表的な外食の月次売上です。

参照:マクドナルド(pdf)、吉野家、サイゼリヤ(pdf)、丸亀製麺
マクドナルドは緊急事態宣言中に客席を閉鎖(テイクアウトのみ)していたにも関わらず、前年より売上を伸ばしています。1人勝ちと言ってもよい状態です。
ではその要因は何だったのか。
それが一目でわかるグラフが以下です。

マクドナルドの売上が前年から伸びた要因は、客単価の上昇です。
客単価が上昇した理由は、複数人数分の注文が多いお持ち帰り、ドライブスルー、デリバリーの利用が増えたた め、とマクドナルド月次IRニュースに記載しています。
参照:マクドナルド(pdf)
子供のいる家庭では4、5月中に、マクドナルドをテイクアウトやドライブスルーなどでに利用する機会が増えたでしょう。
マクドナルドはここ数年ファミリー向けの対策を重視していたことが、功を奏したと考えます。
マクドナルドはハッピーセットのおもちゃに力を入れています。
ドラえもん、仮面ライダー、プリキュア、リカちゃんなどのキャラクターのほかに、えほんやミニ図鑑も選択できるようになりました。

子供が買えば大人もバリューセットを買う、という流れができていることが客単価の上昇要因の1つでしょう。
さらに、ほとんどの方はマクドナルドを利用したことがあるため、メニューを考えやすいのも要因の1つでしょう。
対して吉野家は、テイクアウトは根付いているものの1人で食べる客が多く、家族分を買っていく客はマクドナルドに比べて少なかったと考えます。
サイゼリヤと丸亀製麺はもともとテイクアウトできるメニューが少なかったため、テイクアウトが根付いていなかったと考えます。
ファミリー+テイクアウトを根付かせる企業をチェックしよう
街中を歩いていると、大小さまざまな飲食店がテイクアウトに力を入れているのが分かります。
休業が明けて店舗で食事ができるようになっても、ソーシャルディスタンスや営業時間の短縮、夏と冬に換気の必要があるなど、コロナ前と同様に食事できないこともあり、テイクアウトを重視する流れは続いていくでしょう。
今後は外食企業によるテイクアウト競争が広がる可能性があります。
その中で勝ち組になるには、マクドナルドのようにファミリー全員がテイクアウトしたくなるようなお店にすることが1つのやり方でしょう。
次の外食企業のお宝株は身近なお店のチェックから見つかるかもしれません。(執筆者:勝越 晴)