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住宅ローンは「信用金庫・組合」がおすすめ 地方銀行員がこっそり教える「メガ・地銀・信金」の本音と特徴

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住宅ローンは「信用金庫・組合」がおすすめ 地方銀行員がこっそり教える「メガ・地銀・信金」の本音と特徴

地方銀行員が考える「住宅ローンはどこが1番いい?」

住宅ローンを借りるなら信用金庫がおすすめ

メガバンク、地銀、信金、金融機関にもいろいろとありますが、住宅ローンを借りるときよりも「借りたあとの付き合いでのおすすめ順」といった尺度で、銀行の順列や善悪ではなく銀行員の視点で考える順序は次の通りです。

1. 信用金庫、信用組合
2. 地方銀行
3. メガバンク、ネット銀行

労働金庫やJAなど金融機関はもっとありますが、話が広がりすぎてまとまりにくくなるのと、特に労働金庫は公的な側面もあるので比較対象にはしませんでした。

おすすめ順の理由1:金利引き下げ

住宅ローンの金利は人によって違います。

自分の住宅ローン金利が高いと感じたら、他の金融機関で借り換えするのが1つの対策です。

しかし、その前にいま取引している銀行で金利を引き下げる交渉をしてみるのもよいと言えます。

金利引き下げは、金融機関のスケールが影響し「大きいほど金利引き下げには鈍感」だと言えます。

大きいと「それなり」、大きくなければ「必死」


メガバンクの本音

基本的に「去るものは追わず」で、金利引き下げはそれなりの対応と言えることでしょう。

もちろん金利引き下げに応じてはくれますが、地方銀行や信用金庫ほど必死ではないと言えます。

次にあげる会話は、メガバンクの行員と金利引き下げについて意見を交わしたときの内容です。

「金利引き下げにはもちろん柔軟に対応するが、銀行側から一度金利を提案して納得してもらえなければそれまで」

「何度も交渉するの時間と経費もかかるので、顧客が納得しないなら他の金融機関に借り換えされても良い」

「ローンの防衛に時間と人件費を使うより、新しいローンを獲得する。なぜなら、新しいローンはいくらでも申し込みがあるから」

最後のフレーズには少しムッときましたが「来るものは拒まず、去るものは追わず」で、ある意味でこれが現実なのかもしれません。

地方銀行や信用金庫などの本音

住宅ローンの新規顧客の獲得は日々奪い合いの苛烈な競争です。

また、住宅ローンの借換えも同様で「1,000万円のローンを借換えされたら、2倍の2,000万円を倍返しだ!」と、どこかで聞いたようなセリフを本当に現場で使っているのです。

地方銀行や信用金庫などは「去るものは追わず」どころか、「一度お客さまになってもらったら絶対に離さない(手放せない)!」というのが本音です。

黙っていてもお客さまは来てくれないので、それだけ新規取引を獲得するには苦労があり、それだからこそ既存のお客さまを大事にしています。

「小さいほどいろいろな意味で、お客さまを大事にしないとやっていけない」

金利引き下げに関してはメガより地方銀行、そして地方銀行も信用金庫のきめ細かさにはかないません

きめ細かなサービスができます

非対面が原則のネット銀行とはお客さま対応を単純には比較できませんが、非対面で顧客折衝を省いて低金利などの利便性を提供していると言えます。

その顧客対応はメガバンクに最も近いと思われますので、今回は同じくくりにしました。

おすすめ順の理由2:返済に困ったとき

これは

住宅ローンの返済に困った際に、どこまで救いの手を差し伸べてくれるのか?

という尺度です。

金融機関によって「冷たい、優しい」などの差はありません。

どの金融機関でも真摯に相談に乗ってくれます。

しかし、そうした対応においても、きめ細かさや「どこまで助けられるか」には微妙に差があります。

専門部署が一括する「メガバンク」

メガバンクやネット銀行では、返済の相談や実際に毎月返済を減らす対応(いわゆるリスケ)を専門部署が一括して対応するのが一般的です。

日頃の応対は取引している支店ですが、「返済に困って延滞が重なる」あるいは「リスケの相談」をしてからは専門部署の管轄です。

こうした専門部署の銀行員は、延滞やリスケのスペシャリストで的確なアドバイスや対応をしてくれます。

しかしその一方で、不良債権処理にも長けているので、延滞が累積して返済できなくなれば代位弁済などの事務処理も淀みなく進めます。

代理弁済とは、ローン返済できなくなった際にローンの保証会社が銀行に残高を一括払いした後に、債務者が保証会社に返済していくというものです。

このように、専門部署管轄にされてしまうと、ローン返済が破綻するか、あるいは頑張って元に戻るまでは支店の銀行員は対処しません

このあたりは役割分担が明確と言うだけで、決してメガバンクが冷たいという意味ではありません。

しかし、対応が迅速な反面、機械的な印象は残ります。

最初から最後まで付き合う「信用金庫」

原則として

住宅ローンを借りる時から金利引き下げ、返済相談やリスケまで、一貫してその支店の職員が対応

してくれます。

信金は地域密着度合いも強いので、ローンを借りる時から最後(退職金で完済、あるいは代位弁済やリスケ)まで同じ職員と付き合う、というケースもあり得るのです。

こうなると仕事とは言え、職員も懸命に解決策などを考えてくれます

もちろん顧客を手放せないという事情もありますが、それを差し引いても「血の通った対応」を信用金庫ではしてくれることでしょう。

地方銀行は中間

自分の勤務する地方銀行は、率直に言って「良くも悪くもメガバンクと信用金庫の中間」だと言えます。

良くも悪くも真ん中です

良くも:「金利引き下げは必死」

地方銀行の間では、日常的に顧客の奪い合いです。

既存のお客さまを繋ぎ止めるためにも、金利引き下げには熱心に対応します。

この辺りは、ライバル関係にある信用金庫と比較しても対応の遜色はないと思います。

悪くも:「困った時の対応は冷たくなってきた」

以前は地方銀行も、困った人からの相談に親身に対応してきました。

しかし、最近は経費面からか、専門部署で一括対応する地方銀行も増えてきました

1人が最後まで担当できないと、どうしても「冷たい対応」になってしまうところがあります。

住宅ローンならきめ細かい対応の「信用金庫」

金融機関にはそれぞれのメリットがあります。

メガバンク:全国規模の店舗網と安心感やブランド

信用金庫金庫:地域密着のきめ細かさ

もちろん筆者が勤務する地方銀行にも、ほかの2つに負けないメリットはあります。

それぞれに短所もありますので、個人の好みや利便性を含め、

・ メガ
・ 地銀
・ 信用金庫

を比較検討されることをおすすめします。(執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二)

《加藤 隆二》
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執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二 加藤 隆二

バブル期に入社して、以来銀行一筋30年。お金にまつわるさまざまな相談にこたえてきました。時には返せなくなってしまった人からの相談にも、可能な限り親身になって対応してきたつもりです。銀行員として「あなたのために、なにができるか考えます」 最初の挨拶はいつもそう言ってきました。年を重ねた今も、気持ちは変わっていません。銀行員として、読者である「あなたのために」役に立つ文章を書いていきたいと思っています。 寄稿者にメッセージを送る

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