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住宅ローン「変動金利型」でも安心な2つの「特別ルール」を解説

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住宅ローン「変動金利型」でも安心な2つの「特別ルール」を解説

変動金利と長期固定金利では金利の決まり方が違うため、変動金利がすぐに上昇することはありません。

ただし、金利水準は現在が底と考えられるため、今後は低下よりも上昇する可能性の方が高いでしょう。

今回は、住宅ローンの変動金利の特別ルールを具体的に解説することで、変動金利でも安心していただきたいと思います。

住宅ローンの 「変動金利型」でも安心

住宅ローン金利は年2回見直し

変動金利においては、毎年4月1日と10月1日に金利が見直され、それぞれ7月と1月の返済分から適用されます。

ただし、変動金利の指標となる短期プライムレートが、2009年1月9日より、年1.475%で据え置かれたままになっているため、それ以降は金利は見直されていません。

1. 返済額は金利が変動しても実質5年間変わりません

そして、ここからが大切なのですが、仮に金利が見直されたとしても、10月1日を基準とする5回目(実質5年間)までは、元金と利息の内訳を変更するだけで、返済額が変わることはありません

仮に、金利を引き上げた場合は、返済額に占める利息分が増え元金部分が減ることになり、引き下げた場合は返済額に占める利息部分が減り、元金部分が増えることになります。

なぜ返済額に直接反映させないのか。

それは、住宅ローンの返済が長期に渡り、毎月の家計に占める負担も大きいためできるだけ返済額を変えないことで、住宅ローンの債務者が計画的に返済できるようにするためです。

金利が変動しても実質5年間変わりません

2. 返済額が急激に上がらないように上限がある

10月1日を基準とする5回目以降に、次回の返済額を再計算する訳ですが、ここでも返済額が急激に上がらないように、次回の実質5年間の返済額の上限は、現在の返済額の1.25倍が限度と定めています

これにより、計算上は2倍になっていても、次回の返済額は現在の1.25倍とすることで、返済額の急激な上昇による家計への負担を和らげ、延滞などができるだけ発生しないように配慮されています。

例えば、毎月の返済額が8万円だった場合、計算上の2倍をそのまま適用すると、毎月の返済額は16万円に跳ね上がります。

しかし1.25倍であれば10万円となり、家計の節約で何とか返済を継続できる金額となります。

当初の仕組みを「5年ルール」、この仕組みを「125%ルール」と言いますが、変動金利利用者でも、銀行などから正確に説明されていないことも多いようです。

なお、上記の仕組みは、実質的に元金部分の返済を先送りしている形になるため、最終的には最後の返済で清算します。

一部の銀行は上記のルールを採用していないので注意

ここまで、「5年ルール」と「125%ルール」を解説してきましたが、このルールを採用することで余計な利息が発生することがあるのも事実です。

従って、新生銀行とソニー銀行は「5年ルール」と「125%ルール」を採用していません

この場合、金利見直しごとに返済額が上下しますので、ご注意願います。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)

《沼田 順》
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沼田 順

沼田 順

1975年、兵庫県生まれ。1994年、神戸商科大学(現・兵庫県立大学)に入学。学生時代の1997年に宅地建物取引主任者試験に合格。翌年の1998年、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)に入庫。2008年、独立後勉強していたCFP上級資格を取得し翌年の2009年にCFP認定者及び1級FP技能士となる。2014~2015年、大阪大学大学院経済学及び理学研究科 博士前期課程 単位取得。2015年、京都大学法科大学院 法務博士課程 単位取得。 ≪保有資格≫ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 宅地建物取引士 / 住宅ローンアドバイザー / ビジネス法務エキスパート® / 証券外務員2種 / 銀行業務検定各種 寄稿者にメッセージを送る

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